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データドリブンカンパニーへの進化論とデジタルサクセス®‐テクノロジーはどうビジネス価値に転換するのか?‐
こんにちは!NTTデータのデジタルサクセスnote運営チームです。AI・データ活用テクノロジーに対する注目度はますます高まっていますが、それを導入するだけでは、成果に結びつかないことは明白です。どのように“テクノロジー”から“ビジネス価値”への転換がなされていくのか?個別の成功事例が着実に出てきているなか、真の“データドリブンカンパニー”に向けた進化のステップを解説していきます。
社会変化や市場ニーズの変化がもたらした意外なデジタルの使い道
AI・データを活用した取り組みが普及する中で、企業は自らの組織・構造のリオーガナイズ(再編)を推進しています。この動きは、最近の社会変化や市場ニーズの変化により顕著に加速されました。
また、同時に「AIとBIの併用」という使い方も普及していきました。あくまでも過去のデータに基づいてモデルをつくるのがAIで、社会変化や市場ニーズが激変する中では、十分に機能しないことがあるためです。そこで、BIによるデータ可視化を並行することによって、人間の洞察を上手く活かそうという流れが生まれました。
データドリブン企業へと進化するための3ステップ
デジタルテクノロジーによってビジネス価値をもたらし続ける「データドリブン企業」への変革は、どのような道をたどるのでしょうか?その過程は大きく下記の3つのステップに分かれます。
ステップ1:プロジェクト単位での実施
ステップ2:全社レベルでの推進
ステップ3:AI・データ活用の民主化を実現
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ステップ1:プロジェクト単位での実施
ステップ1では「アフターサービス部門で部品故障の予測モデルをスクラッチで作ってみる」「マーケティング部門で優良顧客のスコアリングモデルを構築するにあたり、ツールを使ってトライする」など、各事業部門で、プロジェクト的にデータ活用を実施する段階です。この段階では、「データが集まらなかったり不揃いだったりで、なかなか精度の良いモデルが作れない」「なんとかモデルを作ったが定常的な運用が大変」といった課題がよく生じます。
ステップ2:全社レベルでの推進
こうした課題を乗り越えて各部門での取り組みを全社レベルまで昇華できるのがステップ2です。デジタルの専門組織(デジタルCoE)などを立ち上げ、データ活用を全社で推進していく動きが求められます。ここでは「各部門から相談がきて、すべての対応ができない」「実現可能性や効果・有効性に基づく優先度付けが大変」といった悩みをよく耳にしますが、こういった課題に対処するために、業務運用できるデータマネジメントの基盤を作り、データやシステムのサイロ化を解消といった取り組みが行われます。
ステップ3:AI・データ活用の民主化を実現
データマネジメントの仕組みを専門組織だけでなく現場に解放し、自律的に業務に活かしていける段階がステップ3です。ここまで来れば、テクノロジーの導入だけでなく、IT人材の育成や組織の構築、文化の醸成などが有機的に機能し、AI・データ活用の民主化が実現されます。こうした、テクノロジーがビジネス価値として根ざしていく流れを「デジタルサクセス®」とNTTデータは呼んでいます。
これらの3つのステップを着実に進んでいくためには、テクノロジーだけを見ていてもうまくいきません。AIの技術ばかりが着目されていますが、しっかりとビジネスに落とし込むためには、ROI(Return On Investment)が出るような適用業務を選び、どういった時間軸で進めていくのかという経営の視点が不可欠となるのです。また、社内外のデータを活用するためには、データを整備し、サイロ化を防ぐ必要があり、こうしたデジタル変革を牽引する人材・組織をどうつくるのかについても考えていかねばならなりません。
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AI・データ活用のテクノロジーはどのように進化しているのか
続いて、ビジネス価値に繋がるテクノロジーの進化についてお話します。データ活用のテクノロジーは、大きく2つに分かれます。1つは「データ収集」、もう1つは「データ分析(BI・AI)」です。
レポーティングから発展してきたBIの技術は、“Augmented Analytics”という形に進化し、対話型の検索でほしい情報にリーチでき、「このデータはこう読み解くといいのでは?」と示唆してくれるようになっています。かつてはデータサイエンティストがモデルをスクラッチで作成していましたが、現在ではモデルの作成や精度維持を自動で行うシステムが登場し、業務の効率化が進んでいます。
一方、データを収集する基盤についても大きな進化が見られます。以前はオンプレミス環境下で使うデータウェアハウス(DWH)が主流でしたが、現在では「Elastic(伸縮性)」の特性をもつクラウド基盤が注目されています。必要なリソースを必要なときにだけ提供してくれるクラウド基盤は、拡張性とコスト効率の面で企業にとって大きなメリットがあるのです。
さらに、DXにおけるテクノロジーには、「Elastic」に加えて、「Agile(即時性)」の特性が求められています。現在の市場では、実際に動作しながら修正を加えられるテクノロジーが多くの企業に採用されています。例えば、AIの「DataRobot」やデータウェアハウスの「Snowflake」などは、この「Elastic」と「Agile」の両方を兼ね備えており、特にシェアを伸ばしています。
ビジネス価値を創出するためのポイント
AI・データ活用によってできることは、大きく分けて2つあります。それは「予測」と「最適化」です。ビジネスとは、何かを“予測”し、何かを“最適化”し効率化する業務の連続といっても過言ではありません。そのためすべての業界のバリューチェーンにおいて、AI・データ活用による優れた事例が生まれています。
ただし、データ活用の成果が出やすい領域と、時間がかかる領域があり、いち早く成功体験を得るためには、成果が出やすい領域を見極めることが重要です。たとえば「需要予測」は、AIの方が経験と勘よりも優れた成果を出せる領域です。実際、マーケティングの高度化や顧客の離脱防止、在庫の最適化によるロスの低減によって、年間数億円規模の価値創出が達成されています。
価値創出をドライブする組織・人材のありかた
デジタルテクノロジーを活用し、会社全体で継続的な価値を出していくためには、局所的な取り組みだけでは難しく、各部署が有機的に連携していく必要があります。アプローチの方向性としては、まずデジタルCoE(Cernter of Excellence)を体制化し、現場の相談役として、いずれ現場が自走できるよう伴走していく流れがふさわしいと考えます。ポイントは「小さくても成果をしっかり出していく」ことと、「人材育成のサイクルも同時に回していく」ことです。
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そして、もっとも重要なことは、関係者の「成功したいという意思」です。たとえば、ユーザー会の運営は、メンバーのマインドを変革するのに役立ちます。コミュニティでの交流は、単にナレッジを共有するだけでなく、そこに文化を醸成していくことができますし、素地のある人材が、そのコミュニティの中で見つかるかもしれません。デジタルCoEに求められることは多くありますが、NTTデータは「デジタルサクセス®プログラム」によって、データ活用の推進を支援していきます。