![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157716482/rectangle_large_type_2_086edf56b0c23b78ab62af3545b5f5c1.png?width=1200)
「1Dって本当にビートルズみたいな存在だったのかな?」One Directionを2024年に改めて聴きこみしてみて思うこと
※2024.10.17 追記※
こんな追記をすることになるとは本当に思ってもみなかったので、とても悲しいです。
本日、メンバーのリアム・ペインが滞在中のアルゼンチンのホテルから転落死したと発表がありました。
本当に残念でなりません。。。
以下のブログはそれ以前に書いたものなので、その事についての内容ではありません。
リアム、どうか安らかに。
そしてご家族や友人、ファンの皆様の辛い思いが少しでも和らぎますように。
先日、あるグループのアルバムをしっかりと聴いてみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157716612/picture_pc_12f80ddc8f64da9dd01bcd7896880433.png?width=1200)
One Direction。日本では1D「ワンダイ」の通称でお馴染みですね。
活動当時の世界中での人気は言わずもがな、日本では洋楽自体の人気が欧米などの国とは全然違うとはいえ、それでもそれなりに人気があって、民放のバラエティ番組にも出演したのを見かけたり「結構人気あった」という印象でした。
彼らは結成が2010年で、活動休止は2016年。
先日にレビューを書きましたolivia Rodrigoのライブを観て、「ロックとポップを繋ぐ存在」の大切さについて、ちょっといろいろと思うところがあって。脳がオリヴィアのライブからの影響を受けまくってるんですけど(笑)。
オリヴィアといえば、テイラー・スイフトからの影響についてはよく語られていますし、ライブを観ていてそれもよく伝わりました。
けど、彼女のライブではテイラーの影響があんまり感じられない「完全にロックな曲」も主に10代から20代の女性に凄くウケが良くて、なんの違和感もなくとんでもなく盛り上がっていたところが、個人的にとても嬉しかったんです。
と同時に、「このボーダーがないようなところって、どこからきているのかな」って考えてたら、なんとなく1Dが頭に浮かんだところがあって。
「1Dって本当にビートルズみたいな存在だったのかもしれないな」
って一行書くだけで、ビートルズファンやロックファンから見つかったらめっちゃ怒られそうですが(笑)、ふとそう思って。
「曲やメンバーが似てる」とか「意識している」とか、そういう話では全くないんです。
あと記録の話でもないです。
そもそも私は彼らが活動していた当時はメンバーの名前もろくに知らず、区別すらついていなかったような人間なのですが。(すみません)今現在は見事にハリーがいないと生きていけないほどになり(笑)、彼についてのブログも多々書いてました。
けど、1Dが活動していた当時は「テイラー・スイフトと付き合ってた人がいたグループだな」ぐらいな認識で、メンバーが誰かも知らなければ、曲も代表曲3曲くらいしか知らなかったような酷い人間で(笑)。(その頃はインディーロックを聴くのに忙しすぎて、それどころじゃなかった笑)
ハリーの1stがリリースされた当時に個人的に凄く刺さってから「え?1Dも聴いてみよ♪」とコロっと変わった尻軽女なので(笑)。
メンバーの声の違いもあんまり分かってなかったくらいのところから、数年でやっと「識別できるようになった」くらいの超スローなレベルアップぶりでした。
今回、oliviaのライブをきっかけに「ちゃんと1Dもしっかりと聴いてみようかな」と思って聴いてみたんです。
そして改めて思うのは、デビュー当時の「踊らない」ポップボーイズグループからロック側にどんどん傾倒していく変遷の面白さと、メンバーの苦労はもちろん、曲制作側の大変さと面白さが両方感じられた点でした。
これはあくまで私個人の感想ですから「それってあなたの感想ですよね」って思いながら読んでください!(笑)
1Dの人気曲を集めたプレイリストを聴いているとやっぱり最初にかかってくるのは
1stや2ndの「what makes~」「kiss you」「 Live While We’re Young」あたりの曲なのですが、これらの曲は基本はスウェーデンのポップ職人チームが制作した曲が中心です。マックス・マーティンが代表的だと思いますが、
1Dの曲はCarl Falk と Ramiという二人のスウェーデンポップ制作者がメインで作っていたみたいです。全曲ではないですけど。
なので、キャッチーで世界的にウケそうな典型的な「10代のボーイズグループが歌うポップソング」がメイン。
