見出し画像

読書のススメ(22年下半期面白かった本の紹介)

半年前に、上半期のお勧めの本を紹介してから、早いもので半年が経過しました。あれから読んだ本も増えたため、下半期(7~12月)に読んだ本で、特に面白かった、印象深い、影響を受けた本を紹介したいと思います。

1 面白いと思った本①(これからのお金の教科書 田端信太郎

お金の考え方が変わった本です。著者は、LINEやZOZOなど、名だたる企業で執行役員等を勤めた、いわばサラリーマンの完成形です。時代の最前線で働いてきたプロフェッショナルが書いたものならば、どうやって稼いできたのか指南する本かと思っていましたが、それとは対極に位置するものでした。

お金そのものについて、かなり突き放した考えです。
「たいていの夢は300万円程度で叶う」「稼げばいいという話でもない」と、お金について、その程度のものと割り切ったスタンスで書かれているように思います。

確かに、大抵の夢は、1年がむしゃらに働けば叶うものばかりです。
「都心に住みたい」港区でも、10万円以下で住める物件はたくさんあります
「世界一周をしたい」100万円あれば、大抵の国にはいくことができます
「美味しいものを飽きるまで食べたい」東京に行けば、世界中の料理から選ぶことができます。

一方で、こうした夢をかなえても幸せになれるかは別物です。人生の満足度を上げる一因にはなりますが、それがすべてではありません。この本は、お金で買えない価値っていったい何だろうということを掘り下げているように思います。

家を買うこと、保険に入ること、転職すること、お金がきっかけになることもありますが、根源的には、どうしたら幸せになれるのかというものであり、お金はそのための手段の一つです。

自分の人生の満足度を上げるために、お金がどういう役割を果たすのか、自分が置かれた状況を整理して、自分の頭で考えてみようと投げかけてくれた、私にとってはそういう本でした。

2 面白いと思った本②(noteではじめる新しいアウトプットの教室 コグレマサト まつゆう)

何でもそうなのですが、私はとりあえずやってみようというタイプです。手を動かしてから、失敗したら軌道修正すればよい、やりながら勉強していく方が、上手くいくことが多いです。

人によってはしっかりと勉強してからスタートするタイプもいますし、私自身、拙速でスタートしたことで、痛い目を見たことも何度かあります。なのでどちらがいいという訳ではなく、私のスタイルというだけです。

今年から始めたnoteも、その一つです。
・公務員はアウトプットが少なく、内向きの仕事が多い。
・時世もあって、人と会う機会が少なくなり、世の中のつながる機会が少ない。
そんなことを年始に思って、アウトプットをスタートしたいと思って、始めたのがnoteでした。

始めてはみたものの、掲載するにも一苦労で、とりあえず手探りで、週に一度の投稿を繰り返していたのですが、そのたびに、もっと効率的で、より良い使い方があるのではないかと悶々とし、半年たってようやく、この本を手に取りました。

ネタに困ったらどうするか、読んでくれる方々へのお礼の方法、モチベーションの保ち方など、もっと早くから読んでおけばと思うことばかりで、今回は拙速だったかなと反省した次第です。

特に、このままやっていても良いのかなと思った時に、続けることが大事と背中を押してもらったことで、今年1年、週に一度の投稿という自分の約束を貫くことができました。私にとって感謝を届けたい本です。

3 面白いと思った本③(ゴールデンボーイ スティーブンキング)

もともとは、好きな映画である「ショーシャンクの空に」の原作が入っていると聞いて読み始めた本です。

「ショーシャンクの空に」は、映画をよく見る人にとっても、そうでない人にとっても、好きな映画と言われると、上位に上がることが多い映画です。無実を主張しながらも、長期にわたる獄中生活を余儀なくされたにもかかわらず、希望を捨てず懸命に生きる姿は、印象深く、そして胸を打つものでした。

そんな名画の題材になった中編の「刑務所のリタ・ヘイワース」、想像通りとても良い物語です。刑務所の中での悲痛な出来事や、他の囚人との交流、時々入ってくる、看守への意趣返しもいいですし、何よりもラストは胸がすっとします。

そんな、良い気分で、次の物語も読んでみたのですが、「刑務所のリタ・ヘイワース」とは別の意味で、圧巻でした。ある意味で、今年読んだ本の中で一番印象深い、何と言うか、こんなにも後味の悪い物語は初めてでした。

明るい朗らかな少年が、少し道を間違えてしまったがために、もっと言えば、少し好奇心を持ってしまったが故の悲劇です。ただただ、言いようもない恐ろしさと不気味さで徐々に染まっていっていく、救いのない物語です。

一方で、小説のバッドエンドが嫌いな自分でも最後が気になって読み進められてしまったのは、詳細な風景・人物描写と、訳者のうまさがあるからだと思います。

「過去の恐怖をひらく鍵は、頭から拒否することでなく、それを熟考し、むしろ友人のように抱きしめやることの中にある…」
原文はどんな文章だったのかと気になるくらい、自然な言葉ですっと頭に入っていく文章が所々にちりばめられています。

自分に合わない訳だと、どうしても、物語に没頭できなくなってきます。「あれっどういう意味だ?」と一呼吸おいてしまい、どうしてもふと現実に帰ってしまう。小説を読むときは、寝食も忘れたい、電車を乗り過ごすくらいに没頭したいという欲があるのに、「んっ?」と、目が覚めてしまうのはもったいないと感じてしまいます。

その点で、この本はとても良いです。両中編はそれぞれ200ページ、300ページほどですが、あっという間に読めること請け合いです。ただ、ゴールデンボーイを夜に読むと、不思議な感覚を持ったまま眠ることになるかもしれません。

4 まとめ

今年は、手元のブクログによると、現時点で56冊読んだようでした。総じて、皆面白かったし勉強になったけれど、自分が学ぶ必要のあると思う分野(投資、保険、家づくり)に関連した本ばかり読んでいたため、万人に刺さるような本ではなく、特定の個人に深くヒットするものが多かったなという印象です。

その中でも、上に挙げた3冊はお勧めです。面白いですよ。来年もいい本に巡り合えることを心から願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?