『eternal sunshine』:アリアナ・グランデが見せる愛の形
Ariana Grande(アリアナ・グランデ)は15歳でブロードウェイのミュージカルに出演し、その才能を世に知らしめました。ブレイクのきっかけは、ケーブルTVのドラマ「ビクトリアス」への出演でした。彼女の圧倒的な4オクターブのボーカルレンジを武器に、2013年にはデビューアルバム『Yours Truly』をリリースし、見事全米アルバムチャートで1位を獲得。続く2014年にリリースされた『My Everything』も全米アルバムチャートで1位に輝き、2作連続でのトップ獲得は彼女の音楽への確かな才能を証明しました。
2018年に発表されたアリアナ・グランデの5枚目のアルバム『Thank U, Next』は、『7 Rings』や同名曲『Thank U, Next』が全米シングルチャートでトップに輝くなど、世界17カ国のチャートでも1位を獲得しました。このアルバムは、2019年の年間アルバムチャートで2位を記録するほど、世界中で愛され続けています。
彼女の楽曲はこれまでに980億回以上ストリーミングされ、2021年時点で最もストリーミングされた女性アーティストの座に輝いています。Spotifyでは、10億回以上再生された楽曲を14曲保持しており、これは女性アーティストとしては最多記録です。さらに、Instagramでは3億8000万人のフォロワーを集め、プラットフォーム内で6番目に多いフォロワー数を誇る個人アカウントとしても知られています。YouTubeやSpotifyでもトップクラスのフォロワー数を誇る彼女は、ソーシャルメディアとストリーミングの両方で圧倒的な影響力を持つアーティストです。
そして、2024年3月に彼女は7枚目のアルバム『eternal sunshine』をリリースしました。本稿では、アリアナ・グランデの最新作にスポットを当て、その魅力と成果に深く迫ります。
レーベル : Republic Records, Island Records
リリース日 : 2024年3月8日
名前 : Ariana Grande
本名 : Ariana Grande-Butera
年齢 : 30歳
出身地 : フロリダ州ボカラトン
アリアナ・グランデの破局と新たな恋愛!私生活の波乱に迫る
アリアナ・グランデは、2010年代にデビューした最も成功した女性アーティストの一人としてBillboardに称賛され、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」には2016年と2019年に選出されるなど、2010年代に世界的なポップアイコンとしての地位を築きました。
一方で、彼女の私生活は常に注目を集めてきました。楽曲のコラボを通じて交際がスタートしたラッパーのマック・ミラーや、わずか1年の間に交際から婚約、そして破局までを経験した俳優のピート・デヴィッドソンなど、彼女の恋愛模様は時折世間を騒がせてきました。そして、2020年1月頃からは、不動産エージェントのダルトン・ゴメスとの交際がスタートし、前作アルバム『Positions』(2020)の発表から数ヶ月後の2020年12月には、彼女が婚約を発表しました。翌年、彼女は自宅で行われた非公開の結婚式の写真をInstagramに投稿し、2500万以上もの「いいね!」を獲得し、世界中のファンやオーディエンスから祝福されました。
しかし、2023年夏には二人の間に暗雲が立ち込め、別居を経て9月に正式に離婚申請を行い、10月に離婚が成立しました。
2人は婚前契約を交わしており、合意書によれば、アリアナ・グランデはダルトン・ゴメスに125万ドルを支払うことで合意し、彼に一切のインタビューやプライベートな情報の漏洩を行わないよう要請しました。
さらに、共同で所有していた家や財産を分割し、アリアナ・グランデのプライバシーを厳格に保護するための契約を締結しました。この契約により、2人の結婚生活に関する詳細は一般に公開されず、個人情報が守られることになりました。
アリアナ・グランデの私生活に関する新たな噂も絶えません。最近では、映画『ウィキッド』の撮影中に俳優のイーサン・スレイターと恋愛関係にあると報じられています。この関係がダルトン・ゴメスとの別居の一因であるとの報道もあります。
映画『エターナル・サンシャイン』のインスピレーションに迫る
新作アルバム『eternal sunshine』は、前述の映画『ウィキッド』の撮影がストライキによって一時中断を余儀なくされた後、2023年9月頃から制作が始められました。
アルバムタイトルの『eternal sunshine』は、ジム・キャリーが主演を務めた映画『エターナル・サンシャイン』からインスパイアされたものです。この映画は、破局後に互いの記憶を消去する手術を選択したカップルの物語を描いており、アリアナ・グランデが自らの体験と重ね合わせて感じ取ったインスピレーションがアルバム制作の背景にあると言えるでしょう。
このアルバムのアナウンスは、ジム・キャリーの62歳の誕生日である1月17日に行われました。アリアナ・グランデがジム・キャリーの熱烈なファンであることはよく知られており、彼女は『トゥルーマン・ショー』からの引用を肩にタトゥーとして刻んでいるほどです。
収録曲について
