身近なDXコンサル事例紹介セミナー②~デジタルを活用した店舗不要の「レンタカー事業」開始~
今年2月22日に、Y-BASEイベント「身近なDXコンサル事例紹介セミナー」を開催しました。セミナーでは、デジタル技術を活用して課題解決に取り組みたい相談者に対して、Y-BASEの専門スタッフが、相談からDXの実現までをサポートする「DXコンサル」により、課題解決に取り組んだ事例について、企業関係者様へのインタビューを交えて紹介しました。
こちらの投稿では、山口市を中心に車に関連した事業を展開しておられる吉井企画様による、デジタルを活用した店舗不要の「レンタカー事業」の取組について、セミナー内容を踏まえて紹介します。
吉井企画様のご紹介
吉井企画様は山口市小郡で「あなたらしいライフスタイル」を、車の販売、買い取りを通じてご提供されています。昨年の11月からは長門湯本温泉で、輸入車両をレンタルし観光を楽しんでいただくレンタカーサービスを始められ、県内外の観光客の皆さんに旅行の思い出に新しい感動体験を付加価値として提供されています。
業務上の課題と解決に向けた取組の概要
観光用レンタカー事業を開始するにあたり、「人の確保」や「事務所や受け渡しBOX等のハード面の用意」といったことを、課題として抱えておられました。DXコンサルを通じて、Y-BASEからは、新サービスにおける業務フローの整理や課題の抽出を支援させていただいた上で、その過程で得た気づきから、デジタルキー(鍵の受け渡しの無人化)の使用を提案させていただきました。デジタルキーの導入・活用により省力化されたリソースを、プロモーションや利用者マニュアル作成などに充てられる効果も創出されており、今後は、乗り捨てや別分野の代車への活用など新サービスに展開されることも構想していらっしゃいます。
DXコンサルを受けられた吉井さんに伺いました
(モデレーター)
長門湯本でのレンタカーサービスは、Y-BASEに来られる前から構想されていたということですが、その中で、あえてY-BASEに相談に来ようと思われたきっかけや背景などを教えてください。
(吉井さん)
はい。元々、レンタカー事業を始めていこうと、必要な申請ごと等は進めていたんです。それで全く別のことから、たまたま金融機関さんのお話を聞くことがありまして、Y-BASEをご紹介いただきました。以前からDXという言葉は知っていましたが、いろんな情報を取り入れてみようかなという風に思いまして、それでお話だけでも聞ければと思い、Y-BASEに相談した次第であります。
(モデレーター)
最初は、具体的に何がしたいとか、こういったポイントを相談しようというかたちではなかったというところでしょうか。
(吉井さん)
そうですね。最初に具体的な問題があまりまだわかっていない状態だったんですけど、長門市と山口市ですと、車で1時間ぐらいはかかりますので、これを少人数で運営することを、どうしたらいいのかなと考えておりまして、結局そういった明確な考えがないまま、計画が進んでいった状態だったんですね。
たまたまご紹介いただいて、相談に行ったんですが、その中で、今回の受け渡しの問題などが、もしかしたらDXを通じて解決できるかもしれないという考えに至った次第です。
(モデレーター)
そうですね。Y-BASEにお越しいただく方々も、もちろん情報収集、特に課題を設定せず、情報収集でお越しいただく方もたくさんいらっしゃいます。その際に、いろんな情報提供させていただくんですが、その中で、たまたまご自身の課題がデジタル技術で何とかできるんじゃないかっていうところに気づけたという感じですかね。
(吉井さん)
その通りですね。課題に気づかせていただいたという感じです。
(モデレーター)
なるほど。では、ご対応させていただいたコンサルタントは、その課題や、吉井様が気づかれたことに対して、どのようなご提案をさせていただきましたでしょうか。
(吉井さん)
人がどうしても足りない状況が発生するので、デジタルキーのサービスを使われてはどうですか、というご紹介をいただきました。元々、レンタカーは、人を確保しないと確立・実現できないものという頭が先にあったものですから、そういう制約がデジタルキーを導入することによって、もう全てが解決できるっていうことを、最初課題が見えてなかったところですが、それが明確に自分の中でも理解できて、これがまさしくDXなのかなという風に感じましたね。
(モデレーター)
都会ではカーシェアリングなどでデジタルキーを使ったサービスがたくさんありますが、そこで採用されている技術が一般的に身近に使えるかは、なかなか分かりにくいところがあったかと思います。その中でも比較的小規模からでも使えるサービスを我々の方からご提案させていただいたという形です。
では、コンサル当初でご相談されたときに、不安などはありましたでしょうか。
(吉井さん)
やっぱり、お金の面でコンサル料金が高いんじゃないかとか、どうしても行政の施設ということで、最終的な導入までのフォローをしっかりやっていただけるかなっていう不安がありました。ですが、コンサル料金が無料でしたし、対応された皆様がフレンドリーで、そして非常に柔軟な対応をしていただきました。
