Hagexさん殺害事件。津田大介氏がラジオで「被害者がブログで加害者をかなり煽って揶揄した」発言は本当か? 当該部分を書き起こし
6月24日に起きたネットウォッチャーHagexさんの殺害事件について、ジャーナリストの津田大介氏がラジオで「被害者がブログで加害者をかなり煽って揶揄したので逆恨みされたのが原因」と解説したという話がTwitterで話題になっています。
Twitterで拡散している内容
津田大介氏が出演するラジオを聴いたら、Hagex氏の事件について「被害者がブログで加害者をかなり煽って揶揄したので逆恨みされたのが原因」と解説していたが、調べたら「元々、荒らしで有名だった加害者」にブログで軽く触れた程度だったらしいので、メディア情報を安易に鵜呑みにするのは怖いね。 — あわじジェノサイド (@AHimeji) 2018年6月26日
そこで実際にどのような解説だったのかを確認するため、当該部分を書き起こしました。
津田大介氏ラジオ「JAM THE WORLD」発言の書き起こし
![f:id:digimaga:20180628133412p:plain](https://assets.st-note.com/img/1702447121-6LpJNciotL.png)
(前略)
さまざまな憶測が飛び交ったんですが、そのなかでだいたいやっぱり22時過ぎくらいですかね。
そのなかであったのが、じつはこれ、『はてなダイアリー』、Hagexさんが(ブログを*1)開設していたはてなっていうウェブサービス、ブログサービスがあるんですけども、そこに掲示板のように匿名で投稿できるサービスがあるんですね。
増田って言われている『はてな匿名ダイアリー』ってのがあって。そのサービスのなかに、どうやらこれ犯行声明らしきものが書かれていたっていうことで。その犯行声明に書かれていたこととかの、今回の事件の時系列がほぼ一致しているということで、かなり本物に近いのではないかということが浮上してきて。
そして結果としてはこういう、さっきニュースでもありましたけども、ネット上でのトラブル、かなりこの被害者の方がブログでこの加害者の人を、誰かわからない状態でいじるというか、それに対して揶揄(やゆ)するようなことをやって ネット用語では「煽る」ですね。煽るようなことをやっていて、それによって逆恨みされて。
結果として実際この今回の犯人とみられるひとが、この書き込みなんかを事実だとするならばかなりサービスの運営者、はてなからですね。いろいろな荒らし行為を繰り返していて、それによってアカウントが連続で停止されてたんですね。
しかもそれ(通報)を行っているのがこのブロガー、被害者のブロガーの人だったんじゃないかということで逆恨みしてこのような犯行にいたった可能性があるので。
これはだから本当にちょっとネットの言論でその口論というのがきっかけで実際の殺人までいたるというのは、しかもこれ著名なブロガーがっていうことでいうと、おそらくこれ日本でははじめてのケースになると思うんですよね。なので、そういったこともふくめて、すごくこれからの言論、ネットでの言論状況にすごく大きな暗い影を投げかける事件だなと思いますし。
(後略)
2018/06/25/月 19:00-21:00 | JAM THE WORLD | J-WAVE | radiko.jpより。1時間8分あたりから10分あたりまで。
※強調部分は筆者編集。えー、あのー、まあなども編集により削除。
当該部分を聞いたかぎりでは「言っていた」ということで良いと思います。
Hagexさんは加害者と口論していない
この被害者と加害者のネットのトラブル、ボク自身が引っかかっているというか「そこは違う」と思っているのは、被害者と加害者のあいだでやりとりがあった。口論がきっかけになった、という部分なんですね。
Hagexさんが加害者に対して触れていて、かつ犯行声明でも触れられていた記事は「低能先生に対するはてなの対応が迅速でビックリ」です。
でもこれ、Hagexさんは加害者の方を向いていません。
やりとりにしても口論にしても当事者同士で行われるものだとボクは思うのですが、加害者が一方的にHagexさんを攻撃するも、Hagexさんは加害者当人を相手にしてないんですね。ブログの読者にしか目を向けてない。
多くの報道でこれを「やりとり」、「口論」と書かれ、「2人だけの(個人的な)トラブル」だと伝えられていることに違和感があります。
事件の部分だけを見ればHagexさんは荒らし行為にあっていた被害者でしかなく、加害者を揶揄したり煽ったりしていません。
Hagexさんの記事の最後にある「株式会社はてなは、低能先生に対して「威力業務妨害」で訴えるべき」の一文が、Hagexさんが加害者の方を向いてないことをよく表しています。
津田大介氏からラジオでの発言内容についての説明
