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#日本昔話
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第八章 (毎週月曜日更新)
【第八章 “決戦の地へ”の巻 】
桃太郎は一人北東の港町に佇んでいました。
宮本武蔵に弟子入りしてから一年が経過し、免許皆伝を得て今、この地にいます。
『桃太郎っ!!!』
振り返るとそこには猿、犬、雉がいました。
『みんなっ!!…三人ともっ!よく無事に帰ってきてくれたなっ!…話を聞くまでもないっ!!みんなかなり腕を上げたなっ!!!!』
桃太郎は興奮気味に言いました。
『おうよっ!?!忍
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第七章 (毎週月曜日更新)
圧倒的な力を持つ鬼を討つべく
“自らの成長”
を胸に、四人はそれぞれの地へ旅立っていきました。
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猿は、世界の七不思議の一つにも数えられる、実在するかも定かではない“忍者の郷”を目指しました。
東南の人里離れた山奥を一ヶ月間彷徨い続けて、とうとう見つける事ができたのでした。
小さな子供から、老人まで、男
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第六章 (毎週月曜日更新)
【第六章 “覚悟”の巻】桃太郎一行はその後、二ヶ月という長い間養生し、英気を養いました。
全員が回復すると、桃太郎は皆に向かって語り始めました。
『…みんな…。とりあえず無事でよかった…。まずは傷が癒えて、またこうして旅ができることは喜ばしいことだ…。…ただ…今のこの状況は、決して楽観視できる状態ではないと思う…。正直あの…青鬼の強大な力は…今の僕たちにとっては、どう転んでも勝てる見込みは、万
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第五章
【第五章 “絶望と挫折”の巻】桃太郎一行は、各地で発生している鬼の悪行を、ひとつひとつ解決しながら旅を続けていました。
そして、少しずつ鬼の情報を得ていく中で、大変重要な事柄を知ることになります。
鬼が住う巣窟…
はるか鬼門の方角に浮かぶ島…
…その名は…
“鬼ヶ島”
桃太郎一行は、今まさに明確な目的地に向けて動き出したのでした。
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【連載小説】新説 桃太郎物語〜第四章
【第四章 “籠の中の鳥”の巻】
むかしむかしあるところに、大きな大きな人間の国がありました。
資源や物資も豊かで、この世界の中でも、一二を争うほどの大きな国として、栄華を極めていました。
この国を治める王は、国民の幸せを第一に考える立派な人物で、国民からの信頼も厚く、王妃は決して前に出ようとはせず、陰ながら王をサポートし、王妃はそれはそれは美しく、教養も兼ね備えるまさに、才色兼備の素敵な女性
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第三章
【第三章 “生きて行く意味”の巻】むかしむかしあるところに、身寄りもなく天涯孤独な半人半犬(半分人間半分犬)がいました。
冷静沈着で身のこなしが速く、鼻と耳がきき、遠くの気配も瞬時に把握する己の特性を生かして、日々生きていく為に、誰とも群れない“盗賊”として生活をしていました。感情というものがないともとれる、目的の為なら多少の犠牲も厭わないやり口ゆえ、周りのものからは“犬”と言う名で恐れられてい
【連載小説】新説 桃太郎物語〜第二章
【第二章 “断固たる決意”の巻】むかしむかしあるところに、半人半猿(半分人間半分猿)が住む村がありました。
真ん中に小高い山のあるこの村は自給自足で生活し、この村の長でもあるボスザルを中心に何不自由無く、幸せに暮らしていました。
しかし、そんな幸せな生活を送っていたボスザルには、一つだけ悩みの種がありました。
それは、自分の後を継いでこの村を治める息子のことです。
ボスザルの息子は、代々、村のも