公務員家を買う⑩(設備と内装・外装)
前回掲載した通り、間取りが決まってくると、家の中身に入ってきます。設備、内装・外装は毎日、目にしたり触れたりするものであり、日々を心地よく過ごすための大切な要素です。
1 設備ってどんなものがあるのか?
大きいものとしては、キッチン、浴室、洗面台、そしてトイレです。これに加えて、玄関のインターフォンやシャッターなど、細かいものを加えていくことになります。
住宅設備メーカーというと、LIXILやTOTOなどが有名ですが、注文住宅を建てる場合、ハウスメーカー提携している住宅設備機器メーカーの中から、希望する設備を選ぶと費用を抑えることができます。
提携の設備メーカーもいくつかあり、それぞれ標準プランが決まっているため、まずは見比べてから、気になるメーカーのショールームに行って、実物を見たり、オプションを追加したりします。
ショールームの予約にあたっては、メーカーによっても異なるかと思いますが、私たちの場合、ハウスメーカーが業者専用窓口に連絡して、ショールームを予約してくださいました。
これで、予約した日に訪問すれば、担当がついて、希望する設備について、一つ一つ説明を受けながら選ぶことができます。
当日、ショールームを訪問すると、ハウスメーカー予約用の設備がそろっているフロアがあると受付に言われ、皆が見ている別のフロアに通されました。
小さなデパートのワンフロア分くらいはあるスペースに私たち家族だけが通されて、そこで担当者と打合せを行いました。
ショールーム訪問の目的は主に2つです。
・標準プランの実際の商品を見て生活シーンをイメージすること
・さらに快適にするために、予算と相談しながらオプションをつけること
いざ選ぶとなった時に、キッチンだけでも一般用であれば10以上もの選択肢があるようでしたが、標準プランの中という制約が加わっているため、あまり悩まずに、選ぶことができました。
ハウスメーカー向けの標準プランといえども、安かろう悪かろうではなく、しっかりとした商品を提示してくれていました。大変に実用的で、デザインもシンプルで非常に好みであり、良いものから選べるのだと感じることができました。
実際に見てみないと、色や光の加減、フロアに合うかどうかもイメージがつきません。足りないなと思う機能はオプションで補うことになるので、どんなものにするかも自分で触ったりすることで、自信をもって選ぶことができます。
例えば、洗面の引き出しが、思った以上に勢い良く閉まって子どもが指を挟みそうと感じれば、ゆっくり閉まるように数千円のクッションを入れるオプションをつけたり、今の生活の中で、換気扇の掃除が面倒だとちょうど感じていたので、手入れが非常に楽になる材質に変えるオプションをつけたりと、痒い所に手が届くような様々なオプションがありました。
およそ、1時間半ほどの説明やショールーム見学でしたが、オプションを選んでいるだけで多くの時間がとられ、最後は駆け足で設備の色を決めるなど、あっという間に時間が過ぎました。
設備のオプションは、とりあえずつけておいて、見積もりを確認し、後で冷静になって振り返ってみて、必要ないと感じたら削っていくという方式でした。
総じて、テーマパークのようで、子どもたちも暇にならず、設備の選択は大変楽しいと感じました。
2 外装と屋根を選ぶ
ある意味で分かりやすく華やかな設備の選択が終わると、次は外装と屋根の選択です。地味には思えますが、外から毎日目にしますし、家を雨風から守ってくれる大事な要素です。
外装は、ハウスメーカーとの打ち合わせの中で詰めていくことになります。ショールームを見た2週間後に、住宅展示場を再度訪れて、外装について、設計担当と話すことになりました。
外装は大きく分けて2種類あり、セメントなどの材料を現場で混ぜ合わせ、刷毛やコテなどで壁を塗り上げていく湿式工法と、工場で製造した板のような建材を現場で組み立てたり、張り上げていく乾式工法があります。
家を建てるにあたって、イメージしやすいのは湿式のほうですが、左官壁として職人が作ることから、自由度が高いメリットがある一方で、対応できる職人が少なく、値段が高くつくというデメリットもあります。
乾式は工場で生産・管理されているため、品質が安定しているほか、湿式に比べて、簡易であるため工期の短期化し、値段も安いというメリットもあり、今は乾式のほうが主流となっているようです。
乾式でも、外装材はいくつか種類があります。
