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脱ドリル宣言!?アイス・スパイスがデビューEPをドロップ!! Ice Spice - Like..? (2023)

ナイジェリア系アメリカ人の父親とドミニカ人の母親を持つラッパーIce Spice(アイス・スパイス)は、2022年に8月にシングル 「Munch (Feelin' U)」 をリリースし、キャリアを大きく前進させました。
この曲は、アメリカのラジオ局で数多くエアプレイされ、ラップスター、ドレイクの目にも留まり、ニューヨーク・ドリルシーンに新たなスターの誕生を予感させました。

そんな彼女が2023年にEP「Like..?」をドロップ。

ここでは、この作品について解説します。

レーベル  : 10K Projects, Capitol Records
リリース日 : 2023年1月20日
名前    : Ice Spice
本名    :    Isis Gaston
年齢    : 23歳


出身地   :    ニューヨーク、ブロンクス

リリースに至るまで

今回のEPのリードシングルとなった、前述の「Munch (Feelin’ U)」(2022)は、TikTokなどのSNSでバイラルヒットし、Bubbling Under Hot 100 Singlesチャート5位を記録。
彼女の出世作となったこの曲について「一番早く作れる曲に挑戦していたんだ」とアイス・スパイスは明かしています。

実は自分の部屋で「どうやったらメチャクチャ早く曲を作れるか?」と考えていたの。
一番早く作れる曲に挑戦していたんだけど、あまり考え過ぎないようにしようって感じだったみたい。
テイクとかもやりすぎなかったし。
ただただ楽しくて、その雰囲気を感じていたんだ。
ちょっとワインに酔っていたような気もするけどね。

Ice Spice - Munch (Feelin’ U) (2022)

このヒットをきっかけに、10K ProjectsとCapitol Recordsとレコード契約を締結し、10月にはEPのセカンドシングル「Bikini Bottom」(2022)をリリース。

アニメ映画「スポンジ・ボブ/スクエアパンツ」に登場する町「ビキニタウン」にちなんで名付けられたこの曲は、Spotifyで1600万再生されていますが、彼女は自分が一発屋だと思われていることについて次のように明かしています。

「Bikini Bottom」がまたヒットしたみたいね。
興奮しているわ。
みんなは「ああ、彼女は一発屋だって」グダグダって言っていたけれど、今はどう?
二番煎じのクソ野郎かな?

Ice Spice - Bikini Bottom (2022)

翌月、アイス・スパイスはEPを制作していることを発表し、12月には3枚目のシングル「In Ha Mood」(2022)をリリース。

新曲に興奮しているわ。
EPを出す予定なの。6曲くらいになりそうだわ。
「Bikini Bottom」も入っているし、みんなが聴いたことがない曲もあるの。
エネルギーを感じられるものになりそうなんだ。
ビジュアルも一緒にね。

Ice Spice - In Ha Mood (2022)

EPについて

このEPは全6曲が収録され、彼女が大学時代に出会ったThe Notorious B.I.G.のバックDJで知られるDJ Enuffの息子のRIOTUSAがエグゼクティブプロデューサーを務めています。
また、彼はマネージャー兼プロデューサーとして彼女をサポートし、前述のシングル「Munch (Feelin’ U)」を含めた全曲のプロデュースもしています。

EP3曲目「Gangsta Boo」は、今年初めに亡くなったThree 6 Maifaの元メンバー、Gangsta Booにちなんだものですが、これが彼女へのトリビュートなのかは明らかになっていません。

また、この曲には彼女と同じブロンクス出身のラッパーLil Tjayが参加しており、MVの撮影が行われる予定でしたが、撮影前にLil Tjayが逮捕されたため、延期されたようです。

この事件では、Lil Tjayが乗っていた車が立ち入り禁止区域で止まっていた際に警察が取り調べを行い、車内から装填済みの拳銃4丁を発見したため、彼とその取り巻き4人が起訴されています。

「Gangsta Boo」は、2002年のDiddyのシングル「I Need a Girl (Part 2)」をイントロからサンプリングしており、そのためプロデューサーとしてMario Winansの名前がクレジットされています。

P. Diddy feat. Ginuwine, Loon and Mario Winans - I Need a Girl (Part 2) (2002)

4曲目「Actin A Smoochie」は、ドラムを倍速で打ち込まれたJersey Club調のナンバーに仕上がりました。
ニュージャージー州ニューアークで生まれたこのサブジャンルは、次第に各都市の若手ラッパーのビートとして取り入れられ、2023年もその勢いには目を見張るものがあります。

Ice Spice - Actin A Smoochie

おわりに

これまでNYドリルはコアなシーンでしたが、アイススパイスは女性ラッパーとしてメインストリームへのアプローチに成功し、より多くの人にアプローチする機会を作りました。

しかし、彼女の中ではドリルそのものが自分の通過点であり、このシーンを超越することを目指しており、ラップスターとしての目標を次のように明かしています。

私個人としては、私はそれ(ドリル)を通過した思うわ。
私はメインストリームのアーティストになりたいの。
ダイヤモンドレコードやグラミー賞が欲しい。
だから、それを手に入れるためには、ひとつのサブジャンルを超えなければならないと思うの。

これまでは大ネタをサンプリングして注目を集めることが多かった彼女ですが、今作では得意のドリルを軸に、さらに今注目されているJersey Clubを取り入れるなど、新たな一面を見せています。

今後、彼女はドリルを脱却し、業界に新たな"スパイス"を加えることができるのでしょうか?
アイス・スパイスの2023年の活躍に注目したいですね。

今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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