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シビックテックチャレンジYAMAGUCHIのその後 ~ 令和3年度実証 粗大ごみの個別収集の申し込みをデジタル化 ~
こんにちは。デジテック for YAMAGUCHI 運営事務局のたかポンです。
課題応募の際にも書きましたが、シビックテックチャレンジYAMAGUCHIで実証実験を行った案件のうち、約6割が実証実験した翌年度以降に実装にいたっています。
今回は、過去のチャレンジの「その後」について取り上げたいと思います。
第1弾は、事業開始1年目の令和3年度に実証実験を行った、山口市清掃事務所と(株)G-Placeの取り組みについてです。
課題の概要
~スマホで完結!粗大ごみ申込の市民負担を減らすツールの開発~
山口市では、体の不自由な方や車を持っていない方等のために粗大ごみの個別回収を行っており、利用者は平日の8時30分から17時の間に清掃事務所へ電話で申し込み、その後、地域の行政窓口へ出向いて収集手数料を現金で支払う必要がありました。
利用者にとって時間の制約や手数料支払いのための移動の負担など、結構労力が必要なものとなっており、職員にとっても、電話受付対応をはじめ行政窓口とのFAXのやり取りなど、アナログな内部業務が煩雑で負担となっていました。
この課題解決に手を挙げた企業が株式会社G-placeで、粗大ごみ受付管理システム「ソダイシス」を山口市の制度やルールに合うように改修し、約2か月間の実証実験を行いました。
詳しい実証実験の内容は、過去の記事をご覧ください。
今回、山口市清掃事務所の現在の担当者にインタビューさせていただいたので、実装して3年たった今についてご紹介します!
インタビュー ~山口市環境部清掃事務所 管理担当さん~
―実証実験後すぐに実装されていますが、苦労とかはありましたか?
実証実験で大きな問題もなく、職員や市民からも好意的な意見が聞かれたため、山口市では実証実験の翌年度の令和4年7月に正式に運用を開始しました。
正式運用にあたって、実証実験では市内の一定の地域だけだったのを市内全域に拡大したり、画面を見やすくするように調整を行いましたが、システム自体の大きな仕様の変更は行いませんでした。
特段苦労したことはないですが、強いて言えば、運用開始にあたり、市民に広く、わかりやすく周知するのが大変でした。
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―実装した後は混乱とかはありましたか?
システム運用を開始した後も、従来通りの電話での申し込みも受け付けていますし、システム自体も複雑なものではないので、特段混乱とかはありませんでしたし、市民からの苦情も現在は特にありません。
ただ、システムに不慣れな方が、オンライン申込みがうまくできなくて、電話で申し込まれることはあります。
―逆に、事務所側で困ったことや改善点はありますか?
よくあるのは、システム上、住所の入力が「山口市」のままでも登録できてしまうので、実際の粗大ごみの排出場所がわからないことがあります。
その場合は、こちらから申込者に連絡をして、細かな場所を聞かなければならないので、職員の負担になっています。
次回の改修等の際に、詳細な地番までの入力を必須にするなどの設定をしたいなと思っています。
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導入後のシステム活用状況・導入効果
―2か月間の実証の際は、オンライン申込みの利用者は全体の2割程度でしたが、現在の状況はいかがでしょうか?
システムを導入して約3年が経過し、市民への周知も広がっているため、今では4割程度の申し込みがオンラインになっています。
電話での申し込みだと、品目や収集場所の確認、収集日の調整等のやり取りを行うので、最低でも10分程度は必要でしたので、かなり助かっています。
―年間の個別回収の申込件数が2千件以上あり、そのうちの約4割がオンラインだとすると、年間で130時間程度の削減になってますね!
そうですね。その結果、残業が減ったなどとまでは言えないですが、職員の負担軽減に大きく貢献していることには間違いありません。
また、従来の電話のみでの申し込みでは対応できなかった、休日の受付件数も月に20件程度あるので、市民の利便性も向上していると思います。
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―市民の利便性向上という観点では、電子決済の導入も大きいと思いますが?
オンライン申込みをされる場合は、支払い方法は必ずクレジットカード等の電子決済になります。
従来は、行政窓口にわざわざ支払いに行かなければならなかったので、利用者には負担になっていたと思います。
同様に、行政窓口の担当者にも負担がかかっていましたので、両方にとってメリットが大きいと思います。
また、導入当初はクレジットカード決済のみでしたが、今年の7月からはPayPayでの支払いも追加し、さらなる利便性の向上を図ったところです。
―最後に、今後の展望について教えて下さい!
オンラインの申込み率は順調に推移しているので、今後もより分かりやすい案内や広報を継続していき、今以上にオンライン申込みの割合が増えていくといいなと思います。
この記事を見られた方で個別収集を申し込まれる方がいらっしゃいましたら、積極的に利用してみてください!
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おわりに
粗大ごみの収集は多くの自治体が行っている業務であり、また、国の「デジタル・ガバメント実行計画」において、優先的にオンライン化を推進すべき手続に位置付けられています。
県内でも申し込みを電話対応のみとしている市町が多くあるので、山口市の事例を参考にされて、オンライン化がもっと進んでいくとよいなと思いました。
お忙しい中インタビューに答えてくださった山口市清掃事務所の担当さん、ご協力ありがとうございました!