権力を集中させると、組織はダメになる。
日経新聞、2021年8月12日の社説から、いい示唆が得られた。
1:権力の集中+人事権の掌握=「忖度」という悪しき土壌
2:結果的に、組織にとって都合の悪い情報が集まらなくなる
3:若者は去り、モノ言えぬ組織が残るのみで、いずれ崩壊する
と、いうことが以下、日経の社説に書いてあり、とても説得力がありました。
<社説の抜粋>
激動の時代に対応するには、政府の意思決定を集権化し、スピードアップする必要がある。その担い手は政治が望ましいとされてきた。
意思決定の集権化は、選挙制度を改革して第一党に民意を集約しやすくすると共に、政党内では党首に権限が集中するようにした。政府内でも内閣機能を強化。
その後、内閣人事局を設け、省庁幹部の人事権を首相官邸が握った。これにより行政の要である官邸への集権化が確立したといえる。
問題は、官邸に必要な情報が集まり、適切な政策判断が行われているかだ。
官僚が人事権で脅かされ、好ましくない忖度を迫られるのでは、官邸に都合の良い情報しか集まらない。官僚と政治の適切な役割分担を考え、適度な緊張感のある関係にすべきだ。
政治主導の下では、本来、政権中枢を担う政治家がこれを見極める力量を持つべきであろう。だが、現実は理想から程遠い状況にある。
官僚主導から政治主導への流れが強まるにつれ、時代を担う若者が省庁に行きたがらなくなっているのも問題だ。のびのびとモノを言える組織にしなくては、新たなアイデアは出てこない。