夏の君が死んだ。
だから私はずっと、
遊泳禁止の冬の海で君がくるのを待っている。
研磨された空気がきらきら
冷たい身体に熱をかくす。
夏の終わりと冬への過渡は どこか似ているね。
何も変わっていないのに、
取り返しがつかない何かを落としてきてしまったみたいだ。
ガラスに囲まれた温室で、
夏と冬の境目をなでていよう。
星座を繋ごう。
指先から紡ぐ、正反対のセゾンの中で。
出会うことのない君の夢をみる。
君が選んだ夏の夜の夢は、
彼岸が繋いだ私の夢。
混ざり合わない時間の中で、
永遠には足りないだけの、此処にはいない夢をみる。
#詩 #季節 #夏と冬