自動運転レベルって何?
事務局のハラマルです。
自動運転について、私にでも分かるような資料があると、誰かの役に立つのではないか?ということで、関係者の方などに聞いて私なりに理解した内容を、できるだけ分かりやすく伝えていくというチャレンジです。
今回も、個人的な意見や感想を述べさせてもらっています。
定義
さて、皆さんは「自動運転レベル」って聞いたことがありますか?
今回の実証運行は「レベル4」を目指しており、まずは「レベル2」で運行する、ということなんですが…。
レベル3どこ行った?
とか気になりますよね?
この「自動運転レベル」はきちんとした定義があって、アメリカの非営利団体「自動車技術協会(SAE)」が定めた規格を基に、日本の公益社団法人「自動車技術会(JSAE)」が技術文書として発行して…。
と、難しい話が続くようです。
ちょっと私は話についていけなかったので、興味がある方は、こちらを御覧ください。
と、これでは丸投げです(笑)
分かりやすく伝えるというチャレンジになっていませんね。
が、正直に言ってしまいますと、私は、このサイトや他のサイトを見たり、詳しい方にいろいろ聞いてみましたが、自動運転のレベル分けの話が、全然しっくり理解できませんでした。
だからでしょう。
何人かの方に、試しに説明してみたのですが、皆さん「?よく分からん…。レベル2と3って何が違うん?」といった反応でした。
そこで、もう思い切って開き直ることにしました。
こんなに多くの方が分からんって言うくらいなので、もう、そんな分かりにくいもの正確に説明することは諦めた方が良いんじゃない?と。
ざっくり言うと
はい、なので、先に言っておきますが、正確な定義を知りたい方は、先ほどのサイトなど、信頼がおける情報できちんと確認されてください。
ここからは、私が勝手に、少々の誤解があったとしても分かりやすい方がいいだろ!という考えで整理したものです。
(一応、大幅に間違っていないことは、詳しい方に確認しています。)
冒頭「今回の実証運行は「レベル4」を目指しており、まずは「レベル2」で運行する」という内容を記述しましたが、ざっくり言うと、こんなカンジになるのではないでしょうか。
今回の実証は無人運転(=レベル4)を目指している。
だけれど、法規制とかあって、いきなりそんな実証をすることはできないので、オペレーターが安全のため乗車する。
この、念のためオペレーターが乗車した状態を、小難しい定義に当てはめると、なぜか「レベル2」ということになる。(レベル2の実証をしているわけではない)
これでだいぶ分かりやすくなったでしょうか?
ややこしかったのは、「レベル2」と言うと、オートパイロットなど、自家用車への導入も進んでいて、そもそもは、人が運転するのをシステム的に支援するものを言うようです。
この状態は、今回の実証とは状況が大きく異なっていますが、同じ「レベル2」で定義されているので、かなり違和感がありますよね。
それと、レベル3が飛ばされている点です。これも分かりづらい。
この「レベル3」は、部分的には無人運転なのですが、何かあったら、システムではなくて人が制御するスタイルのことのようです。
レベル2→3→4と順番に上がって行かないと気持ち悪いですよね。
ですが、先ほどの説明を見直してよく考えると、このレベル3は、何かあったら人が制御するということは、実現したとしても、人が乗っていないといけないじゃないですか!
