リアーナが認めたその歌声、アイラ・スターの新作『The Year I Turned 21』の魅力とは?
ナイジェリアのラゴスで育ったシンガー、Ayra Starr(アイラ・スター)は、その美しいルックスからモデルとしてキャリアをスタートさせました。一方で、InstagramやYouTubeにカバー曲を投稿していたところ、レーベルMavin Recordsの設立者であるDon Jazzyに才能を見出され、彼のレーベルと契約を結びます。
2021年、自身の名を冠したデビューEP『Ayra Starr』をリリースしました。オープニングトラック『Away』は、ナイジェリアのチャートで4位を記録し、一躍注目を集めました。
その年の夏、デビューアルバム『19 & Dangerous』を発表。リードシングル『Bloody Samaritan』はナイジェリアチャートで首位を獲得し、収録曲『Rush』も同様に1位を獲得しました。『Rush』はTikTokで200万本以上の動画に使用されるバイラルヒットとなり、さらにオバマ元大統領の「2022年のお気に入り曲」プレイリストにも選出され、大きな話題を呼びました。
2024年には、新設されたグラミー賞の「最優秀アフリカン・ミュージック・パフォーマンス賞」にノミネートされるなど、アイラ・スターの名はアメリカの音楽シーンだけでなく、世界中に広がることとなりました。
そして、2024年5月には2枚目のアルバム『The Year I Turned 21』をリリース。今回の記事では、この最新作に焦点を当て、その魅力を詳しく探っていきます。
レーベル : Head Concussion Records, Mavin Records & Sony Music Entertainment Latin
リリース日 : 2024年5月31日
名前 : Ayra Starr
本名 : Oyinkansola Sarah Aderibigbe
年齢 : 22歳
出身地 : ナイジェリア
リアーナが認めた才能、アイラ・スター飛躍の裏側
前述の通り、10代で瞬く間に世界から注目を集める存在となったアイラ・スター。2024年には、同じく10代でスター街道を駆け上がり、現在では世界のポップアイコンであり実業家としても名を轟かせているリアーナと出会いました。その時の感動を彼女は次のように語っています。
アイラ・スターはリアーナと過ごす中で、多くのアドバイスをもらったようです。リアーナは、アイラ・スターの低い声を特別な才能と称賛し、それが音楽業界で男女両方を圧倒する力になると励ましたそうです。この言葉により、アイラ・スターは自分の声に対する自信を深め、リアーナの助言が自身のキャリアに対する視点を大きく変えました。
アイラ・スターが語る、アルバムのリリース秘話
約3年ぶりにアルバムを発表したアイラ・スターですが、実はこの新しいアルバムは当初、昨年の夏にリリースされる予定だったことが明らかになっています。
作品の完成度に満足できなかった彼女はリリースを延期し、その結果、すべてがうまくいき、満足のいく形でアルバムを完成させたと語っています。
アルバム『The Year I Turned 21』は、「私が21歳になった年」という意味を持っています。このアルバムをリリースした彼女は、6月に22歳になりましたが、21歳の時を振り返り、次のように述べています。
収録曲について
ソロツアーやグラミー賞のノミネートを含む数々の経験を経てリリースされた新作には、全15曲が収録されています。このアルバムには、ナイジェリアのSeyi Vibez、ブラジルのAnitta、アメリカのGIVĒONとCoco Jones、そしてプエルトリコのRauw AlejandroやジャマイカからRvssianなど、多彩なアーティストが客演として参加しています。
アイラ・スターは、世界各国のアーティストたちをゲストに迎えた理由について、彼らが自身の本当に好きなアーティストたちであると語り、コラボレーションを通じて得られた感動や喜びを次のように述べています。
『Commas』
3曲目『Commas』は、Remaの大ヒットシングル『Calm Down』でも知られている、プロデューサーのLondonと共同で制作されました。
この曲は2024年2月にリードシングルとしてリリースされ、ナイジェリアのチャートで2位を獲得しました。『Commas』は、自信と信仰を持ちながら人生の困難に立ち向かう姿勢を描いており、歌詞では神を信じて恐れずに成功を追求する様子が強調されています。
ネガティブなエネルギーや無駄話を避け、ポジティブで意識的な生き方を大切にするメッセージが込められており、自分らしさを表現し、夢を実現するために努力することの重要性も歌われています。また、アイラ・スターは、この曲が過去に彼女を拒絶した人々へのメッセージでもあると語り、すべての人が自信を持ち、人生のあらゆる面で成功を収められることを願っているようです。
Ayra Starr - Commas
『Woman Commando』
4曲目『Woman Commando』は、Anitta、Coco Jonesとのコラボ曲で、アイラ・スターは2人をフィーチャーした理由について、ガールズグループ、デスティニーズ・チャイルドの再来のような印象を与えたかったようです。
曲中では、女性が自分自身の力と価値を認識し、他人の期待に縛られずに自由に生きることの重要性を強調しています。各アーティストが、自分の成功や地位を誇りに思い、逆境にも負けずに前進する姿勢を表現しています。曲全体を通して、女性のエンパワーメントと自己肯定が描かれており、現代の強い女性像を祝福しています。
Ayra Starr feat. Anitta & Coco Jones - Woman Commando
『Jazzy’s Song』
12曲目『Jazzy’s Song』は、恋人への強い愛情と依存をテーマにした曲です。歌詞では、恋人がいなければ自分は生きていけないと感じており、彼の存在が自分を喜ばせ、興奮させると述べています。曲全体を通して、恋人が歌い手の人生における重要な存在であり、『Jazzy’s Song』として表現されています。
また、この曲はナイジェリアのアーティストWande Coalのシングル『You Bad』(2009)をサンプリングしており、アイラ・スターは元ネタをリスペクトし、冒頭でも触れたレーベルの創設者であるDon Jazzyへの敬意を表したかったようです。
Ayra Starr - Jazzy's Song
Wande Coal feat. D'Banj - You Bad (2009)
『1942』
13曲目『1942』は、愛と共に過ごす喜びを描いた曲です。歌詞では、特別な瞬間を共有し、愛が強く感じられることが表現されています。1942はその甘美な響きを持ち、二人の絆を深める象徴として使われています。愛の複雑さの中で、お互いの存在が重要であり、共に過ごす時間が新たな輝きをもたらすことが強調されています。
また、曲名になった『1942』は、1942年産のテキーラ「ドン・フリオ」を指しています。初めての誕生日休暇で、ドン・フリオを楽しみながらプールで過ごした体験を振り返っています。
Ayra Starr feat. Milar - 1942
おわりに
アイラ・スターの新作『The Year I Turned 21』は、早くもナイジェリアチャートで1位を獲得し、彼女の故郷での人気の高さを改めて示しました。
この新作アルバムには、彼女が得意とするアフロビーツを中心とした多くの楽曲が収録されています。彼女は前作『19 & Dangerous』のデラックス版をリリースする前に、「次こそ史上最高のアフロビーツアルバム」を作り上げるという大きな野望を抱いていたようです。
ナイジェリア屈指のシンガーとしてその名を馳せるアイラ・スター。彼女が「史上最高のアフロビーツアルバム」を目指し、満を持して送り出したこの新作。その音楽は、情熱と洗練を極めた最高峰のアフロビーツが凝縮されています。彼女の才能と創造力が詰まったこのアルバムを、ぜひご自身の耳で体感し、新たな音楽の扉を開いてみませんか?
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