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ドレイクとカニエに認められた4batz:テキサス発のシンガーの躍進

今回ご紹介するのは、テキサス州ダラス出身のシンガー4batz(4バッツ)です。彼はシングル『act ii: date @ 8』が現在大ヒット中で、ドレイクカニエ・ウェストといったラップスターからも注目を浴びるなど、2024年に大ブレイクが期待されています。本稿では、4バッツのこれまでのキャリアと最新作に焦点を当て、彼の魅力とその活躍に迫っていきます。

名前    : 4batz
本名    :    Neko Bennett
年齢    :    22歳
出身地   :   テキサス州ダラス


90年代R&Bへの愛と情熱:4batzの音楽ルーツ

4バッツは、幼少期から母親や祖母が家庭で流していたJodeciSadeAnita BakerMint ConditionIntroなどの音楽に親しんできました。そのため、彼の音楽には90年代のR&Bの影響が色濃く表れています。

実は一番好きな音楽のジャンルなんだ。90年代のR&Bには好きな人、尊敬する人がたくさんいるんだ。Jodeci, Mint Condition, SWV, Intro, Sade, Anita Baker......90年代のR&Bを手掛けた人たちはすごいことをしていて、ものすごく目立っていた。
今はみんな、曲をサンプリングして、それに乗せて歌って「90年代を再現してる」と言っているけれど、実際にはただ曲をサンプリングしているだけだね。

小学3年生の頃、彼は友達と一緒に、学校の机を叩いてビートを作り、みんなでフリースタイルでラップを披露して遊んでいたそうです。当時、DMXに強く影響を受け、自らもラップをしていたものの、自分にはその才能がないと感じていたと語っています。

俺は本当はトラップ・ボイ・バッツとか、そんな感じのラッパーになるはずだったんだ。
でも自分では、いつも何かが足りないと思っていたんだ。テキサスの人はみんなラップするからさ。無理にやってるみたいに感じてたんだよね。

彼は14歳の頃から音楽活動を本格的にスタートさせ、2023年1月にデビューシングル『act i: stickerz “99”』をリリースしました。この曲のタイトルについて、彼は自分の精神状態をステッカーにたとえて表現していると語っています。

タイトルは、4batzが陥っていた心の状態を比喩的に表現しているんだ。
ステッカーを壁に貼って、剥がして、また壁に貼って、剥がして......それを40回繰り返すと、40回目には壁に貼れなくなる。つまり、基本的に俺は、くっつきたくない人にくっついてる、ということなんだ。

4Batz — act i: stickerz "99"

4バッツは、デビューシングル『act i: stickerz “99”』で、透明感のある歌声とは裏腹に、ドリルシーンやUKヒップホップで見られることが多いスキーマスクを着用しており、その独特なビジュアルが注目を集めています。彼によれば、このスキーマスクは子供の頃からの習慣であり、彼のスタイルであって、単なるコスチュームではないと語っています。

俺たちは子供の頃からスキーマスクをかぶってきた。コスチュームじゃないよ。俺はこういうスタイルで生きてるんだ
何も計算してない。これが俺のやり方だからね。俺の世界にみんなを引き込んで、気に入ってくれたらそれでいい。気に入らなかったら、そんなことどうでもいい。ドアみたいなもんだよ。入ってくるなら『おい、こっちだ。俺たちはここでパーティーしてるんだぜ』って。でも、入らないなら『そのまま外にいろよ。俺たちは楽しんでるから』ってね。

12月にリリースされたセカンドシングル『act ii: date @ 8』は、贅沢な贈り物や高額なプレゼントを通じて、ある女性に対する愛情や関心を表現した楽曲です。この曲では、4バッツが髪やネイル、靴などに高額なお金をかけて、彼女を喜ばせようとする様子が描かれており、他の男性、特に彼女の彼氏と比較して、自分の方が彼女を特別に扱っていると強調しています。

4バッツはこの曲について、最近のR&Bのトレンドと比較しながら、自身の考え方を語っています。

これは女性向けのものだったんだ。最近のR&Bは「毒性的」って言われることが多いけど、それってちょっと偽物っぽい感じの毒なんだよね。俺はその毒についてはあまりよく知らないんだ。母親が「女の子を愛するなら、こうするんだよ。ドアを開けてあげなさい」って感じで育ててくれたから、俺はそういうのが大切だと思ってるんだよね。だから、これは特に女性のためのものだったんだ。

4Batz — act ii: date @ 8

また、彼はこの曲をリリースから1週間後に、YouTubeで『From The Block Performance』という曲のパフォーマンス映像を公開しました。この動画は現在までに1000万回再生され、彼のInstagramでは、SZATimbalandTy Dolla $ignなど、音楽業界を代表するトップアーティストたちからもコメントが寄せられ、高く評価されました。

『act ii: date @ 8』は、TikTokで大きなバイラルヒットとなりました。この曲を使用した動画は50万本以上にのぼり、SNSを中心に急速に人気を博しました。その結果、2024年1月には全米シングルチャートにランクインし、これについて4バッツは大きな喜びを感じたようです。

バク転しそうになったよ。バク転のやり方も知らないのに!あれは最高のフレックスのひとつだよ。2曲目にリリースした曲がビルボードに載ったんだ。すごく驚いて、何て言っていいかわからなかったよ。みんなが冗談を言っていると思ったから、ビルボードで検索したんだ。こんなことが起こるなんて夢にも思わなかった。ただ「よし、この曲をリリースして、3~5年後には俺のことを耳にするようになるといいな」って思っただけなんだ。そしてその後、今の俺がある。神様って本当に不思議な方法で物事を進めてくれるよ。

