君がいなくては何もできない・・・共に歩んで来たプロデューサーへの気持ちを明かす Kehlani - Blue Water Road (2022)
シングル「Crzy」(2016)でブレークし、翌年に発表したデビューアルバム「SweetSexySavage」(2017)は全米チャート3位を記録し、多くのオーディエンスを虜にしたKehlani(ケラーニ)。
以来、エミネム、カーディ・B、ジャスティン・ビーバーなど幅広いアーティストと共演を重ね、映画『ワイルド・スピード』のサントラでG-Eazyとのコラボシングル「Good Life」は世界中のチャートを席巻し、YouTubeでは3億回再生されています。
2019年には、彼女のギターを担当していたJavaughn Young-Whiteとの間に娘が誕生し、翌年に発表したセカンドアルバム「It Was Good Until It Wasn't」は、多くのメディアが2020年のベストアルバムに選出するなど、高く評価された作品にとなりました。
そんな彼女が、2022年に3枚目のアルバム「Blue Water Road」をドロップ。
今作には、彼女のデビューアルバムや数々のヒットソングを手掛けたPop Wanselがエグゼクティブプロデューサーを務め、全13曲が収録されています。
ここでは、このアルバムとPop Wanselについて解説します。
レーベル : Atlantic Records, TSNMI
リリース日 : 2022年4月29日
名前 : Kehlani
本名 : Kehlani / Kehlani Ashley Parrish
年齢 : 27歳
出身地 : カリフォルニア州オークランド
Pop Wanselとは・・・
フィラデルフィア出身のPop Wanselは、ソウルミュージシャンDexter Wanselの息子で、物心ついた頃から音楽に囲まれた生活を送っていたようです。
余談ですが、父Dexter Wanselの1976年のアルバム「Life on Mars」に収録されている「Theme From the Planets」のイントロのドラムビートは、ヒップホップのサンプリングネタとして知られており、Eric B. & RakimやJ. Coleなどこれまでに260曲以上でサンプリングされています。
Dexter Wansel - Theme from the Planets (1976)
10歳から作曲とプロデュースを始めたPop Wanselは、2009年頃にトルコのイスタンブール出身のプロデューサーOakと出会い、プロダクションデュオPop & Oakを結成。
Pop Wanselは当時について次のように明かしています。
翌年、Nicki Minajのデビューアルバム「Pink Friday」(2010)で「Your Love」を含む3曲を提供し、脚光を浴びることになりました。
Pop Wanselは、このアルバムに参加することになった経緯と、デュオの役割について次のように明かしています。
Nicki Minaj - Your Love (2010)
その後もBig SeanやRihanna、Tory Lanezを手掛けてヒット曲を生み出し、ケラーニのデビューアルバム「SweetSexySavage」(2017)では、リードシングル「Distraction」をはじめ、アルバムの半数近くを彼らがプロデュースしています。
音楽メディア誌ローリングストーンの「2017年R&Bベストアルバム20選」では9位に選出されるなど、批評家からも高い評価を得た作品になりました。
Kehlani - Distraction (2016)
ケラーニのセカンドアルバム「It Was Good Until It Wasn't」(2020)では、シングルカットされた「Can I」や、ゲスト参加したJhene AikoやLucky Dayeの楽曲を手掛けて、アルバムは全米チャート2位を記録。
この頃からPop & Oakは、ソロでの制作が増え、Pop WanselはAriana GrandeやMegan Thee Stallionといったトップアーティストを手掛けるまでになりました。
Kehlani - Can I (2020)
アルバムBlue Water Road
今作をリリースする前にケラーニは「"Blue Water Road" は私の心の中の目的地」と次のように明かしています。
アートワークでは、海を背景に写る彼女にどこか切なさを感じながらも、うっすらと刺す太陽の光がエモーショナルなのが印象的です。
また客演には、先行リリースされていた「up at night」で参加しているJustin Bieberの他にロサンゼルス出身のシンガーSydやBlxst、Thundercatなどがゲスト参加。
Kehlani feat. Justin Bieber - up at night (2022)
また彼女は、エグゼクティブプロデューサーを務めたPop Wanselについては「君がいなくては何もできない」と彼への想いを込めた写真をInstagramに投稿しています。
このコメントには、Pop Wanselがデビュー当時からケラーニと一緒に仕事をし、彼女のメンターとして活躍してきたことが読み取れ、プライベートでも彼女を支えてきたことが伺えます。
これに、Pop Wanselは以前のインタビューで、アーティストと密接に仕事をするのが好きだと明かしており、そのあたりもケラーニと相性が良かったのでしょう。
終わりに
ケラーニは、今作をリリース前に3部構成のドキュメンタリー「blue water road trip」をリリース。
2020年、カリフォルニアのシミバレーで小さな農場を購入し、娘と暮らしている彼女ですが、このドキュメンタリーでは制作会社であるHoney Shot Productionsを連れて「自然の中で音楽を体験し、これまでの私の旅の重要な側面を反映するためにロードトリップに連れて行った」とInstagramで明かしています。
この機会に、アルバムとドキュメンタリーを通して、彼女の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
※ DIGTRACKS.comは、音楽プロモーター、音楽業界に携わるプロフェッショナル(DJなど)専門のデジタル・レコードプールサービスです。
ご利用の際は必ず「ご利用規約」をご確認ください。