でも「面白いな」と思ったのは、彼らが今までボーイズグループとは違って「ダンスをしない」ポップロック的な曲を歌うところでした。
日本でも知られているイギリスのオーディション番組「The X Factor」にそれぞれソロとして参加した5人で、特にダンスなどしてきた経歴も無かったところからそうなったんだと思うんですけど。印象としてはBSBとかインシンクはまさにマックス・マーティンの歌を歌っていたのですが、それらのグループよりも私には曲の印象はBUSTEDとか、ちょっと思い出すような感じでした。
そんな彼らの曲の様子がちょっと変わってきたのが、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157720534/picture_pc_158cd425fefe447ddb893bf332dcc5fa.png)
John Ryan & Julian Bunetta
このコンビが2ndから曲作りに参加するように。こちらはスウェーデンではなく、アメリカ出身のソングライターの二人。
二人とも20代後半から30代頭で、1Dのソングライティングを手掛けるようになります。
この3rdアルバム「Midnight Memories」になると、完全にこの二人の曲がメインに変わるようで、他にも超人気PDのRyan Tedderや、McFlyのボーカルTom Fletcher、ワンダイと同じイギリス出身のJamie Scottがクレジットにいますが、基本はJohnとJulianの名前が入るようになって、少しずつロック系の比重があがってきてるように感じます。
Mumford & Sonsやエド・シーランみたいなフォークやアコースティック感を取り入れたみたいな曲も増えたり。
でもデビュー当時のポップ感も活かされていて、このアルバムはこのアルバムで「Story of My Life」などいい曲がありました。このアルバムが一番好きなファンも多そう。
この時点でメンバー達は20歳になるかならないかくらいかな。
面白いのは、JohnとJulianって1Dのメンバーと10歳違うかくらいで、まだ若かったんですね。ソングライターって若い人も多い印象ですが、それにしても予想よりかなり若かったんで知った時はびっくりしました。
デビューからのスウェーデンポップロック系の曲は、リリース当時にスウェーデン産ポップ自体がバカウケしてた時代だったんで、もともとオーディション番組時からの人気もあって超売れるのは想定内だったと思うのですが。
そこから2年くらいでこんな世界的に人気のボーイズグループの曲を、アメリカの若手ソングライター二人に託されたのは「なかなか凄いな」と。
しかも1Dのキャラ上、尖ったりしすぎては当時はダメで、まだ同世代ファンを中心に広く愛されるポップ面も残しながら、「大人に成長していく面も見せるロック系統に寄せた曲に意図的にしていってたんだな~」と改めて思いました。
一文に簡単にまとめましたけど、依頼されて実行しなきゃいけかったJohnとJulianは結構大変だったと思います。
私が1Dで一番好きなアルバムはこの「FOUR」なんですけど、この頃になるともうデカい会場のツアーを意識したような曲がガンガン出てきて、
1曲目の「Steal My Girl」は、リリースされた時に聴いてそれまでは「what make〜」くらいしか知らなかった私はいろいろビックリした記憶が(笑)。この曲は私には「スタジアムで歌うことが想定されたとしか思えない」曲で「こんな曲も歌うんだな~」と。
アルバム全体を聴いても、ギターに比重を置いた曲が増えていたりして、デビュー当初よりずいぶんと「ロック好きも聴きやすい作品になっていたのね」と思いました。
すでに3枚目で「midnight memories」って同じような曲があって、両曲共にシングルでした。
拾い動画で見かけると、この「FOUR」って1Dが忙しすぎてホテルの部屋で歌録りしてたりして、Julianがベットに寝っ転がってイヤホンでサウンドチェックしてたり。
いやメンバーももちろんだけど、作る側もほんと大変だったと思う(笑)。
1Dってその後のソロの作品傾向をみると、ハリー、ナイル、ルイと三人が完全にロック系。ゼインとリアムがR&Bポップ系だったのかな?比率的にもロック好きのメンバーが多かったところの影響もあったかと。
この「four」がリリースされた2014年のbillboardの年間洋楽チャートを見ると、上位にロックの曲はほぼない年。「世界的に売りたかったらロックはアカン」な感じだったけど、でもUKでは
2013年にthe1975がデビューし、Arctic Monkeysの「AM」がリリースされます。
なので、偶然か分かりませんけどそういう国内の空気も曲作りに影響していたのかもしれないですね。