トップアーティストとの出会いがもたらした変革:4batzの新たな音楽の道

『act ii: date @ 8』のバイラルヒットにより、4バッツは多くのオーディエンスの注目を集めました。それに伴い、音楽業界の関係者たちも彼に興味を示すようになりました。2024年1月、4バッツはInstagramで、カニエ・ウェストとFacetimeで連絡を取り合っている様子を投稿し、その中でカニエから貴重なアドバイスを受けたようです。そのアドバイスの1つが、曲をリリースするかどうかの判断について、周囲が否定的な反応を示しても、自分自身が「これは良い」と感じたなら、それを実行すべきだ、というものでした。

Yeからもらった最高のアドバイスはこうだ「みんながそれを望んでなくて、自分がそれを望むなら、それはやるべきだ」ということだ。初めて彼と会話したときのことをよく覚えている。俺はただスポンジのようになって、彼にいろいろ聞こうとしただけなのに。彼は「話したいことがあるんだ」って。彼は「もし君がみんなに『この曲リリースすべき?』って聞いて、みんなが『うーん、あんまり好きじゃないな』って言ったとしても、自分の腹の中で『これだ』って感じるなら、それが正解だ」って。「多くの人々はトレンドに従ったり、見たことがあるものに基づいて行動する。でも、君がその枠にとらわれないことをすれば、みんなが入ったことのない枠を作ることができる」ってね。

カニエ・ウェストも、4バッツを現在最も注目しているアーティストの1人として挙げており、これによって多くのファンの間で、カニエ4バッツのコラボレーションや、さらには契約が実現するのではないかと期待が高まっています。

そして、ドレイクも自身のツアーに4バッツを招待しました。4バッツは生まれて初めてライブを見に行き、大勢の観客を目の当たりにして、その驚きと感動をこう語っています。

誓って言うけど、この全体の出来事が本当に面白くて、たぶんみんなも知らないし、俺自身もこの事がどれだけクレイジーなのか分かってないと思うんだ。俺は飛行機に乗ったことなかったし、ショーのことなんて考えたこともなかった。俺はそんなの今まで何もしたことなかった。俺たちは現場に行ったんだ。そしたら、そこにはどれくらいだろう、2万人くらい? よく分からないけど、たくさんの人がいて、彼らの音楽への反応を見てるんだ。それで俺は、「おい、これが俺が人生でずっと見逃してたものなのか?」って感じたんだ。
それで、すごく刺激を受けたんだ。彼がどうやって観客を操るかを見てさ。それで俺は「もっと頑張らないと。もっと音楽を作らなきゃ」って思った。だって、彼の曲はどれもヒットしたからね!ドレイクはいい奴だよ。

そのような背景があり、2024年3月に彼のヒット曲『act ii: date @ 8』が、ドレイクによるリミックスとしてリリースされました。このリミックス版は全米チャートでトップ10入りを果たし、R&B/Hip Hopチャートでは3位にランクインしました。
ドレイクのリミックスによって、4バッツの楽曲はさらに広いオーディエンスに届くこととなり、4バッツにとって、自身の音楽キャリアを大きく飛躍させる機会となりました。

4Batz feat. Drake - act ii: date @ 8 Remix

デビュープロジェクトをドロップ!

シングル『act ii: date @ 8 Remix』は、ドレイクのレーベルOVO Soundからリリースされたことで、多くのメディアは4バッツOVO Soundがレーベル契約を結んだと報じました。

しかし、2024年5月3日にリリースされた4バッツのデビュープロジェクト『u made me a st4r』は、リック・ロスアッシャーSexyy Redなどが所属するGammaからのリリースとなりました。これにより、ファンや関係者の間で、「なぜOVO Soundからリリースしなかったのか」という疑問が生じました。

さらに『u made me a st4r』には全11曲が収録されており、4バッツのブレイクソング『act ii: date @ 8』は収録されているものの、ドレイクが参加したリミックスは収録されていません。一方、このプロジェクトの最後を飾る『​act iii: on god? (she like) Remix』には、カニエ・ウェストがゲスト参加するというサプライズがありました。このことから、4バッツドレイクとの契約を見送った理由として、他のアーティストとのつながりや新たなコラボレーションの可能性を探った結果だったことがうかがえます。

4batz & Kanye West act iii: on god? (she like) (Remix)

おわりに

4バッツのマネージャーは、OVO Soundのレーベル幹部との彼らの関係について語り、OVO Sound4バッツと関係を築くために手を差し伸べていると述べました。

俺たちは常に作り上げているんだ。40、モーガン、ドレイク、フューチャー・ザ・プリンス......彼らは関係を築くために手を差し伸べてくれた。バッツが接触した業界の人たち全員と同じようなものだ。彼らは彼を本当に気に入っているし、彼がどういう人物か理解している。俺たちは、意味のある相手と業界全体で関係を築いていくつもりだ。

多くのラップスターと業界関係者から注目を集める中、4バッツは待望のデビュープロジェクト『u made me a st4r』をリリースしました。これにより、彼に対する注目は今後もさらに増すでしょう。特に、夏に向けてXXLが始めた「Freshman Class 2024」の投票において、彼が選ばれるかどうかが非常に興味深いところです。

4バッツの音楽には独特の世界観があり、彼の独創的なスタイルは多くのファンを魅了しています。新しい音楽を探している方や、トレンドを先取りしたい方にとって、彼の音楽は一度は聞いてみる価値があるでしょう。全米中から注目を浴びる4バッツ、その魅力に先んじて触れてみてはいかがでしょうか。

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