広く意見を集めたいという考えがまずい理由
企業、組織などでよく
「みんなから意見を吸い上げよう」
「広く考えを聞いたらいい意見が出るかもしれない」
などという考えで意見を集めて、上司や担当チームがその上で決める。
というケースを見かける場合がある。
はっきり言って
「最悪」
だ。
聴く方は、「全員の意見を聞いた」といい事をした気持ちになっているのかも知れないし、「3人寄れば文殊の知恵」的により良いアイデアが出るかもという期待を込めているのだろう。
しかし、少し考えれば分かりそうなものだ。
広く意見を求めるという事は、「聞いた意見のうち殆どの意見は採用しない」という事だ。1回、2回なら良いかもしれないが、これが何回も続けば大抵の人は「どうせ採用されないし、もういいや」とモチベーションを下げることになるか、形だけ当り障りのない適当な意見を上げて済ますだろう。
またいいアイデアが出るかもと考えている時点で、その人の中でぼんやりとした考えがあるのだ。そういった場合、そのぼんやりとした考えと違う考えがでてきても「いいアイデアだ」とはならないものだ。結局自分の責任から逃れているか、自分がいい考えを纏められないから他人にそれを押し付けているだけなのだ。
アイデアを求めるなら採用する覚悟が必要
自分でアイデアの基を考えてから、他の人に聞いて新しい枝葉を得るいわゆる壁打ちやブラッシュアップの様なものなら良い。
そうでなく、0ベースで他人にアイデアを求めるからには、何かしらのインセンティブが必要であるし、そのアイデアは何かしらの形で採用・実行されるべきだろう。
「人には聞くが、採用するかはこちらが全て決める」
という行為は民主的であるようで、実はかなり乱暴なやり方だという理解が必要だ。
軽い気持ちで実施しているなら、すぐにでも止めた方がいいだろう