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「周南市レベル4モビリティ・地域コミッティ」の概要とキックオフ会議

この記事では、「周南市レベル4モビリティ・地域コミッティ」(通称「地域コミッティ」)の概要と、先般開催したキックオフ会議の内容を紹介します。


地域コミッティの体制

地域コミッティは、今年度から、国の補助事業を受けて実施する自動運転実証において、設置が義務付けられた行政機関等の関係者による連携体制です。
山口県周南市での実証では、以下のメンバーにより構成しています。

行政機関

  • 周南市(都市整備部)

  • 中国運輸局(山口運輸支局)

  • 中国地方整備局(山口河川国道事務所交通対策課)

  • 中国経済産業局(地域経済部デジタル経済課)

  • 山口県警察本部(周南警察署交通課)

  • 山口県(観光スポーツ文化部交通政策課)

関係事業者

  • 一般財団法人山口県デジタル技術振興財団

  • 徳山地区タクシー協会

  • 西日本旅客鉄道株式会社(徳山管理駅)

有識者

  • 徳山工業高等専門学校(土木建築工学科)

運行主体

  • 山口県(総合企画部デジタル推進局デジタル政策課)

  • 周南市(都市整備部公共交通対策課、企画部スマートシティ推進課)

  • 防長交通株式会社

  • 西日本電信電話株式会社

地域コミッティの目的

地域コミッティは、レベル4自動運転サービスの実装に向け、各地域の受容性向上と、透明性・公平性を確保しつつ、許可等の手続を迅速に進める必要があることから、地方公共団体・関係行政機関・事業者による連携体制として構築しました。

これまでのレベル4運行に向けた実証では、どちらかというと、自動で走行できるようになるかという技術的な観点に主眼が置かれていたものが多いのではないかと思います。

ですが、全国的にも実証が進められ、技術的な確度が高くなってくると、次のステップとしては、この技術をどうやって地域に根付かせていくか、既存の自動車を含む交通と棲み分けて行くか、どうやって迅速に地域に導入できるか、といった観点に課題が移りつつあります。

技術的に確かなものがあったとしても、地域の住民に受け入れられなかったり、渋滞を起こしてしまって他の交通を混乱させてしまったり、導入に長期間かかったりということがあると、なかなか普及しません。

そうしたことを、この関係者が集まる地域コミッティの場で話し合いながら、課題を共有し、共に解決策を探り、レベル4自動運転(無人運転)が実現できるよう協力していくということを目指しています。

実証をしていく中で生じた課題を、自動運転の技術で解決していく方法もありますが、例えば、

  • 渋滞を引き起こしてしまう地域であれば、速度を上げていくという技術的な解決方法もあるが、左側1車線を自動運転専用レーンにすることで、自動運転車両の優先的・安全な走行を確保しつつ、後続の自家用車の渋滞を防ぐことができるのではないか?

  • 路上駐車が多い地域であれば、それを交わしていく技術を高めるという方法もあるが、交通規制をかけて取締りを強化することでもっと簡単に自動運転が実現するのではないか?

  • 路幅が狭い地域であれば、そこを慎重に通過するという技術を高める方法もあるが、道路を広げたる工事をすれば良いのではないか?

といったようなことを協議しながら、必要な対策を迅速に実施していくようなイメージでしょうか。

どこかで御紹介しようと思っていますが、自動運転の実証に関しては、様々な許認可が必要です。
関係機関が集まることで、そうした許認可もスムースに取得できるようになる、あるいは制度改正が必要ということであれば、それを国に伝えていくことができるようになる、といったメリットがあるかと思います。

また、全国で地域コミッティが開催されることにより、いろいろな事例が集まり、その好事例を参考にして、さらに自動運転技術の導入が加速されることも期待されます。

キックオフ会議

山口県周南市の自動運転プロジェクトにおいては、第1回会議となるキックオフ会議を、2024年8月6日に開催しました。

現在は、実証開始前段階のため、具体的な課題が明らかになっているわけではありません。このため、まずは実証の取組内容や途中経過について情報共有しながら検討を始めた段階です。

当日の資料は以下からダウンロードできます。
まだ実証走行も開始していない段階ですので、資料にあるように○年後に○○しますといっても、まだまだ何の説得力もありません。
今年度の実証実験を進める中で、どのような課題が生じてくるか、その課題の困難さはどの程度か、解決策はあるのか、そういったことを見極めながら、このプロジェクトのビジョンの精度を上げて行こうと考えています。

当日、事務局の方からは、資料の説明とともに、まずは安全第一で住民の皆様に御迷惑のかからないよう実証を進めたい旨御説明しました。

委員の方からは、社会受容性の向上に向けて、前向きな周知・情報発信をしていただきたいという御意見をいただきました。

こうしたことを受け、特設HPでは、事務的なお知らせだけでなく、実証で意図している部分の説明や、利用者の声、気になることへの御回答など、皆様に興味を持っていただけるよう様々な観点で情報発信していくこととし、このようにnoteを使ったプロモーションを行うこととしました。
この取組で、少しでも興味を抱いていただければ幸いです。

また、当日の様子は、地元テレビ局において報道していただきました。

地域コミッティ設置目的の一つとして、地域の受容性を高めていくことがありますので、こうした会議を報道していただくことによって、多くの住民の方に知ってもらい、興味をもってもらうことも非常に重要なことだと考えています。

第2回会議は、10月中旬に開催する方向で調整中です。
内容については、またXやnoteで報告していきたいと考えています。

最後に、note記事はマガジンにしていますので、こちらから、他の記事も是非読んでみてください。