メキシコが生んだ新星：Yng LvcasとPeso PlumaがYouTubeトレンド1位を獲得する'La Bebe Remix' (2023)
レゲトンはダンスホールレゲエから発展し、アメリカのヒップホップや中南米、カリブ海の音楽の影響を受け、1980年代後半にパナマで生まれました。
「レゲトンの王」と知られるダディー・ヤンキーは、2004年にリリースしたシングル「Gasolina」が世界的なチャートヒットとなり、レゲトンの楽曲として初めてラテングラミー賞の「レコード・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされました。
2008年にはレゲトンは「ラテン音楽で最も売れているジャンル」となり、2017年にはルイス・フォンシがダディー・ヤンキーをフィーチャーした「Despacito」のMVが3ヶ月足らずで10億回再生を達成しました。
2018年1月から2020年11月までの期間に、このMVはYouTube史上最も再生された動画となり、現在までに81億回の再生数を記録しています。
Yng Lvcasは、2021年にリリースされたシングル「La Bebe」で世界的な注目を浴びました。この曲はメキシコ出身のラッパーPeso Plumaとのリミックスも制作され、2023年には全米チャートで11位を記録しました。彼の音楽は独自のスタイルと個性を持ち、多くの人々に魅力を与えています。
ここでは、Yng Lvcasとこの曲について解説します。
レーベル : Warner Music México
リリース日 : 2023年3月17日
名前 : Yng Lvcas
本名 : Daniel Oswaldo Donlucas Martinez
年齢 : 24歳
出身地 : メキシコ、ハリスコ州
Yng Lvcas & Peso Pluma - La Bebe Remix (2023)
これまでのキャリアを語る
Yng Lvcasは、幼少期から音楽に夢中で、学生時代に初めてミュージカルに出演した時に、アーティストになりたいと思ったようです。
その後、彼は演技、ダンス、DJ、ブログなど、多岐にわたるクリエイティブな分野に挑戦し、そして最終的にはソングライティングと歌に注力するようになりました。
音楽を作り始めたのは子供の頃。
子供の頃から歌の教室に通ったり、人前で演技やダンスをしたりしていたんだ。
ステージに立つことに緊張しないよ。
多くの人が自分のコンサートでも緊張する中、俺はしないんだ。
Yng Lvcasは、自身が育ったメキシコのハリスコ州グアダラハラについて、全てが好きであると語るも、一方で、レゲトンとヒップホップが一緒くたにされることに不快感を抱いているようです。
女の子たち、食べ物、すべて好きだね。
俺たちの温かさ、優しさ、私の家族、カルチャー。
音楽に関して、グアダラハラを深く研究したとは言えないけれど、俺たちを代表するAlejandroやVicente Fernándezがいることは知っているよ。
ラップに関しては、たくさんのアーティストがいるね。
メキシコには強いラップシーンがあるんだ。
いくつかのインタビューで、コロンビアのアーティストに対して「好きなメキシコのレゲトンアーティストはいますか」と聞かれ「C Kan、Alemán、Gera MX、Santa Fe Klan」と答えているのを見ると腹が立つよ。
「いや、やめてくれよ！彼らはレゲトンアーティストじゃない。彼らは俺たちの代表であり、ヒップホップを表現しているんだ」と思うと燃えてくるよ。
「La Bebe」について明かす
アーティストとしてのキャリアを2015年に開始した彼は、Arcángel、Bad Bunny、Anuel AA、そしてSnoop Doggなどのミュージシャンから影響を受けました。彼の初ミックステープ「Wup? Mixtape」は2021年にリリースされ、その年の終わりには、セカンドミックステープ「LPM」をリリースしました。
「LPM」からの収録曲「La Bebe」は翌年、TikTokでバイラルヒットを記録し、彼の音楽は大きく注目を浴びることとなりました。この曲の成功はストリーミングプラットフォームでの再生数を大幅に増加させ、彼の音楽は初めて全米チャートに名を連ねました。これにより彼のキャリアは大きく前進しました。しかしながら、Yng Lvcasはこの曲がどのように生まれたのかを正確には覚えていないと述べています。
面白いことに、俺の音楽キャリアで唯一、どのように作曲したのか覚えていない曲なんだよね。
俺にとっては、※コリドスのアルバムに入れるためのつなぎの曲だったんだ。
俺はまずコリドスを作ることに集中していて、後でゲームを変えようと思っていたんだ。
