
ユーザの役に立つサービスデスク
現在は多くの組織でサービスデスクの存在が知られるようになっています。
サービスマネジメントにおいては、サービスデスクはユーザサポートの単一窓口として整備することを推奨されています。
しかし、具体的にどのようなサービスデスクを目指すのかについて明確になっておらず、サービスデスクの最適化や改善が進まずに、成熟度が上がっていない状況も多いと思います。
この記事では、単一窓口としてのサービスデスクの目指すべき姿についてまとめます。
サービスデスクの「単一窓口」の意味
サービスデスクはユーザサポートにおける1次サポート・チームという位置付けは広く普及した認識だと思います。これは実装の方向性としては正しいのですが、サービスデスクの業務範囲を比較的簡単なユーザサポートに限定し、その他のユーザサポートをIT組織内の他のチームで受け付けているケースも少なくありません。
しかし、これでは「単一窓口」の役割は果たしていません。
単一窓口にするには、ユーザがサービスを利用する際に困っていること(質問であったりインシデントであったりします)があれば、まずサービスデスクに連絡するようにします。そしてその解決のためにIT内部の他のチームと調整が必要な場合は、サービスデスクがユーザに代わって調整をします。これが、サービスデスクを単一窓口にするという意味です。
ただでさえ困っているユーザが、自分のサポートの調整を自ら行なっている姿を想像してみくてださい。これではユーザ満足度を得るのは難しいでしょう。
ユーザ体験の向上を目指す
サービスデスクが提供するユーザサポートは、サービスプロバイダが提供するサービスの一部としてデザインします。どんなサービスも、ユーザが使う環境や状況に合わせてデザインや改善をする必要があります。これによりユーザがサービスを利用した時に「とても役に立つ」「自分にとって不可欠」と認識するようになります。このようなユーザの認識を「ユーザ体験」と言います。ユーザ体験はユーザがサービスを利用して産み出した価値そのものであり、単なる感想を超えるものです。
大きな組織になると、ユーザ部門の業務も多様になります。サービスデスクを単一窓口にすると、この多様な業務の文脈で様々な問い合わせが入ってくるでしょう。サービスデスクでこれらの対応を一手に引き受けるのは大きな挑戦となります。しかし、ビジネスの実情に沿った迅速な対応を行えるようにサービスデスクが成熟すると、ユーザの業務効率の向上に貢献し、必要不可欠な存在と認識されるようになるでしょう。
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