山口県内にある国宝をいくつ知っていますか? データアナリストへの道#13
デジテック for YAMAGUCHI 運営事務局 兼 Y-BASEスタッフのハラマルです。いやぁ~、先日は大興奮でしたよね!?私も、もんじゃさんと一緒にはしゃいでしまいました。え、何のことかって?レノファ山口と横浜FCとの試合ですよ。1-3になったときは頭を抱えてしまいましたが(笑)、その後、レノファが1点返したら、スタジアム中が「え?これ、追い付いちゃうんじゃない?維新劇場来た!?」という異様な盛り上がりを見せました。見事、同点に追いつきましたが、あわや逆転しそうな場面も。選手たちは追い付いた満足感よりも、勝てなかった悔しさの方が大きい表情でした。とても良い試合を観させてもらったなぁと感じましたが、試合を観ていない方からすると、同点という結果しか目にしないので、私が一生懸命話をしても、「え?そんな展開だったんだ」くらいにしか伝わりません。私の伝え方が悪いのか、どうやったらこの現地観戦の楽しさを伝えることができるのか、日々、悶々としています。
さて、いろんなことが重なって、しばらくぶりになってしまいましたが、久々にデータ分析をレポートしたいと思います。
今回も、「山口県オープンデータカタログサイト」からデータをいただきます。おもしろそうだなと目を付けたのは、「【山口県】文化財一覧」というデータです。
山口県に、どのような文化財がどれくらいあるか、皆さんは御存知でしょうか?私はさっぱり分かりません。国宝と言えば、山口市の瑠璃光寺五重塔が思い浮かびますが、それ以外にあるのか・・・?くらいです。
早速、答えを探していきましょう。まず、どれくらいあるか、という総量については、オープンデータの中身(Excel)を見てみると分かります。751件ものデータがありました。
これが多いのか、少ないのか、ピンとこないので、データをTableauに入れてみて分析してみましょう。
まずは、恒例のマッピングです。
こうやって見てみると、県内各地にあることが分かります。そう考えると、「多い」という印象ではないですかね?プロットしてある数が751もありそうにないので、同じ地点で重なっているのでしょうか?いずれにしろ、これだと少ない印象を受けそうです。
文化財の分類ごとに色分けしてみたのですが、分類項目が多過ぎて視覚的に把握できなかったので、国宝だけを赤色にしてみました。
国宝があるのは、下関市・山口市・防府市・岩国市の4市のようですね。
マップでは分類ごとの把握が難しかったので、次は、表形式で見てみましょう。何か傾向が分かるでしょうか?
分類で最も件数が多いのは、表の真ん中やや左の列で「県指定有形文化財(美術工芸品)」ですね。和木町と上関町を除く市町にあるようです。
続いて多いのは、真ん中の列「重要文化財 美術工芸品」か、そのもうちょっと右の列「登録有形文化財」でしょうか。
どうやら美術工芸品が指定されていることが多いようですね。
一番多かった「県指定有形文化財(美術工芸品)」って何でしょう?Tableauを使って、具体名をテキストで表示させてみましょう。
圧倒的に数が多かった山口市など、件数が多すぎて表示しきれていませんが、どうやら、出土品や絵、仏像などが多いみたいです。
この辺り、もう少し細かい分類がほしいですね!素人の私では難しいですが、「美術工芸品」を誰かが分類してくれて、より細かい分類データがあれば、違った分析ができそうです。来年の夏休みの自由研究で、子どもに勧めてみようかなぁ。
みなさんがお住いの市町にある文化財は、御存知だったでしょうか?
次は、お待ちかね?の国宝です。具体的なリストは次のとおりです。
山口県内の国宝は、建造物と美術工芸品(またしても美術工芸品!)の2種類があるようです。
建造物では、まず、下関市に「功山寺仏殿」があります。これは、功山寺の境内にある鎌倉時代に建造された禅宗様の建物で、建築年代のはっきりしていう禅宗様建築では日本最古だということです。
「住吉神社本殿」は、室町時代の始めに大内弘世が建築したもので、五つの社殿を、相の間をもってつなげたもので、流造りの社殿として、他に例のない珍しい形式だということです。
山口市の「瑠璃光寺五重塔」は、上にいくほど小さくなっていく各重の屋根が安定した美しい姿をかたちづくっており、室町時代のすぐれた建築の一つであるとともに、この地に栄えた大内氏の文化を示す重要な建物ということです。
・・・あれ?ハラマルさん、さっぱりだとか言いながら、急に解説始めましたね、と思われるでしょうね。(笑)
実は、名前だけ出すのもどうかなと思い、どういう理由で国宝なのかな?とか調べていたら、山口県の文化財を紹介するサイトを見つけたので、そこから解説文をいただいたのです!私には難しかったので、小学生向けの説明の方からいただいております!
なるほど。オープンデータでデータを提供していただいている一方、文化財を紹介したり、検索したりできるサイトがあるんですね!同じデータベースを使用しているんでしょうか?
いやぁ、オープンデータ上には、内容が分かるデータがなかったので、「これ、何かなぁ?」と思いながら作業していたのですが、こういった解説文があると助かりますね。
でも、せっかくなので、このサイトにある解説文もオープンデータ化してもらえませんでしょうかね?
(私を含め、)素人からすると、長い文章ってデータベースに馴染まない印象があるかと思います。Excelだと、行の高さをやたら高くしないと全文表示できないとか、やっかいもの扱いされそうです。が、データベースの場合、それをそのまま見るわけではないので、「文章が長い」という体裁はあまりきになりません。データとしてきちんと格納されていることの方が重要なので、文章の長さを気にせず格納してもらってもいいかと思います。
または、こうしたサイトの情報と、オープンデータカタログサイトが、うまく連携して、利用者が知りたい情報を的確に提供できるようにしたいですね。すぐには難しいかもしれませんが・・・。
私が説明しなかった他の文化財について、興味を持たれた方は、こちらのウェブサイトから御覧ください!(他の国宝が、太刀とか刀とかだったので、説明できずに困っていたんですよね~)
さて、最後に、文化財の指定って古いものが多い?これからはあまり増えないのかな?という疑問を持ったので、指定年別件数を調べてみました。これは、先ほどのウェブサイトにもありませんよ。
横軸に指定年数、縦軸に指定件数を設定し、国宝を赤色、「県指定」という名称が付いている区分を緑色にしてみました。(もしかしたら、他の区分でも県が指定しているものがあるのかもしれませんが、制度の詳しいことが分からないため、当面、名称に「県指定」とついている分類のものだけをピックアップしました。)
ここ3年は指定件数が少ないですが、一定の件数が継続的に指定されているようです。つまり、新しく文化財に仲間入りしているものがあるようです。
ちなみに、指定件数が飛びぬけているのは1966年(平成8年)ですが、この年に文化財保護法が改正され、文化財登録制度ができたそうです。指定件数のほとんどが、「県指定」になっていますね。
その後も「県指定」が多いですが、1998年と2013年には青色の棒が大きいですね。見てみると、「登録有形文化財」という分類のようです。その中身はこちら。
これらの年は、同じ一群で複数の指定があったようですね。なるほど、こういうパターンもあるわけですね。
そうすると、「指定件数」の他に、こうした同じグループを一つにカウントする他の数え方のデータがあると、また違った分析ができそうですね。
今回、テキストが多めのデータを扱ってみましたが、これはこれで面白いですね。Tableauを使ってリストみたいな形を作れることが新発見でした。正しい使い方ではないかもしれませんが(!)、テキストも立派なデータということを理解することができました。