(モデレーター)
では、コンサルを実際に進める中で、我々からはデジタルキーの提供企業のご紹介や、仕様の確認をさせていただいたんですが、コンサルと並行して、吉井様自身が取り組まれたことなどは、ございますでしょうか。
(吉井さん)
そうですね。導入自体がとても簡単で、特別なものを用意する必要がなかったので、お客様が使いやすい車の選定ですとか、ドライブコース、マニュアル動画の作成、ホームページやInstagramなどのSNSを活用したプロモーションの強化について検討していました。
(モデレーター)
導入に手間がかからなかった部分があったので、利用者へのフォローや、プロモーションに力をすることができたということなんですね。今回、それで実現できたこととか、それによる効果とかはいかがでしょうか。
(吉井さん)
どうしてもレンタカーは車の整備や清掃なんかで完全に無人で運用するのは難しいんですが、デジタルキーによって鍵の受け渡し行為が不要になります。そこで省力化を図れるので、これを上手く使えば、何よりも場所にとらわれないサービスを提供できるので、観光だけでなく、他の事業展開へのアイディアも、これから浮かんでくるかなという風に思いますね。
(モデレーター)
DXと言えば、業務改善にアプローチされる事例の方が、どちらかというと多い感触を持っているんですが、吉井様の取組は、デジタル技術を新しい事業の創出に活用されたところが、非常に興味深いと思って、拝見させていただきました。
では、コンサル全体を通じて、どうお感じになったか教えていただけますか。
(吉井さん)
非常に無駄がない、的確な提案を毎回していただいたと思いますね。こちらの目線や立場を考えての提案が多かったので、私自身も、日常業務ではできる限りお客様の気持ちに寄り添っていこうという風に心がけておりますので、自分のスタンスがY-BASEさんとマッチして、私は安心感が持てました。自身も、カーライフに対してのいわゆるディレクション業を営んでいますので、そういったところが、Y-BASEのコンサルに近しいなと感じまして、非常に共感を覚えました。
(モデレーター)
今回は、長門湯本でのサービスですが、今後の展開について、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(吉井さん)
いろんなところでいろんな挑戦をしていきたいなっていうのは、いろいろ思うんですが、まずはせっかくご縁をいただいた長門湯本でのレンタカー事業、長門市を盛り上げていくっていうところに注力していきたいです。冬がどうしてもオフシーズンに当たりますし、まだまだデジタルキーも導入したばかりで、十分活かし切れていないところがありまして、春に向けて「どうお客様にアプローチをしていけば、使いやすくなるか」、今はそればかり考えて仕事をしていますが、なかなか進んでないところがあるんです。うまく使えばどこでも乗り捨てができるのが、このメリットと思いますので、お客様の使い方にもっともっと寄り添って、自由度が高いサービスをしっかりと提供していきたいなというふうに思っています。
(モデレーター)
参考までにお聞かせください。レンタカーサービス名は何というんでしょうか。
(吉井さん)
「おとずレンタカー」です。ホームページもありますし、Instagramも作っておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
(モデレーター)
ホームページにも、いろんな写真が載っておりますけども、乗るだけでも楽しくなりそうですね。
(吉井さん)
やっぱり移動も思い出深くというか、快適空間にしていただきたいなっていう思いが強いので。なかなかその輸入車でレンタカーってどうなのって言われることもありますが、非日常を味わいに温泉街にお越し頂いてますし、移動も含めて非日常的にしていただければいいなというふうに思います。
(モデレーター)
今後、サービスがいろいろ広がっていくことを、我々もぜひ期待しています。例えば、今後レンタカー利用者のデータなどがもし取得できれば、さらにサービス改善とか顧客分析にも活用できると思いますので、ぜひその時は、Y-BASEでお手伝いさせていただければと思います。
今日はありがとうありました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。ここまで、Y-BASEのDXコンサル事例の一例をご紹介させていただきました。Y-BASEには、日々、様々なご相談が寄せられており、お客様に対して最適な解決アイディアを提案しています。この他にも多様な事例をHPで公開していますので、どうぞご覧ください。
Y-BASEでは、今後も、山口県内の地域の皆様が抱える困りごとや課題に対して、デジタルの力を活用して、一つでも多くの解決に貢献できるようサポートしてまいります。