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周南自動運転アンケートとりまとめ(2024後半分)
先日、今年度の実証運行が終了しました。
事故なく無事に運行できたのは、皆様の御協力のおかげです。ありがとうございました。
さて、先日、実証50日間の前半25日間分(11/1~11/25)について、アンケート結果をお知らせしました。
今回は、後半25日間分(11/26~12/20)の速報をまとめるとともに、前半分との違いがあるのかどうか見てみたいと思います。
回答数
まず、回答数ですが、皆さんにお願いしているアンケートが298件、追加で回答をお願いした深掘りアンケートが223件となっています。
実は、期間の途中から、「アンケートを2つ応えるのが面倒」といった声もあったことを踏まえ、一つに統合しました(設問はそのまま)。
この結果、深掘りアンケートの回答率も高くなりました。
運行当初は、回答が大変だろうからという推測の下、2段階に設計としたところですが、結果的には、最初から統一しておいた方が良かったように思います。来年度、実証をする際は、今回の経験を活用したいと思います。
利用者の属性
次に、アンケートに回答いただいた方の属性です。
年齢的には、引き続き、10代未満から70代以上の方まで、幅広い世代に乗車していただきました。
年代的に多い順に、50代・40代・60代となっていて、前半と全く同じでした。
性別も、前半と同じく、ほぼ半々でした。
居住地では、前半と同じで周南市内が最も多かったのですが、その割合が59.5%から64.4%に、約5ポイント増加しました。
県内(周南市以外)は27.8%から26.1%に、県外は12.7%から9.5%に減少しました。
これは、前半は、自動運転に乗ってみたい方が遠方からでも訪れていただきましたが、後半は、より市民の方の利用が増えていったとみることができるかと思います。
乗車状況
乗車路線及び乗降車のバス停としては、前半と同じで、駅からの往路利用が一番多く、利用バス停は徳山駅と動物園南に集中していました。
乗車目的も、引き続き「自動運転バスに乗ってみたかった」が76.9%を占めていました。これは、少し変化が見られるかなと思っていましたが、予想に反し、前半と同じ結果でした。
興味はあったけれど都合がつかないなどで、前半の期間に乗れなかった周南市民の方が乗車された、ということでしょうか。
ルートやバス停の設定について、「とても利用しやすい」「まあまあ利用しやすい」と回答された方は、前半(88.3%)よりも少し高い91.9%になりました。
他に停車してほしい場所やルートがあるとの回答は、44.9%から41.7%に若干低下しました。
この辺りは、誤差なのかもしれませんし、市民目線ではより利用しやすいという設定だったという回答だと見ることができるかもしれません。
予約
アンケートに回答された方のうち、予約をして乗車されたのは48.1%から47.5%と若干減少しましたが、大きな変化はありませんでした。
予約不要な日を除いて、予約なしで乗車された方の割合は、25.8%から29.8%に4ポイント増えました。
体感的には、もう少し予約なしでの乗車が増えたように思いました。この辺りは、アンケート回答だけでなく、実際の事前予約数と乗車数の関係を、今後もう少し分析してみたいと思います。
予約制があった方がよいかという方の割合は、前半61.9%から後半67.3%に大きく増えました。
予約制があった方が良いと回答された方のうち、予約があった方が良いという曜日(複数回答可)は、前半は毎日・日曜・土曜いう回答でしたが、後半は圧倒的に毎日という回答が多かったです。
予約なしで乗車される方の割合が増えた一方、予約があった方が良いという回答が大きく増えていますので、ここの要因については、今後、もう少し深掘りしていきたいと思います。
予約サイトは、「知らなかった」「利用しなかった」という方を除くと、「とても便利だった」「便利だった」という回答が多く、これは前半と同じ状況でした。
安全面・不安面
乗降時や乗車の際、「特に不安や危険を感じることはなかった」という方の割合は、前半57.4%から後半61.7%と増加し、「最初は不安だったが想像以上に安全だと感じた」「不安や危険を感じなくなった」という方の割合は、合計で前半36.2%から32.7%と減少、不安や危険を感じたという方の割合は、前半6.5%から後半5.6%と減少しました。
それぞれの値の増減があるものの、前後半通じて、安全面に関する不安は多くの方が解消されたものと思います。
不安や危険を感じた場面としては、前半と同じで、急ブレーキが最も多かったです。
こちら、ブレーキの改善については、従前からベンダーさんに求めていますが、引き続き、この結果を基に、より安心安全な環境の構築をお願いしていきたいと思います。
理解度・満足度
バスの現在地やあと何人乗車できるかが分かるサイトやスマートバス停については、前半と同じく、40%以上の方が知らなかったという回答でしたが、利用をされた方からは「便利だった」「とても便利だった」という回答をいただいています。
乗車体験を通じて、自動運転に対する理解が深まったという方は、前半(98.2%)とほぼ同じ98.6%となりました。
ともにかなり高い数値ですので、乗車していただくことで、自動運転に対する理解が進んだものと思います。
乗車体験の満足度は、前半(94.9%)と同じく多くの方(後半95.3%)が、「満足」「やや満足」と回答いただいています。
こちらも、非常に高い満足度をいただき、ありがとうございました。
また、他の人にも利用を勧めたいという方は、前半(98.8%)とほぼ同じ数値(後半98.7%)となりました。
オペレーターによる説明や対応について、「とても適切だった」「まあまあ適切だった」と回答いただいた方の割合は、前半98.3%、後半98.6%と、こちらもかなり高い評価をいただきました。
この理解度・満足度の項目においては、前後半を通じてかなり高い評価をいただいたものと考えています。
今後に向けて
自動運転EVバスをまた「利用したい」・「どちらかというと利用したい」という回答の割合は、前半88.4%、後半89.2%とともに高い評価をいただきました。
また利用したい理由(複数回答可)としては、楽しかった、無料、安全といった理由が並んでおり、この上位3つは前半と同じです。
利用したくない理由としては、こちらも前半と同じで他の交通手段の方が便利/早いが最も多くなっていますが、回答数が6しかないため、傾向を分析するのは難しいかもしれません。
自動運転EVバスにより日常の移動が便利になるとの回答をいただいた割合は、前半87.0%から後半91.6%に4.6ポイント増加しました。
これは、周南市民の方の利用が増えたことにより、日常移動への影響がより身近に考えてもらえたことが理由かもしれません。
自動運転EVバスが将来日常的な公共交通手段として広く利用されることに対して、「非常に前向き」「やや前向き」と回答された方の割合が、前半90.2%後半96.0%と5.8ポイントも増加しました。
こちらも周南市民の方の利用が増えたことが一つの要因かもしれませんが、それにしても、非常に高い期待を寄せていただいています。
同じ設問で、「やや懸念がある」とされた方は前半6.2%後半2.4%に減少、「非常に懸念がある」とされた方は、前半(0.4%)とほぼ同じ割合(後半0.7%)となりました。
前後半を通じて、一定の割合で懸念を示された方がいらっしゃることには注意が必要かと思います。
最後に、1回の運賃として支払うことができる額の回答は、ともにちょい乗りバスと同じ100円が最多で、前半78.1%後半74.4%となりました。
その他、自由意見として様々な御意見をいただいています。こちらは、もう少し時間をかけて詳細に見ていきたいと思います。
以上、後半の速報を見てみましたが、大きくは前半とは乖離がないようです。前後半を通じて、概ね、大変ありがたい評価をいただいています。
引き続き、このアンケートの詳細な分析を進め、その結果を基に、来年度、無人運転に向けてさらにステップアップした実証をしたいと考えていますので、引き続き応援をお願いします。