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人間の多様性と熱帯魚水槽
うちには海水熱帯魚の水槽がありまして。
半年くらい前に魚が感染症になり、あっという間に飼っている魚全体に感染が広がりました。
一匹、また一匹と死んで、このまま放置すれば全滅してしまう状況に陥ったんです。
ネットであれこれ検索して薬を投与すると治るということがわかって急ぎ買い求めました。
説明書を読むと、これは毒です、絶対に飲んじゃいけません、目に入ったらすぐに洗って医者に診てもらえみたいな結構怖いことが書いてありました。
毒を水槽に入れて大丈夫なのかと思いましたが、極々少量を三日おきに投与しろとあったのでそのとおりにしました。
2週間くらい経った頃、ようやく魚たちの症状が良くなってついに全快しました。
ああ、よかったと安心したのですが何かがおかしい。
魚以外の生き物の気配が無いんです。
水槽内にあったコケ、海藻、イソギンチャクがきれいさっぱり消えてしまったんです。砂に住んでたイトミミズとかピコピコ動いてたプランクトンまでありとあらゆる生き物が死んでしまったんです。
薬の説明書に毒だぞとあったとおりの結果になりました。毒が魚に寄生したウィルスを殺すことで症状が改善したんです。
魚のような大きな生き物はこの毒に耐えられるけどプランクトンやバクテリアは死滅してしまったんです。
ここからが大変だったんです。何がって魚以外の生き物がほとんどいないということは生態系が崩壊してしまったということなんです。
しばらくすると水槽内に大量のコケが発生しました。コケが生えるという事は水が汚い。水中のバクテリアやらプランクトンやらが死んで水が相当汚れていたんです。水を変えても変えてもコケは全く減りません。コケは水中にある大量の養分を餌にあっという間に成長します。毎週のように水を替え、水槽内のコケを取る作業を繰り返しましたが改善の余地なしでした。
どうしようかと悩んだ末にライブロックを入れることにしました。ライブロックとは岩というか石なんですけど全体に小さな穴が開いてる自然石をどっかの海から拾ってきてだか採取だかして海水に浸かった状態を維持したものです。こいつの中には生きた微生物がどっさり住んでいますのでこいつらに生態系の回復を託そうと考えたんです。
果たしてこの石を水槽に入れて水替えを繰り返すこと2か月。コケが徐々に減ってきました。砂底をみるとチョロチョロとイトミミズが動いています。ピコピコ動くプランクトンも見えるではないですか。
ヤッター!生態系が回復してきたぞ~!
という話しなんですよ。
なにが言いたいかと言うと、自然環境なら時間がかかるけど勝手に生態系は回復します。
ところが水槽は外部と接触しない限り、一定以上の生物がすむことはありません。
人為的に生物を入れてやらなければ生態系は壊れたままなんです。
生態系とは多様性生物の集団だと思うのです。いろんな生物が何かしら影響しあって微妙なバランスの世界を構築しているんです。
さて、人間社会はどうでしょう。
信条やら信仰やらひとそれぞれ考え方があるでしょう。
自分と全く同じ考え方の人は恐らく存在しないんじゃないでしょうか。
ということは自分と違う考え方があって当たり前。
自分と異なる考え方があったとしても同意しなくても否定はすべきではないと思うんですよ。それが反社会的な考えじゃない限り。
人類も多様性の中で社会活動をする生物です。
ほとんどの生物が死んでしまった水槽にライブロックをいれたように私たち人間も意識して多様性を社会に迎えることが健全な人類という生態系を維持できるんじゃないかなと思うんです。
同意しなくても否定はしない。です。