ある雨の昼、私は“正しさ”で人を殴った
コンビニで傘を盗まれた。
スーパーへ買い出しに行った帰り途、ちょっとおやつでも買い食いしようと思って寄ったコンビニで、店を出たら私の傘が忽然と消えていた。あたりを見回したが人はおらず。傘立てに数多挿さっているズタボロのビニール傘を盗むという考えも頭を掠めたが、さすがに良心が痛み、やめた。
傘はそんなに高いものではなかったし雨も小降りだったが無性に腹が立ち、イライラしながら家路を急いだ。
通りの角を曲がると、見覚えのある傘をさした老人が、とぼとぼと歩いていたら。傘の傷み具合も見