津田大介氏からラジオでの発言内容についての説明があったため、掲載します。本人掲載許可済みです(6月28日19時39分追記)。
「口論」は広い意味でのコミュニケーション一般について指しているので……。僕はこのエントリが印象に残ってるので、「揶揄してる」し「煽ってる」と表現したんですよね……。このエントリでわざわざ加害者へのDIS入れる必要ないですよね。@digimaga https://t.co/UCzgFRxCAi https://t.co/fX4zCrLvL6
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
生放送という一発本番かつ限られた時間の中でコメントする時、隅々まで配慮が行き届かないこともあるので強くは主張しませんが、当該エントリを見ると印象変わる人は多いんじゃないでしょうか。増田とhagexブログ全部読み直した上で、この件はとても説明が難しい事件だと思いました。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
ある意味では言論に対するテロであるし、ある意味ではネオ麦茶の事件とも対比できるし、ある意味ではロスジェネ世代の問題でもあるし、ある意味ではプラットフォーム事業者が規約違反行為を繰り返す利用者――荒らしにどう対処すべきかという問題でもあるし、情報発信における匿名実名論も含まれる。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
全貌がまだ見えない状況かつ5分という限られた時間(しかも生放送)でそれらすべてに触れることは不可能であるため、初めてこの問題を聞く人に補助線を引くため、ネットが増幅したコミュニケーションの齟齬と、今後に与える影響にフォーカスしてあの発言になったということです。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
そのエントリはボクも確認しています。ただそれはイケダハヤト氏への煽りですし、低能先生に向けられたものでないと考えます。仮にそれが低能先生への煽りだったとしても、今回の事例で「被害者が加害者を煽っていた」と死者に責任があるかのような報道をすることはボクは受け入れられません。 https://t.co/2kTrlRYtcM
— 篠原修司 (@digimaga) June 28, 2018
もちろん僕は被害者に責任があるとは思っていませんし、そう受け取る人が一定数いるならば僕の表現力が稚拙だったということでしょう。とはいえ、ネットで彼らが「出会」わなければこのような惨事はなかったでしょうし、ネットとリアルの距離を考える上で転換点になりうる事件ではあると思います。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
この一連のツイートについて津田さんからの説明として当該エントリに掲載したいのですが、それは問題ないでしょうか? — 篠原修司@福岡のフリーライター (@digimaga) 2018年6月28日
問題ないです。hagexさんの名誉を毀損する意図はなかったですが、言葉足らずになっていることについては否定しません(受け取る側の問題ですし、自分の表現力の問題でもあるでしょう)。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
来週の放送回で訂正予定
被害者に責任がないと思っているのであれば、できれば次の放送回で訂正を報じてくれることをボクは期待します。ボクからはそれだけです。不必要な外野の煽りを発生させていることについては申し訳なく思っています(とは言え情報の訂正は必要なので記事の非公開対応はできないのですが) — 篠原修司@福岡のフリーライター (@digimaga) 2018年6月28日
「おちょくられた」には同意しますが、だとしても「被害者は加害者とネット口論をした」とはとても言えません。
— ǝunsʇo ıɯnɟɐsɐɯ / メタバース炎上対策専門家 (@otsune) June 28, 2018
そしてここが重要でこだわっているポイントです。hagexが気をつけたのはその点だからです。
「正確に言うと揶揄で、口論ではなかった」とラジオの発言について訂正してくれませんか?
@digimaga 了解です。次回のラジオの冒頭で触れようと思います。
— 津田大介 (@tsuda) June 28, 2018
Hagexさん殺害事件について
以下の記事で情報をまとめています。
*1:話し言葉による読み間違いが起きていたので補足を入れました
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