デジタル田園タウン研究会_第12回(20230721)
デジタル田園タウン研究会(第12回)を開催しました。
当日の研究会の概要をご紹介いたします。
概要
日時: 2023年8月24日(木)16:00~17:30
参加:デジタル田園タウン研究会メンバー
テーマ:ベンチャー企業とともにまちを作る(アクセラレータープログラムの事例から)
講師:冬野健司氏(日本MITベンチャーフォーラム理事、オフィス冬野代表)
各地域のスタートアップ連携の現状と課題認識
矢吹町: 矢吹町では現在、スタートアップとの連携を積極的に進めており、コミュニケーションを重視した取組を行っています。しかし、行政職員のビジネス視点の不足や人事異動による継続性の欠如が課題となっています。
狛江市: 自治体におけるシステム運用は大手ベンダーに依存しており、新しい技術の導入が難しい状況です。スタートアップとの連携を進めるためには、担当者の継続性と新しい技術への理解が必要です。
金子氏(塩尻市): 国の資金を有効に活用し、長期的な視点での投資が重要です。スタートアップとの連携を通じて地域のDXを推進し、持続可能なサービスを提供するための知見を得ることが求められます。
講演
自己紹介とこれまでの活動
初めまして、冬野健司です。私は1985年にNTTに入社し、ニューメディアやマルチメディアの新しい事業づくりに従事してきました。特に、ベンチャー企業への投資やインターネット専業銀行の設立など、ハンズオンで事業を共に作り上げる経験を積んできました。
2005年からは、日本MITベンチャーフォーラムにてベンチャー支援活動を行い、多くのベンチャー企業をメンタリングしてきました。現在は、田辺さんたちと共に「生涯活躍の町ビジネスプランコンテスト」を主催し、地域課題を解決するための支援を行っています。
ベンチャー企業との連携の重要性
地方創生やデジタル田園都市構想の中で、なぜベンチャー企業が重要なのかについてお話しします。ベンチャー企業は、新しい技術やサービスを開発し、従来の課題を解決する力を持っています。また、彼らのイノベーティブな考え方やアントレプレナーシップは、地域経済の活性化に大いに貢献します。
特に、自治体が持つ予算や資源を超えて、地域住民と共にまちづくりに取り組む姿勢は、ベンチャー企業の大きな強みです。ベンチャー企業との連携は、自治体が直面する複雑な課題に対して、新しい視点や解決策を提供する可能性があります。
アクセラレータープログラムの紹介
具体的な事例として、山梨県都留市で実施している「生涯活躍の町ビジネスプランコンテスト」を紹介します。このプログラムは、地域課題を解決するために、市民とベンチャー企業が連携し、専門のメンターが支援する仕組みです。
このコンテストでは、地域内外から募集したベンチャー企業に対して、メンタリングや資金提供を行い、地域課題に即したビジネスプランの実現をサポートしています。これにより、地域住民もベンチャー企業の活動を理解し、応援することができるようになります。
ベンチャー企業との付き合い方
最後に、ベンチャー企業との付き合い方についてお話しします。重要なのは、ベンチャー企業の成長ステージに応じて、適切な支援を行うことです。例えば、シードステージの企業には、自由度の高い支援が必要であり、プロトタイプを磨くための環境を提供することが求められます。
また、メンターやコミュニケーターの役割も非常に重要です。彼らは、ベンチャー企業と地域の橋渡しとして、コミュニケーションを円滑にし、地域のリソースを活用するためのサポートを行います。このように、ベンチャー企業と地域が互いに理解し合い、共に成長する関係を築くことが、成功の鍵となります。
質疑応答
質問: ビジコンの枠組みを使って実際に事業を行う際、都留市内の事業者や住民との関わりについて教えてください。
回答(冬野氏): イベントや事業ごとに濃淡はありますが、市民も積極的に関わっています。例えば、買い物困難者への支援では、高齢者や店舗の方々へのインタビューを行い、地域の声を取り入れています。
質問: 自治体がスタートアップ支援を行う際、首長の理解と予算の確保が重要ですが、具体的な成功例や課題はありますか?
回答(冬野氏): 都留市では、最初は予算がありませんでしたが、商工部長や市長の協力を得て予算を確保しました。重要なのは、市民と行政が一体となって取り組む姿勢です。
質問: 地域のスタートアップ活性化について、自治体の本気度や予算の確保方法について教えてください。
回答(冬野氏): 自治体が単独で予算を確保するのは難しいですが、補助金や民間企業との連携を活用しています。地域のスタートアップを支援するためには、官民連携の体制を整えることが重要です。
以上
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