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ここ最近日本で話題のあのニュースについて理解するために 今こそこの映画を観てみよう

昨年から今年にかけて、日本で話題をよんでいるニュースがあります。

この二人の芸能人についての性暴力についてのニュース。週刊文春に記事が出るまでは、当たり前のようにテレビに出ていた二人です。
各人の出来事についてはそれぞれご存じの方も多いと思うので、ここでは具体的な話は省略致します。
ただ、こういった出来事についてニュースになるたびに、被害にあわれた方の心中を思うと私は本当に胸が痛くなります。そして、「加害側が権力を持つ人間であることがどれほど大変か」ということも考えてしまいます。

目にしたくなくても入ってきてしまうほど日本中の関心が高まってきているこの問題について、映画好きの私が何かできることといったら、これまで鑑賞した作品から「同じような問題を取り上げている作品について、改めて紹介することならできるかな」と思い、このブログを書いてみました。

まずは、

「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」

2022年にアメリカで公開されたこの映画。日本では2023年に公開され、私も劇場に観に行った作品で、現在はNetflix、Amazon Prime Video、Apple TVなどで観ることができます。

ハリウッドで最大級の権力者だった映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインが数々の女性に行った性暴力の告発記事を発表したNew York Timesの二人の女性記者の取材過程に焦点を当てた社会派映画で、主演はキャリー・マリガンとゾーイ・カザン。

私がこの作品について書いたブログはこちら。

まるでドキュメンタリーのように徹底した冷静な描写で、告発記事をまとめていく主演二人のリアリティある演技と、実際の行為そのものは描かずともその行為がどれほど恐ろしいものかを描いた描写、そして加害者を守ってしまう組織や法のシステムがいかに問題かを分かりやすく見せてくれる作品です。

そしてキャリー・マリガンはこの映画の前に主演している作品がありまして。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」

この映画は2020年に公開された作品。日本では2021年に公開されています。
今はU-NEXTなどで観れるようです。

この映画も性暴力を扱った作品で、キャリーは親友の女性が医学生の同級生にレイプされ自殺してしまったことで、同じように性暴力を企む男たちに復讐をしていく女性キャシーを演じています。

この映画について私が書いたブログはこちら。

キャシー自身は被害者ではないですが、親友を失い、どん底の失意から男性に復讐していく姿から痛みが伝わります。性被害についての世間での軽い扱いについても描かれていて、問題の根深さをよく表してる作品です。


「ウーマン・トーキング 私たちの選択」

この映画は2022年にアメリカで公開され、日本では2023年に公開された作品。宗教コミュニティの中で男性からレイプされ沈黙させられ続けた女性たちが、そこからどうするかを話し合う姿を描いた映画です。
今はAmazon Prime Videoで観れるようです。

この映画について私が書いたブログはこちら。

体も心も傷を受けた女性たちが、その悪習を断ち切り、次の世代に向けてどうしていくかを切実に話し合う姿はとても辛い一方で、話し合いの中で女性たちが自分たちでその理不尽さから逃れるために結束し、最後の望みにたどり着くところまで1シーンごとに深く感じさせれ、考えさせられる1本です。

「私のトナカイちゃん」

こちらは映画ではなく、海外ドラマ。Netflixで昨年にリリースされたイギリス制作のドラマです。この作品は特に閲覧注意の内容、かつ被害者は女性ではなく男性ですが、性被害を受けた人間の心の傷、そしてその苦しみから負の方に負の方にと自分を運んでしまう逃れられない闇、それがどれほど苦しみかを非常に生々しく描いた作品で、昨年に多くの話題を呼びました。制作から主演まで務めたリチャード・ガッドの実体験が元になっていると知って驚愕でした。


これらの作品はここ5年で公開されています。たった5年で、かつ私が鑑賞しただけでも4本。毎年のように性被害について新たな視点、新たな表現を持った作品が公開されているんです。でもそこで描かれていることは共通しています。

どれほど酷く被害者が傷つき、苦しみ、そして社会からそのことについて黙殺されているか。

正直、私自身も「もう見返せない」と思うほど辛い作品もありますが、「性暴力の問題、とりわけ被害者の心の傷を知り、その事への理解が深まるように」と願って、紹介しておきたいと思います。

少しでも多くの人に伝わりますように。

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