ゼインが脱退した後に4人になって「本当はこのアルバムの方がタイトル『FOUR』が良かったかも(笑)」な活動休止前最後のアルバム「Made In The A.M.」は2015年のリリース。完成度も高いし、世間的な評価も一番いいアルバムなのかもしれません。メンバー4人の歌もいいですし、大人への成長感も曲の統一感も感じます。
といっても前作から1年でのリリースなので「FOUR」とセットのような作品だと思うのですが、このアルバム、今回ちゃんと全アルバムを全曲通してしっかり聴いてみて気づいたのが、「ゼインって大事な存在だったんだな」というところでした。
今回聴きこみをリリース順にしたから、余計に気づけたことでした。
ゼインって脱退後のソロがR&B傾向の曲だったんで「ロック嫌だったのかな」と思っていたのですが。で、たぶんその気持ちもあったと思うんですけど(笑)、1Dの曲において「ゼインのボーカルや表現って大事だったんだ」と。メンバーの中で一番声が低めで印象に残るし、ポップもロックにもなじむ、かつ暗めのボーカルだったんじゃないか、と。1Dの曲の中でも闇じゃないけど(笑)、暗の部分を引き受けていたのかも。明暗のバランスって結構大事なんですよね。
彼を欠いてしまうと曲自体がいくら良くても、表現的には軽く感じてしまうところがあって。「彼の脱退後に活動休止は必然だったのか」と思いました。
なんで「1Dってビートルズみたいんだったのかも」と思ったか。
それはビートルズもアイドル的人気もありながら世界の大衆に向けてそのロックの扉を開けて行ってた存在だったと思うんです。「あの当時のキッズに向けてそれに近い役割が1Dにもちょっとあったのかな」と。特にロックがちょっと大変だった時期の子供達やティーンに向けて。
活動当時はそこまで意識してなかったんですけど、今聴くといろいろと発見がありました。
1Dが人気だった2010年代時は、いいバンドやアーティストはいても「ロック売れんなどうしよ」ってなってた時代で。
1Dくらいの世界レベルの人気になると、出自もあっての巨大プロジェクトなので失敗(売れない)は許されないくらいお金も動いてると思うので、売れ系曲に走るのは当然なのですが。「よくロック方向に行けたな」と。アルバムのソングライターもPDも割と少人数。メンバー本人達も書いていた曲も採用していたようで。
そしてその先にはハリーはじめ、メンバーのソロなんかがあるわけなんだな〜、と。
当時に子供だったりローティーンだった子達はもう無意識レベルで1Dの曲を聴いてたと思うので、今オリヴィアなどのライブでかなりロック度も高めな曲でもナチュラルに盛り上がれるのは「1Dの頑張りにも助けられていたのかもな〜」と思いました。
あくまで一つの要素の話ですよ!!1Dが全てではもちろんないですけどね。
1Dの曲って全体的に10年経った今聴いても、曲もアレンジも古臭さなどもあんまりないですし、すんなりと聴きやすい曲が多いです。「オマージュ」と呼べるギリッギリの曲とかもあったりするけど(笑)、それは私は結構OKタイプなんで。
JohnとJulianも世界的に自分達の作った曲を聴いてもらうビックチャンスだし、大変だったとは思うけど楽しんで作ってたんじゃないでしょうか。
そんなJohnとJulianは、1D活動休止後はメンバーのナイル・ホーランとずっと組んでいるみたいです。そして
Sabrina Carpenterに書いた曲で、世界ヒット的にもまたバカ当たりしてました。
「Espresso」や前のアルバムで人気だった「Nonsense」はJulian BunettaがPD、
同じく前のアルバムの「Feather」はJohn RyanがPD。
今チャートでヒットしている「taste」はJohn Ryan, Ian Kirkpatrick & Julian BunettaがPDでクレジットされています。
1Dだけじゃ終わんなかった。ほんと凄い。
他にも先日フジロックで来日したTeddy Swimsや、
Julianの方はカントリー系のアーティスト、Thomas RhettやKelsea Balleriniなどとも曲を作っているみたいです。
このアーティスト陣を見ると、ロック一辺倒じゃなくて「ジャンルミックス感覚な曲が得意なんだな」と。1Dもそうだったから、よく分かりますね。
1Dの時にはグラミーなど縁がなかった彼らだと思いますが、今年はサブリナはもちろん、テディなんかも結構グラミーのウケが良さそうなので、何かで受賞の可能性もあるかもですね。そうなったら個人的にまさかなんで、ほんと面白いな~。願っております(笑)
というわけで、今1Dをしっかり聴いてみて、いろいろと思ったことでした。
気になった方はぜひ聴いてみてください♪
※写真はone direction official siteからお借りしました。
おまけ
日本のファン投票の曲ランキングも参考になりました♪
おまけ2
活動再開は「全然あり得るかな〜」とは思うけど、全アルバム聴いちゃうと、個人的には「ゼインがいないとあんまり意味ないかな〜」とは思ってしまいますね。
もしそうなったらどんな曲なんですかね〜。