これがポイントです。
なので、技術的な過渡期として、このレベル3みたいな状態があるにしろ、無人運転を目指して到達するところではないようです。
例えば、長距離トラックなどに、このレベル3が合っているのではないでしょうか。
下道区間では人が運転して、長距離移動時の高速道路など決まった区間ではシステムで運行できるようになるとします。高速道路でも、下道から連続して人が乗ったままなので、システム運行中に何かあったら、その運転手が対応できる、というイメージでしょうか。
これが実現すると、運転がかなり楽になることが想定されますね。
だけれど、最終的には人が乗ることを前提とした技術なので、レベル3を突き詰めても無人運転は実現しない、というわけです。
ということで、全国的にも、「無人運転(レベル4)を目指す取組の途中段階でレベル3を実証する」という取組はないようです。
レベル3と4との間には、大きな隔たりがあるということです。
私の理解では、「分かりやすくするために自動運転レベルという定義を作ったけれど、なんか今の状態は、想定していたのとはちょっと違ったものになってるなぁ。でも、昔に作った定義に基づくと、こういうことになる」ということになっているんだと思います。
分かりやすくしようと決めたルールによって、逆に分かりづらくなっている、ということなんでしょう。
レベル5の世界観
さて、レベル分けを見られた方は気づいたかと思いますが、無人運転(レベル4)より、さらに上があります。
定義の最上位はレベル5です。
レベル4というのは、一定の条件下で実現する無人運転です。
この「一定の条件」のうち、最も大きな要素は「決まったルート」ではないでしょうか。
つまり、あらかじめ走行するルートを決めておき、その範囲内での運行について、環境を整備したり、学習をさせるなどして、無人で運転できるようになるのがレベル4です。
レベル5は、その要件も必要なくなった世界観です。
「いつでも、どの道(初めて通る道)でも、自由に無人運転で走れる」ということですね。
場所も自由になるでしょうし、時間も自由になるでしょう。例えば、現在の路線バスは、運転手さんが稼働できる時間帯が決まっているため、始発・終電がありますが、自動運転ならば(充電する時間があれば)深夜でも早朝でも自由に走り回れるでしょう。
これを実現しようと思うと、あらゆるパターンの学習や様々な環境整備が必要になるのでしょう、きっと…。
え、そんな未来、いつ来るんだ?って?
すみません、おじさん、ここで昔話をしちゃいますよ。
私が子供の頃、まず、電話を持ち運べるようになるとは夢にも思いませんでした!電話なんて、家に1台、居間に置かれているものでした。
そして、パソコンなるものも家にはなかったし、触ったこともありませんでした。パソコン?何それ?聞いたことない。という状態でした。
が、何と今では、電話が持ち運べるようになって、さらにはパソコンが使えて小型になって、それが一緒になってスマホになっているではありませんか!
大人だけでなく、子どもも高齢者も持っています。日常生活に必須のアイテムとなっていると言ってもいいでしょう。
この状態を、30~40年前に予想できた方はいるでしょうか…?
スマホは、電話やメールなど、日常生活に必要な道具としてドンドン進化してきました。ニーズが高かったんでしょう。
無人運転もそうです。移動という日常生活に欠かせない分野のツールですし、運転手不足も加速している中、ニーズは高まる一方です。
この技術が発達しないわけはありません!きっと、これから、とんでもない速さで進歩していくでしょう。
もし、皆さんが、実証の状況を見て、「まだこんなこともできないのか」と思うことがあったとしても、きっと、すぐに技術的には可能になるでしょう。
課題があるとすれば、路上駐車や無茶な割り込みなど、人間の振る舞いの方かもしれません。
技術の進歩に見合う速度で、我々の行動変容も進めて行きたいですね。
まとめ
一口に自動運転といっても、運転手のサポートをするものであったり、高速道路などの限られた環境でのほぼ自動運転(要運転手)を目指すものであったり、無人運転を目指すものだったり、いろいろあります。
こうしたことを、自動運転レベルとして定義されています。
それぞれ、例えば、
運転手のサポート(=レベル2)であれば、事故の減少
ほぼ自動運転(要運転手)(=レベル3)であれば、長距離運転の省力化
無人運転(=レベル4)であれば、運転手不足の解消
といったことを主なターゲットとして取組が進められていますが、当然、それぞれ、技術的な要素で重複する部分があったりして、複雑で、割り切れるものではありません。
なので、あまり、レベルを意識する必要はなく、要は、最終的に何を目指しているのかが重要です。
そして、今回の、周南市での実証は、無人運転を目指しているものであり、このことは、実証に参画いただく(乗車していただく)皆さんも含め、関係者間でしっかり共有していきたいです。
そうすれば、この実証の意義や、次にどんなステップになっていくかも、より理解いただけるのではないかと思います。
と、この記事を書いていて、今後は、あまり「レベル4」とか言わず、「無人運転」と表現していった方がいいなと、強く自覚しました。(反省)