米国の経済信頼感は党派の見解の変化により低下
米国の世論調査会社ギャラップ(Gallup)のリー・クリアー・エヴァンス(Mary Claire Evans)は2025年01月28日に、大統領交代中に共和党の信頼は向上したが、民主党の信頼は悪化した。
ギャラップの2025年01月のECI(Economic Confidence Index/経済信頼感指数)は-19で、12月の-14からわずかに下がったが、選挙直前の-26からは改善した。
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最新の結果は、ジョー・バイデン(Joe Biden)からドナルド・トランプ( Donald Trump)への大統領移行期間中に実施された、2025年01月02日から15日までのギャラップ世論調査によるものである。この間、トランプはインフレ対策から関税の導入や減税まで、経済改革を約束していた。
ギャラップの経済信頼感指数は、現在の経済状況に対するアメリカ人の評価(非常に良い、良い、まあまあ、悪い)と経済の見通し(良くなっていると思うか、悪くなっていると思うか)をまとめたものである。
この指数の理論的な範囲は、+100(アメリカ人全員が現在の状況を非常に良い、良いと評価し、経済は良くなっていると答えた場合)から-100(アメリカ人全員が経済が悪いと評価し、経済は悪化していると答えた場合)である。ギャラップの1992年以降のこれらの指標の傾向では、ECIスコアの最高値は2000年01月の+56、最低値は2008年10月の-72です。
政権移行中に共和党と民主党の信頼感が入れ替わる(Republicans and Democrats Swap Confidence Amid Transition)
よくあることですが、政党グループ間で経済の評価は大きく異なり、大統領の政党の支持者は反対党の支持者よりもはるかに肯定的に評価しています。これらの変化は、大統領移行期間中にすでに進行していました。
https://news.gallup.com/poll/654650/americans-ratings-biden-tepid-steady.aspx
選挙以来、民主党の指数スコアは30ポイント低下しましたが、共和党のスコアは同じだけ向上し、無党派のスコアは約半分の16ポイント向上しました。現在、民主党の指数スコアは+7、共和党は-42、無党派は-18です。
最近の変化は、トランプからバイデンへの移行中に起こったことと似ています。バイデンが2021年に就任した後、民主党は共和党よりも経済に自信を持つようになりました。
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現在の経済状況の評価は安定(Evaluations of Current Economic Conditions Steady)
今月、米国の成人の26%が経済状況を「非常に良い」または「良い」と回答し、33%が「まあまあ」、40%が「悪い」と回答しました。この結果、指数の現在の状況のスコアは3か月連続で-14となり、2024年の平均である-19をわずかに上回りました。現在の状況のスコアが現在よりも良かったのは、2024年3月(-9)が最後でした。
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この指標は選挙以来、より緩やかな党派的変化が見られた。現在、民主党員の45%が経済を「非常に良い」または「良い」と評価しているが、無党派の26%と共和党員の9%も同様に評価している。10月には、これらの数字は民主党員が51%、無党派が22%、共和党員が5%だった。
経済見通しはより大きく変化(Economic Outlook Changing More)
経済の方向性について尋ねられたとき、米国人の34%が状況は良くなっていると答え、57%が悪化していると答えた。経済は良くなっていると答えた米国人は、12月(38%)よりわずかに減少している。
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指数の経済見通しの要素は現在 -23 で、見通しの要素が前月より低くなったのは 2024 年 7 月以来初めてです。
選挙以来、米国人の経済見通しは、指数の現在の経済状況の要素よりも大きな変動を見せています。経済の方向性に対する楽観度の低下は、民主党員の間で見られます (42% が改善していると回答、10 月から 24 ポイント低下)。しかし、無党派 (33%、6 ポイント上昇) や共和党員 (28%、20 ポイント上昇) ではそうではありません。
経済、インフレが「最も重要な問題」として政府より低い(Mentions of Economy, Inflation as “Most Important Problem” Below Government)
米国人が国が直面している最も重要な問題として挙げる場合、一般的な意味での経済 (14%) やインフレ (12%) などの経済上の懸念は上位にランクされていますが、どちらも政府 (23%) に大きく後れを取っています。
「政府」は、10 月の選挙前の世論調査で米国の成人の 17% が言及して以来、最も重要な問題として上昇しています。対照的に、経済全般(10 月の 21% から減少)と移民(21% から 13% に減少)を主な問題として挙げるアメリカ人は減少しています。インフレに関する言及は、10 月の 14% からほとんど変わっていません。
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アメリカ人の最も重要な問題に対する認識にも党派的な傾向があり、共和党員の 18% が経済を挙げているのに対し、無党派層では 13%、民主党員では 10% が同じことを言っている。一方、政府を挙げた民主党員は 35% だが、共和党員 (21%) と無党派層 (16%) でははるかに少ない。
選挙以来最も大きな変化は、経済と移民が最も重要な問題であると答えた共和党員が減り、政府が最も重要な問題であると答えた民主党員が増えたことだ。
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*質の高い雇用見通しは安定(Quality Job Outlook Steady)
ギャラップの雇用市場の定期評価によると、アメリカ人の48%が今は質の高い仕事を見つけるのに良い時期だと答え、45%が悪い時期だと答えています。
今月の「良い時期」の割合は、10月の前回の測定から4ポイント上昇しており、2023年1月以来、前回の評価から改善を示した初めての数値です。これは、米国労働統計局の2024年12月の報告書に続くもので、米国の雇用は増加し、失業率は2024年10月と同じ4.1%でほとんど変化がないことがわかりました。
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民主党員の52%と無党派層の51%が仕事を見つけるのに「良い時期」だと考えている一方で、共和党員の43%も同じ意見です。今月10月からの増加は、共和党員と無党派層の楽観的な見方の高まりが主な要因です。
結論
ギャラップの経済信頼感指数は、2024年の選挙以来、経済が改善していると認識する共和党員が増えたことが主な要因で、マイナス幅が縮小している。12月より1月が下がったのは、主に民主党員の将来見通しがマイナスになったためだ。
https://news.gallup.com/poll/653786/postelection-economic-confidence-biden-ratings-down.aspx
全体的に、アメリカ人は選挙前よりも経済を国の最大の問題として挙げる傾向が低く、雇用市場に対する信頼感は当時よりもわずかに高まっている。
経済、雇用、貿易はトランプ氏の政策の主要部分である。トランプ氏が大統領に就任した今、共和党員の経済に対する認識、特に現状の評価は改善し続ける可能性が高いが、民主党員の認識は悪化する可能性が高い。これらの変化が経済の全体的な評価にプラスかマイナスかをもたらすかどうかはまだわかりませんが、今後数か月間の経済成長、失業率、インフレ率の動向によって大きく左右されるでしょう。
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https://news.gallup.com/file/poll/655922/2025_01_02 Mood of Nation Topline_ECI Update PDF.pdf
https://news.gallup.com/poll/655859/economic-confidence-ticks-down-partisans-views-shift.aspx