航空貨物が、輸送機関のCO2排出量を押し上げる。
ドイツのインフォグラフィクスを紹介しているハンブルク(Stadt Hamburg)にあるStatista GmbHのデータ・ジャーナリスト(data Journalist)のフローリアン・ツァント(Florian Zandt)の報告として2022年04月05日に、特定のセグメントにおけるCO2削減には成功したものの、ドイツ鉄道グループの航空貨物部門(Luftfrachtbereich)における温室効果ガス排出量は2021年に710万トンと過去最高となり、これもコロナ・パンデミック前のレベルを大幅に上回った。
これは、2022年03月31日に発表された物流会社の年次報告書によるものである。
航空業界は、自慢する前に反省点の方が多い。
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このグラフが示すように、一般的に貨物輸送は最も大きなCO2汚染要因の一つである。
航空貨物部門に次いで多いのが道路貨物輸送(Straßengüterverkehr)で、約320万トンのCO2を排出している。
この事業セグメントの排出量は、パンデミック年である2020年の比較で最も急激に減少した。
一方、固定施設、鉄道貨物(Schienengüter)、バス輸送(Busverkehr)は、コロナ・パンデミック以前でも、それぞれ200万トン以下のCO2排出量であり、ほとんど意味がない。
長距離旅客鉄道輸送において、ドイツ鉄道はグリーン電力への完全切り替えにより、すでに2018年から年間約4万キログラムのCO2排出量を削減し、輝かしい成果を上げている。
航空貨物部門(Luftfrachtsegment)の排出量が4億トン増加したことで排出量が急増したにもかかわらず、ドイツ鉄道全体では2021年のCO2排出量は約1850万トンと、直近ではコロナ・パンデミック前の排出量2000万トンを下回っている。年次報告書によると、全排出量の65%はDBシェンカーとDBカーゴの下請け企業に起因するもので、2020年と比較して約5%増加している。 連邦環境庁のデータ(Daten des Umweltbundesamts)によると、2020年のドイツにおける輸送部門はエネルギー部門、産業部門に次いで3番目に大きなCO2排出量で、1億5000万トンに達している。
日本のJRもさらなる努力が必要である。