
阿呆猫くろっちょん
第二回 囚われのくろっちょん
くろちょんの口卑しい点は、前にも書いた通り死ぬまで治りませんでした。
最初のうちは
「野良上がりやからねぇ。ちゃんとエサやったら治るやろ。」
という意見だったのですが、被害続出の為、シャレにならん状況に。
そこで仕方なく繋いで飼ってました。
可哀想だとは思うのですが、背に腹は代えられません。
まぁ囚われの身のくろっちょん、しょっちゅう脱走してましたが。
被害の具体例ですが、食事時の事でした。
当時は自由の身だったくろっちょん、
食事時となるとクレクレコールの大合唱。
ニャアニャアせわしなく鳴いてます。
今思えば、鳴きながら計画を練ってたのでしたが。
で、ウチのオヤジにはクセがありました。
食事時に新聞を読むクセ。
読みながらので、どーしても注意力が散漫になります。
そこでくろっちょん、オヤジに近づいてお箸を持つ手に強烈な猫パンチ!
たまらず落としたオカズを電光石火の早業で咥え、部屋の隅にダッシュ!
次の瞬間、
部屋の隅で「ウ~ッ」と唸ってオカズを咥えてる、
くろっちょんの姿がありました。
見事な奇襲攻撃です。
トラトラトラ!ですな。
クロですけど。
こういう被害が甚大だったので、繋いでたんですよ。
あと困ったのが脱走時にゴミ箱を漁ること。
ちゃんとエサはやってるんですよ。
でも漁ってました。
ある朝起きたら、脱走したくろっちょんが家のゴミ箱を漁ってた事も。
せめて自分ん家はやめろよなぁ。
情けなくなりました。
そんな事をしてるので、おなかに虫を湧かす事はしょっちゅう。
そのたびに虫下しを飲ませましたが、
治ったと思ったらまた湧かす、の繰り返し。
結局、虫との戦いはくろっちょんが死ぬまで続いたのでした。