・セメントなど原料に繊維質の材料と混ぜて成型した窯業系サイディング
・表面に金属板を使用し、断熱材等と張り合わせた金属系サイディング
・珪石などを主原料とした軽量気泡コンクリート建材であるALCパネル
など、素人には違いがなかなか分からなかったのですが、安価で耐久性・耐火性が十分な窯業系サイディングを選ぶことにしました。
参考:外壁材|商品情報|ニチハ株式会社 (nichiha.co.jp)
外装に続いて屋根ですが、屋根も色々な種類があります。
・セメントを繊維質材料で強化した人工スレート
・銅やガルバリウムなどの金属板を材料とした鋼板
・粘土を焼成した瓦 など
屋根は外装に比べれば、イメージはしやすく、違いも多少理解できました。
人工スレートは安価で軽量であるため、多くの住宅で利用されています。鋼板は金属であるがゆえに、耐久性があり、何十年経っても色落ちがしません。瓦は重厚感がある上に耐久性が高くメンテナンスの手間も少ないという強みがあります。
この中で、人工スレートを選びました。スレートの難点は、耐久性であり、金属に比べて色あせして、メンテナンスの手間がかかるというものだったのですが、最近のスレートは材質が改善され、30年以上も色あせ、苔むせがないスレートも選べるようになりました。
加えて、スレートは太陽熱を反射させるため、家に熱がこもりにくいという利点もあります。色も豊富な種類から選択できたため、白に近い色を選ぶほど、より多くの太陽光を反射できることから白のスレートを屋根材として採用しました。
参考:COLORBEST|屋根材|屋根材・外壁材・雨といのケイミュー (kmew.co.jp)
外装の相談の中で、妻から屋根の裏側で普段目にする軒天を木目調に変えたいとリクエストがありました。曰く、屋根も外装も、セメントを原料としたものとなったため、木造ということをもっと前に出せるようにしたいとのことでした。
意外なところに着目したなと思いましたが、ハウスメーカーの担当者によると、こだわる人は多いそうでした。家に帰ってきて、見上げるとまず目にするのは軒天であるため、印象がガラッと変わるとのことでした。
軒天|商品情報|ニチハ株式会社 (nichiha.co.jp)
3 内装(壁紙か漆喰か)
次に内装です。内装材は、建築基準法によりシックハウス対策が求められているため使用材が、ある程度決められています。
加えて、和室に力を入れていたこともあり、漆喰などの塗り壁を一部にとり入れようとしたのですが、防火や、長期優良住宅の取得の関係で断念しました。そのため、内装は壁紙から選択することになりました。
壁紙から選ぶと言っても、壁紙の種類だけでも合成樹脂、和紙、布などの種類がある上に、広辞苑ほどの厚さのカタログを2冊分家に持ち帰り、自分たちの好みの色や柄を選ぶことになります。
これは、骨が折れるなとたじろいだのですが、設計担当から、個性的な家にしたいのでなければ、基本となる壁紙を1種類選び、1つの部屋につき1枚アクセントを入れるなどのル-ルを採り入れた方が、後悔は少ないというアドバイスをいただきました。
確かに、最初は子ども部屋は明るい色や柄が入ったもの、寝室は落ち着いた色など、部屋ごとに分けた方が良いのかと思いましたが、子どもたちはいつか巣立ち、家を建てた後に、一番長く使用するのはわれら夫婦です。全体的に統一感のあるように、基本となる壁紙を決めようとしました。
機能性を重視して、水や傷に強く、それでいて価格も抑えられる壁紙をカタログの中から、選びました、床が木目調となることから、基本として色は白を選び、ほぼ8割がたを白色の水や傷への耐久性が高いものを選びました。
残りの2割ですが、水回りやトイレなどは汚れが目立たないような色でさらに水に耐久性のある壁紙にしました。加えて、私であれば書斎は集中できるために1面を青色にしたり、妻は和室を漆喰風の壁紙にしたりと、自分が個性を出したい部屋を一部アクセントで加えました。
広辞苑並みの厚さのあるカタログでしたが、記事自体が厚いため、すべてに目を通すのは1冊1時間ほどで、部屋のイメージがつくように写真も豊富であるため、楽しんで読むことができました。
参考:壁紙|デジタルカタログ|サンゲツ (sangetsu.co.jp)
これで、設備も決まり、内装や外装もひと段落つきました。いよいよ基礎着工に向けてと行きたいところでしたが、同時並行で進めなければいけない問題が出てきました。旧家の解体と造成作業です。