2020年度第2回デジラボ:初めてのRevit ーRhinocerosとの連携ー
はじめに
北九大藤田研究室のM1西江太成です。今回はRevitの使い方を、Rhinocerosと連携しながら初心者向けに紹介したいと思います。
Revitの紹介
Revitがどういうものか、というのは多くのネット記事ですでに書かれていますが、ここでも簡単に紹介をさせてください。
近年、BIM(Building Imformation Modeling)が急速に普及しています。BIMとは、設計から施工・維持管理までの建築ライフサイクル全体の作業効率を上げるために、3次元モデルに様々な情報(コストや仕上げなど)を付加し、各工程でその情報を活用するシステムのことです。そこで、今回はAutodesk社が販売・提供するBIMソフトがRevitの特徴を大きく3つに分けて、以下に示します。
1. 平面・立面・断面・3Dモデルが連携している
Revitでは平面図を作図するときに属性を選択して描きます。たとえば、平面図に壁を描くとします。壁を描くときに高さなどの情報を入力する必要があります。このようにして情報を入力しながら平面図を作図していくと、立面図や3Dモデルなどが自動的につくられます。このときのメリットとして、平面図に変更を加えれば立面図や3Dモデルもその変更が反映されます。VectorworksやJW-CADといった2DのCADを使うことが学生は多いと思いますが、このRevitの機能はうれしいと思います。
2. 複数のユーザーが1つのモデルに対して作業可能
この特徴は実務で非常に活躍する機能です。意匠設計・構造設計・設備設計・施工管理などで図面に必要になってくる情報は異なります。しかし、Revitではレイヤ分けをして、それぞれの図面を1つのファイルとすることが可能です。たとえば、紐づけされた情報をあるユーザーが更新をすると、軸となる設計図も更新されます。このような機能を実務で利用することで作業効率は格段に上がるようです。そのため、RevitでなくともBIMを活用して設計を行う企業や事務所が増加しています。
3. 視える化が簡単にできる
1. で述べた特徴とも関連するのですが、図面の描画を進めていくと同時に、3DモデルもRevitでは作られていきます。そのため、パースが苦手な学生もレンダリングを行えば、空間のコンセプトなどを簡単に表現することができます。
1. と3. の特徴は学生の設計課題を進める上で大きなメリットだと思います。また2. の特徴でも触れていますが、BIMは設計だけでなく現場でも使われるようになってきています。そのため、将来は意匠・構造・設備設計を考えている人だけでなく、施工管理を考えている人もBIMを学ぶ第1歩としてRevitを勉強してみてはいかがでしょうか。
学生は無料で使えるRevit
Revitは学生向けに無償で提供されており、以下のリンクからダウンロードすることができます。Autodeskのアカウントを持っていなければ、新たに作成してサインインする必要があります。アカウント作成時の登録するメールアドレスは学校のもの(「ac.jp」で終わるメールアドレス)をオススメします。アカウントの作成やRevitのインストールは画面の指示に従って行えば(インストールに時間はかかりますが)特に問題なく終わると思います。
Rhinoceros to Revit
以下に、今回の練習用に作成したドミノシステムのモデルをアップロードしていますのでそちらをダウンロードしてください。今回はこのモデルをRevitに取り込み、モデリングまで行います。
まずはRhinocerosのモデルをRevitに取り込みます。この作業は非常に簡単です。以下に、RhinocerosのモデルをRevit取り込むまでの手順を示します。
①Revitを起動し、プロジェクトの新規作成をクリックします。「テンプレートファイル」は「建築テンプレート」を、「新規作成」は「プロジェクト」を選択して「OK」をクリックしてください。
②「挿入」タブ-「読み込み」パネル-「CAD読み込み」をクリックします。「ファイルの種類」で「Rhinoファイル(*.3dm)」を選択し、上記のファイルを開きます。
③「プロジェクトブラウザ」の「ビュー」-「3Dビュー」-「3D」をダブルクリックします。Rhinocerosのモデルが正しく取り込まれたか確認してください。
モデリング
前項でRhinocerosのモデルをRevitに取り込みました。ただし、この状態ではRhinocerosのモデルの形がRevitに表示されているだけで、柱や床、天井などの情報を持っていません。モデルをクリックすると、柱や天井などすべてが選択されると思います。ここでは、Rhinocerosから取り込んだモデルを用いてRevitでモデルを作成していきます。その過程でRevitの基本的なことを学んでいこうと思います。以下に、RevitにおけるRhinocerosのモデルを用いたモデリングの手順を簡単に示します。
①レベル、通り芯の作成
②基礎の作成
③柱の作成
④床の作成
⑤屋根の作成
⑥階段の作成
⑦寸法の作成
⑧地面(敷地)の作成
⑨レンダリング
⑩シート作成
詳細は下記の動画を見ながら進めてみてください。
終わりに
今回はRevitの基本的な操作の仕方を、Rhinocerosのモデルを使って説明しました。AutodeskのホームページにもRevitのチュートリアルがあるのでそちらもぜひご覧ください(以下のリンク参照)。私は構造系の研究室なので、これからは構造に関連付けたRevitの使い方をアップロードできるよう頑張ります。