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中国のロケット科学者、ICBMの老朽化が予想よりはるかに早いことを発見

香港の英字新聞「SCMP(South China Morning Post/サウス・チャイナ・モーニング・ポスト/南华早报/南華早報)」の北京駐在ステファン・チェニン(Stephen Chenin Beijing)は2024年12月07日に、中国のロケット科学者は、ICBMの老朽化が予想よりはるかに早いことを発見した。
ミサイル燃料の保存期間に関する新たな研究によると、数百基の大陸間弾道ミサイルが使用不能になる可能性があると報告した。

つまり、中国の数百基の大陸間弾道ミサイルは飾りで、脅し用であるが、いざとなると使い物にならなくなっている可能性がある。

中国の研究によると、弾道ミサイルに使用される固体燃料は、これまで考えられていたほど長期間保管できない可能性があり、「これが近年頻発している点火および発射試験の失敗の根本的な原因の1つである可能性がある」と示唆している。

中国のロケット科学者による研究で、ICBM(intercontinental ballistic missiles/大陸間弾道ミサイル)に使用されている固体燃料に関する微妙だが重大な問題が明らかになった。これは、近年一部の核保有国で頻発している打ち上げ失敗を説明する可能性がある。
通常の保管条件下では、一般的なミサイル燃料は160年以上安定しているように見える。しかし、西安の固体ロケット推進国家重点実験室(National Key Laboratory of Solid Rocket Propulsion in Xian)で行われたテストでは、30年以内に燃料柱にかなりの変化(occur in the fuel columns within 30 years)が生じ、飛行中の負荷に耐えられなくなる可能性があることが判明した。

「これが近年の頻繁な点火と試験打ち上げの失敗の根本的な原因の1つである可能性がある」と、シニアエンジニアの秦鵬珠(senior engineer Qin Pengju)が率いるプロジェクトチームは、11月25日に中国推進技術ジャーナル(November 25 in the Chinese Journal of Propulsion Technology)に掲載された査読付き論文に記した。

2023年11月、ボーイング社製のミニットマンIII ICBM(Minuteman III ICBM)が飛行中に異常を経験し、自爆した。わずか2か月後、同じく米国製で英国海軍の潜水艦から発射されたトライデントIIミサイル(Trident II missile)も同様の運命をたどった。

ボーイング社製のミニットマンIII ICBM(Minuteman III ICBM)
トライデントIIミサイル(Trident II missile)

両タイプのミサイルは米国とその同盟国の核抑止力の重要な部分である。400基以上のミニットマンIIIミサイルが運用されている。これらは1970年代に製造されたが、トライデントIIは30年近く運用されている。研究で、秦鵬珠と彼の同僚は、これらのミサイルで一般的に使用されている固体推進剤に焦点を当てた。これは主に過塩素酸アンモニウム、アルミニウム粉末、HTPBバインダーで構成される。

科学者たちは燃料を最大1年間、高温で加速老化処理し、老化した推進剤は通常の保管中は安定しているように見えたが、高圧下に置かれると、新しい燃料に比べて大幅に脆くなることを発見した。

つまり、米国やイギリスのミサイルを使った核戦争は、自国を破壊する可能性が高い。

https://www.scmp.com/news/china/science/article/3289504/chinese-rocket-scientists-find-icbms-age-much-faster-they-thought
https://www.thedefensenews.com/news-details/Chinese-Scientists-Warn-ICBMs-Age-Faster-Than-Expected-Raising-Global-Nuclear-Concerns/

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