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なぜ電子書籍を使って新しい出版プラットフォームを作るのか

本記事は、株式会社金風舎が発行する「次世代の教科書」メールマガジンを転載しています。メルマガ購読はこちらから!

次世代の教科書」は、本の企画制作会社のデジカル出版社の金風舎が共同で手掛ける出版事業ならびに商品・サービスの総称です。


なぜ電子書籍を使って新しい出版プラットフォームを作るのか

先週「ついに逆転、49.7%対50.3%…リアル書店とインターネット経由の出版物の売上動向(最新)」といった記事をネットニュースで見つけました。


記事によると、2022年度の調査でインターネット経由の出版物(Amazonなどのネット書店で購入された紙の出版物や電子出版物)の購買額が、実店舗書店やコンビニでの出版物の購買額をはじめて逆転したとのことでした。 インターネット経由の出版物販売が右肩上がりで漸増していることは、以前より編集部でも認識していたため、逆転については大きな驚きはありませんが、記事中の対前年度比の増減率の推移に興味を持ちました。

新型コロナウィルスの影響で、2020年度はリアル書店の売上が伸びたときに、インターネット経由の売上は対前年比の3倍以上もの伸び率だったこと。そして21年度からリアル書店の販売額は再び減少に転じ、22年度ついに逆転に至るという経緯です。

編集部では、この先もリアル書店は残っていくとものと考えていますが、販売の中心はネット書店になっていくことを考えたときに、電子書籍を中心とした書籍出版をネットメディアとして展開していくような出版プラットフォームが必要になってくると考えています。 「次世代の教科書」は、Webで簡単に読める次世代の読書スタイルを追究していきます。

既刊本紹介

みつまる『「推し活疲れ」脱出記』

ミニマリズム、ミニマリストと言うと「なんでも手放す」「持ち物が少ない」といった側面ばかり注目されがちですが、一つ一つのものと向き合って必要、不要を判断することは自分の生活や価値観、人生と向き合うことにつながります。

「第四章 「推し活」の沼から抜け出せない人へ ──ミニマリズムからのすすめ」

みつまるさんは「ミニマリスト」という生き方をされています。そのきっかけとなったのは、長いことハマっていた「推し活」への疲労でした。ある人気グループを熱烈に推し、グッズを買い続け、四六時中あらゆる情報を集め続けていたみつまるさん。もちろん、その行動には推しへの純粋な愛もありましたが、同時に「ファンとしてあるべき姿を完璧にこなさなくてはいけない」という義務感や、もともとの「他人からの目を気にしすぎる性格」からでもあり、楽しかったはずの「推し活」をしんどいと感じるようになってしまったのだと言います。

そんなとき、もともと関心のあったミニマリズムを推し活に取り入れてみました。出来ることは全てやっていた「推し活」から、本当にやりたいと思うことだけやるようにして、本当に欲しいグッズだけ買うようにしたのです。ミニマリズムの実践とは、決してなんでもかんでも手放していけば良いというわけではありません。「これは、今の自分に必要なものなのだろうか?」と問い続け、必要なものだけを残していくというのがミニマリストの生き方なのです。ものを減らすこと、少ないものに囲まれることが重要なのではなく、本当に必要なもの、本当に自分が好きなものを見極めることが重要なのです。

「推し活」と「ミニマリズム」は決して遠いものではなく、むしろ「好き」が中心に据えられた親和性のある営みと言えます。

「オタク=収集癖のある人」というイメージと、「ミニマリスト=持ち物が少ない人」というイメージが真っ向からぶつかり合っているからなのですが、個人的には、このイメージは両方ともある意味では間違いだと思っています。

「第三章 「オタク的ミニマリズム実践論」より抜粋

みつまるさんは「ミニマリズム」を自分の生活に取り入れたことで、他人にどう見られるかではなく、自分がどうしたいのかを考える自分軸の生き方を選ぶことができるようになりました。「推し活」とは縁のない人であっても、誰にとっても参考になる生き方なのではないでしょうか。

「次世代の教科書」シリーズ

過去の枠組みに囚われず、「当たり前」を新しく刷新していくことが求められています。そのために、情報が豊富に入手できる現代だからこそ、読書を通じて一つのテーマに深く取り組み、新しい視点を得る時間が重要になってくるでしょう。「次世代の教科書」が提供するのは、そうした「当たり前」を変える契機となるような読書体験です。

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🌟 「問い」から始める講義ノート集「次世代の教科書」 🌟

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「次世代の教科書」は、読書体験にとどまらず、読者が主体的に「問い」に向き合う力を育むことを重視しています。各本には編集部が提起した魅力的な「問い」が書影として提示され、学びの深化が期待できます。

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編集後記

「好きなものを好きというためには、それについてのスペシャリストでなくてはならない」というような、みつまるさんがしんどさを感じていた意識はすごく時代的なものだな、と思います。SNSを開けば同じ趣味の人がたくさんの投稿を重ね、誰もが自分の知らない情報や鋭い意見を持っているように見えてしまう。そんな環境では「私はこれが好きだ」という自信は容易に揺らいでしまうでしょう。「私はこれが好きだけど、このひとたちに比べたら全然知識もないし、好きだなんて言う権利があるのかな……」といった思いを抱いてしまうのも致し方ないように感じます。

(「次世代の教科書」編集部 小阿瀬)



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