今回のアルバムは、偶然にも「国際女性デー」の3月8日にリリースされました。このアルバムには全13曲が収録され、総再生時間は35分となり、これまでのアリアナ・グランデのアルバムの中で最も短い作品となりました。
また、このアルバムの大部分は、ザ・ウィークエンドやテイラー・スウィフトなどのヒット曲で知られるMax Martinがプロデュースを手掛けました。特に注目すべき点は、アルバムに参加する特別なゲストがたったひとりだけであることです。アルバムのフィナーレを飾る『ordinary things』では、彼女の祖母ノンナがクレジットに名を連ねています。
『bye』
2曲目「bye」は、恋愛の終わりとその決別をテーマにしています。この曲では、アリアナ・グランデが過去の苦難に立ち向かい、新しいステージへ進む決意を歌っています。彼女は自分自身の強さを認め、離れることの辛さを乗り越え、前に進むことを選びます。アルバムの序盤にこの曲を配置することで、ダルトン・ゴメスとの別れや新たな始まりを暗示しているようです。そして、アリアナ・グランデはこの曲の歌詞について次のように述べています。
Ariana Grande - bye
『the boy is mine』
8曲目『the boy is mine』は、1998年のモニカとブランディのヒット曲からインスピレーションを得て作られました。この曲は、2023年にTikTokをはじめとするプラットフォームで話題になり、ファンからは「fantasize」という愛称で呼ばれている彼女の未発表曲の間接的な続き、もしくはその進化形として見られています。アリアナ・グランデ自身、この曲がリークされた曲のようにセンシュアルな内容を持つと認めており、その制作過程についても話しています。
Ariana Grande - the boy is mine
『yes, and?』
9曲目『yes, and?』は、前作のアルバム『Positions』以降初となる新曲で、2024年1月にリリースされました。この楽曲は彼女にとって8番目の全米シングルチャート1位獲得作となり、世界10カ国でトップに輝き、28カ国でトップ10入りするなど、世界中から注目を集めました。
ダンサブルなビートが印象的なこの曲は、自己肯定感や独立心がテーマになっています。他人の期待や意見に流されず、自分を大切にし、自分自身の思考や感情を尊重しながら、自分だけの光を放つことの大切さを歌っています。この楽曲には、自信を持って自立した生き方をすることの重要性が込められています。
Ariana Grande - yes, and?
『ordinary things』
アルバムのエンディングトラック『ordinary things』では、アリアナ・グランデが愛する人との関係の美しさを讃え、共に過ごす時間には平凡な瞬間が一つもないと表現しています。彼女はカリフォルニアや東京など、さまざまな場所での特別な体験や、愛する人と共有する貴重な瞬間を歌にしています。
そして、曲のクライマックスでは、彼女の祖母ノンナが登場し、愛する人との絆の深さと、その関係がいかに特別であるか、そして愛における争いの乗り越え方、寝る前のキスの重要性について語ります。この曲は、愛する人との関係を大切にし、その価値を見出すことの大切さを伝えています。
Ariana Grande feat. Nonna - ordinary things
おわりに
今作については、作詞に関しては批評家から「単純な歌詞」といった厳しい意見も見られましたが、一方でサウンド面に関しては、1990年代のR&Bに回帰したものと評され、「ファンや評論家から熱望されていたもの」として称賛されています。特に、アルバムの大半を手掛けたMax Martinのプロデュース力が高く評価されています。
また、アルバムはリリース当日にSpotifyで5810万ストリーミングを記録し、2024年のアルバムの1日ストリーミング最多記録を更新しました。発売初週には1億9492万回のストリーミングを記録し、アルバム換算では22万7,000枚を売り上げ、カニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインのアルバム『Vultures 1』(14万8,000枚)を上回り、2024年最大の全米売上デビューを果たし、6度目の全米アルバムチャート1位を獲得しました。
さらに、アルバム発表から数日後には、アコースティックバージョンやアカペラなどの4曲が追加されたデラックスエディションがリリースされ、世界の歌姫で知られるマライア・キャリーによる『yes, and?』のリミックスも収録されています。
このように、評論家たちの間では意見が分かれたものの、ファンからは熱烈な支持を集め、記録的なストリーミング数を叩き出したこのアルバム。
その成功は、アリアナ・グランデの驚異的な才能と圧倒的な人気が未だ健在であることを改めて証明しています。
彼女の楽曲は、彼女の生きざまそのものを映し出し、歌詞には彼女自身の経験や感情が色濃く反映されています。
ファンはきっと、アリアナがこれからどんな音楽を生み出し、どのような人生の軌跡を描くのか、さらに大きな期待を寄せていることでしょう。
今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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