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録音分析で、ジャズ奏者は独自の「ボキャブラリー」を持つことを確認。

orbes JAPANは2023年01月22日に、米国のForbesは2022年11月21日に、米国のジャズピアニストのケビン・ベールズ(Kevin Bales)は5カ月間にわたり、自身がコンサートで行った11回の演奏を全て録音した。ただその目的はアルバム制作ではなく、ジャズのアドリブに関する科学的研究だった。

米国とデンマークの共同研究チームは、ベールズの演奏を他のジャズピアニストと比較した結果。

多くのミュージシャンがアドリブ時に非常に似通ったパターンを使用しているものの、それぞれが音楽表現で独自の「ボキャブラリー(語彙)」を持っていることを確認した。

ジャズミュージシャンはアドリブをする際、「リック(licks)」と呼ばれるさまざまなフレーズを使用する。
「リック」は記憶できるもので、ジャズ演奏の習得の際には指導役がその例をいくつか演奏してみせることが多い。

ただ、熟練のジャズミュージシャンはこうした標準的な「リック」を組み合わせる以上のことをしているようだ。
その際に何が起きているのかは、音楽研究者の関心を集めてきた。ジャズミュージシャンは、選ぶべき音についての直感的な法則を習得するのだろうか? それとも、各自が独自の「リック」の引き出しを増やしているのだろうか?

この問いへの答えを突き止めるべく、米国のジョージア州立大学のマーティン・ノーガード(Martin Norgaard from Georgia State University)はデンマーク・オーフス大学(Aarhus, Denmark)の研究者と共同で研究を行い、その結果を科学誌コグニション(journal Cognition)に発表した。

研究チームは、ベールズがMIDI形式で残した録音を、5音ごとのパターンに細分化してコンピューターで分析。どの「リック」が演奏を通じて繰り返されたかを調べた。

抽出されたパターンを他のミュージシャンのものと比較した結果、ベールズの「リック」のタイミングや強さは演奏時いつも一定だったものの、他のミュージシャンらが使う類似の「リック」とは聞こえ方が異なることを発見した。
これは、「リック」が毎回確実に同じように聞こえるようにする独自の方法を各ミュージシャンが持っていることを示唆している。つまり、ミュージシャンは独自の音楽的なボキャブラリーを作り上げていたことが分かった。

マーティン・ノーガードは「熟練したジャズミュージシャンは音と運動表象、つまり『リック」の音と、それをどう演奏するかの情報を脳内に保管している。」と説明した。

マーティン・ノーガードは、「私自身もジャズバイオリン奏者として、アドリブ中に演奏したい『リック」の音と、それをどう演奏するかの情報を脳内に保管している。」と説明した。

聞こえるものの、運動表象が完全ではないため、その「リック」をうまく演奏できないことが多い。今回の研究結果からは、スキルを磨くことでこれが減るはずであることも示された。」と述べている。

録音分析で、ジャズ奏者は独自の「ボキャブラリー」を持つことを確認。

https://www.youtube.com/watch?v=SZh-cUxBUQs

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