変拍子の夏 海の記憶は褪せてもなお、
遠い灯台の向こうの水平線から 呼び続けている
どこまでも透明で 聡明なばっかりで
対して写実性には欠けている
輪郭はいつだってアンニュイ
寄せてかえす間
知らず知らずのつかの間
全てさらわれて、消え去って、すくい上げたのは
欠片だけ
指の間をこぼれていくのは
今年の記憶とは異なって、それだから また来年へ
少しずつの心残りと 幻がないまぜ
孤高のパルマ
今年も選んで また同じ夏を夢に視る
足首にからみつく 白い砂粒
さらわれたパラソルの内側に 広がっていた星座
失くさないまま、永久になる 剥製の季節
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