#118
たまに寄る本屋さんは、
BGMの代わりに薄くラジオがかかっている。
ノイズの向こう側から聞こえる世代のずれた懐かしい音楽や、
温かみのあるパーソナリティの声。
現実や日常から切り離されたような、
タイムスリップしたみたいな時間。
子供の頃、学校の近くにあった大きなお寺の境内で
よく日が暮れるまで遊んだ。
風の中に匂いがあること、
四季をめぐる風とともに生きていることを知ったのはきっとこの場所の存在が大きかったのではないかなと思う。
もう何年も前の寒い冬の真夜中に、
友人と2人で寝転んで流星群を見たこともあった。
久しぶりの境内の空気。
こんばんは、と変わらない佇まいに心の中で呟いてみる。
目には見えないものを当たり前に信じている。
子供の頃からの環境が半端にそうさせているのだと思っていた。
神様や天使を信じなさい。
他人を愛しなさい。
真っ直ぐ生きなさい。
それはそれとして、私が生きてきた時間だから否定はできない。
でも今大人になって、
私は自分の意思で目に見えないものを信じている。
言葉には温度があるし、音には心の景色がある。
思いには力があって、
私たちはそれを引き寄せることができる。
肯定的に生きていく。
良いこともそうじゃなかったことも全て。
感覚を研ぎ澄ませて、
淀ませず、腐ったりせずに。
流れていく水のように。
***
今日から11月です。
今年もあと少し。
よかったらこれからもよろしくね。
また、明日。
#25時ごろ待ちあわせ #日記 #目に見えないもの #過去 #今