大雨が降ったら運休?
事務局のハラマルです。
自動運転について、私にでも分かるような資料があると、誰かの役に立つのではないか?ということで、関係者の方などに聞いて私なりに理解した内容を、できるだけ分かりやすく伝えていくというチャレンジです。
今回も、個人的な意見や感想を述べさせてもらっています。
運休となってしまいました
これまでの準備期間と労力を考えると、ようやく一般運行まで辿り着けたことは非常に感慨深いです。
いざ、出陣!というカンジで、気合が入ります。
が、それをあっさりとひっくり返すのは自然の驚異です。
まさかまさか、こんな時期に台風が発生するとは。温帯低気圧になっても、こんなに雨を降らせるとは…。
ということで、関係者の一員としても、大変残念なところですが、運行開始後最初の土曜日、三連休の初日、ほぼ満席の予約をいただいていた11/2(土)の午前中は運休とさせていただきました。
心待ちにされていた方には、大変心苦しいです。
個人的にも残念でなりません。
乗車を予定されていた方は、是非、天気の良い日に乗車していただき、楽しんでいただきたいと思います。
自動運転技術に対する大雨の影響
さて、今回の(元)台風21号がもたらした大雨については、警報級の大雨で仕方なかったものの、そもそも、自動運転技術って、大雨のとき、どのような影響があるのでしょうか?
自動運転車両にはいくつかタイプがあり、それぞれの企業が開発されているので、一概にこうだ、と言えるものはないそうです。
このため、今回実証で用いている車両「EVO」についてお聞きしてみました。
EVOは、正確な位置情報(GPSよりも精度が高い)や、事前に学習したルート上の3Dデータ、タイヤ内のセンサー(移動距離等を把握)などを照らし合わせ、総合的に自己位置を確認しながら運行しているそうです。
この仕組みにより、例えば、雪が積もったり雨で路面が反射していてセンターラインや停止線等が見えない状況であっても、正確に運行できるそうです。
まさに、人を超えた能力を発揮している場面ですね。
我々人間は、視覚情報が正確に得られないと、そんな運転はできないです。
一方で、困った問題もあります。
センサーが人間の能力を超えて障害物を感知するため、雨の一粒一粒も、きちんと物体として認識します。
もちろん、雨の一粒を認識したからといって、緊急ブレーキが働くわけではありません。
一定の範囲内なら、そんなの無視して走行します。人間でも、ちょっとの雨なら傘を使わないのと一緒ですかね?
が、一定の範囲を超えてくると、大量の雨を障害物として認識し始めます。
ここで注意が必要なのは、これはシステム的なエラーではないということです。
我々人間が、「一定の範囲を超えたら、きちんと障害物として認識しなさい」というプログラムをしているから、それを忠実に実行しているだけなんです。
そう、雑草のときと同じで、完全に安全側に倒した設計をしているからなんです。
「少々障害物を無視しても行ってよし」というプログラムを与えたり、あるいは、例えば、雨だけのセンサーを用意するなど雨だけを認識して、「雨なら無視してよし」ということを設定すれば、大雨の中でも走行可能になります。
が、そうすると、安全性に対する信頼度が下がってしまいます。
また、現時点、オペレーターが運行を管理しているため、大雨の中、オペレーターの判断や操作を安全に確保できるか、という問題が起きてきます。
そうしたことを踏まえ、現在は、目安として1時間雨量10mmを超えてくると、障害物としての認識が始まったり、オペレーターによる安全確保に支障が出てくる可能性があるため、運休を検討するという基準を設けています。
いや、雨の日こそ、バスに乗りたいんよ!
という方も大勢いると思います。私もそうです。じれったいですよね。
すみませんが、この辺りも、まずは「安全に運行する」という実績を積み上げてからの、次のステップになってくるかと思います。
メーカーも、これをクリアするための技術開発を進めていますので、もっと天候に左右されずに移動できるようになると思います。
まとめ
今回の自動運転EVバス実証では、1時間雨量10mmを目安に、安心・安全に自動運転できるかどうかを判断しています。
今後、もし、またその基準に達し、運行が難しくなる日があれば、できるだけ早くXやHP、予約された方にはメール等でお知らせしたいと思います。
今年度の実証は、まずは、安全第一で運行することが重要なミッションですので、ご理解をお願いします。