見出し画像

日本の100M走の可能性

遂に山縣選手が9秒台へ突入。日本新記録という金字塔を打ち建てた。

強さという意味では彼が1番と感じていた人は少なくなかったと思います。すでに9秒台に突入していた桐生選手や小池選手との何度とない直接対決でも彼の強さは明らか。

けどこの数年間、その強さが記録に結びつかなかったのはひとえに運ではなかっただろうか?

100・200M走では記録が出やすい環境条件が揃うか否かは重要だ。

故障を抱えて試合に出れなかった時期もあり、今以上の伸びシロが無くなってきている年齢に達しているだろうし、この時期で記録が出てこないと・・・

そんなことを感じずにいられないタイミングで遂に『9.95』という記録。素晴らしいの一言だ。オリンピック選考会の日本選手権前に追い風2mという最高の環境を掴んだ。

日本選手権では4名の9秒台アスリートが出揃う予定。9秒台に迫る多田選手やケンブリッジ選手も含めると、期待に胸が躍る。

私が400m選手として秋田インターハイに出場した1984年頃、ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得したカール・ルイス選手の優勝タイムは『9.99』

当時日本人に9秒台で走れる選手が現われるのは少なくとも私が生きている間では見れないだろうと考えていた事を思い出す。

同い年の不破弘樹選手が高校時代に叩き出した日本記録は『10.34』

それでも当時は同じ高校生が日本記録を出すという快挙を含め、驚くばかりであった。

しかし、どうだろう...

カール・ルイスの五輪優勝記録を超えた国内選手が4人も現われ、五輪出場権を争うのだ。出場切符はたったの3枚。少なくとも9秒台アスリートの1人は落選する過酷な争奪戦。観戦する立場にまでも緊張感が伝わるような事態だ。

画像1

さて、この先誰がこの『9.95』を更にアップデートするのか?

個人的な期待は多田選手。

あの細身の体で遂に9秒台をロックオンする『10.01』と迫ってきた。

今の筋量ではこのタイムが精一杯かも知れないが、伸びしろは彼が一番勝っているように思えてならない。トップスピードへの到達の早さは先日のガトリン選手との争いでも明らかだ。40m~80mまでの走り、80m~GOALまでの走りがそれぞれ変われば彼は夢のような記録をものにするかもしれないという期待がよぎる。

そこに到達するためにも、筋力や筋量をバランス良く補って欲しいと思うのが個人的見解。

新型コロナウイルスの影響で五輪が1年され、その結果2022・2023年と2年連続で世界陸上が開催される。サニブラウン選手と多田選手がハンガリーの決勝舞台で争う姿を夢見るばかりだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?