でも「La Bebé」が一番好きって言われたから、「ああ、わかった、彼らはレゲトンが欲しいんだね？それじゃあ、メキシコのレゲトンをあげるよ」と言ったんだ。
でも、誰に触発されたんだろう？
女の子に触発されたんだろうけど、どの子かは覚えていない。
今となっては、この曲は俺の女の子のようで大好きなんだ。
※コリドス
メキシコの音楽ジャンルの1つ
Yng Lvcas - La Bebé
この曲は、現在までに4万本以上のTikTok動画で使用され、Spotifyでは1億4000万回以上のストリーミング再生数を記録し、大きな成功を収めています。
彼は、自身の楽曲が多くのオーディエンスに届いたことを素直に喜ぶ一方で、自身がメキシコ人であることがあまり認知されていないことや、メキシコの音楽を広めることに課題を感じているようです。
この曲は俺に成功をもたらしてくれたけど、一番うれしいのは、みんながこのプロジェクトと音楽を気に入ってくれていることだね。
みんなは実際に俺がエクアドル人、チリ人、コロンビア人だと思っていたんだ。
なぜ、メキシコ人だと思わなかったのか？
俺はとても愛国心が強いから、メキシコでは、まだまだ聞いてもらうためにやるべきことがたくさんあると感じているんだ。
俺はワクワクしているよ。
俺の下にはたくさんの才能があり、俺よりもはるかに優れた人たちもいるんだ。
少しずつでも、メキシコでレゲトン音楽を聞こうとする人たちが増えていくことを願っているんだ。
Peso Plumaとの共演について明かす
この曲のヒットにより、Yng LvcasはWarner Music Méxicoと契約を結び、Peso Plumaとのリミックスをリリースしました。
23歳のラッパーのPeso Plumaはこれまでに3曲でメキシコチャート1位を獲得し、2023年4月には8曲が同時に全米シングルチャート入りし、アメリカで最も多くのチャートインを果たしたメキシコのアーティストとなっています。
この、アメリカの音楽シーンでも注目を集めるPeso Plumaをフィーチャーしたリミックスについて、当初はアメリカ出身のLenny Tavárezも参加する予定でしたが、Yng Lvcasはメキシコ人だけでやることに意味があったと明かしています。
ある日、誰かが連絡してきて「Peso Plumaがメキシコにいて、レコーディングしたい、レゲトンをやりたい」と言ったんだ。
俺たちはスタジオに行ったんだけど、リミックスをレコーディングするつもりではなく、彼に会って一緒にレゲトンを作るつもりだったんだ。
彼がどの曲を選ぶかわからないから、3曲を送ったんだ。
そうしたら、彼は「本当は『La Bebé』のリミックスに興味があるんだ。俺は本当にこの曲が好きなんだ」と言ってくれた。
頭の中では「メキシコ！」としか思えなかった。
リミックスにはLenny Tavárezも参加することになっていたんだけど、でも、それは嫌だった。
彼の音楽は好きだし、才能もある。
でも、このリミックスは完全にメキシコのものでなければならない。
曲の魂はメキシコなんだ。
他の誰かのものである必要はない。
それが、Pesoを起用した理由で、彼はとてもクールな人物でもあるんだ。
おわりに
このリミックスのMVはYouTubeのトレンドで1位を獲得し、公開から2ヶ月も経たないうちに1億6000万再生を記録しています。
さらに、メキシコチャート1位、グローバルチャートでも3位を獲得し、リリース以来、1日あたり約500万回再生されるなど、驚異的な人気を集めています。
瞬く間に世界中のオーディエンスに知られることとなったYng Lvcasは、今後の目標について「幸せに生きて自分が好きなことをすること」と、子供の頃からの素朴な夢を語っています。
俺のキャリアに影響を与えているのは、幸せに生きて自分が好きなことをすることなんだ。
それが俺の目標だよ。
家族に「大きくなったら何になりたいの？」と聞かれたとき、俺は「幸せになりたい」と答えていたんだ。
それが俺が常に望んできたことであり、目指すものなんだ。
世界中でレゲトンは絶大な人気を誇り、マーケットの規模も大きく、今までは特にコロンビアやプエルトリコなどから多くのスターを輩出してきました。
しかし、今、Yng Lvcasの出現によってメキシコの音楽シーンが注目されており、今後のレゲトンシーンに大きな影響を与える可能性があるかもしれません。
若干24歳という若さながら、新進気鋭のYng Lvcasの今後の動向は見逃せません！
今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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