手紙
やぁ、こんにちは。
30代の僕、お元気ですか?
まぁ特に病気もしていないだろうから
元気だと思うけれど、心はきっと疲れているね。
いいんだよ、疲れなさい。
疲れて疲れて、くたびれきっていいんだ。
その疲れは、君が優しいことの証明であり、
君が一生懸命に生きている証なのだから。
その疲れを誇りなさい。
人生はいろいろなことがある。
出会いもあるし、別れもある。
人に期待して裏切られることもあれば、思いがけず人に救われることもある。
時に自分の愚かさに殺したいほど憎悪することもあれば、自分の才能に惚れ惚れすることもある。
恐らく君は昨日、自分の人生をリセットしようと試みたことだろう。さぞ今はスッキリしているだろう。でもね、本当に手放してはいけないものまで手放してはいけないよ。差し伸べてくれる手を振り解いてはいけないよ。
もちろん、嫌悪するものまで握り返せとは言わないが、人の優しさを受け取る勇気も時に必要だからね。
君が人を、愛したいなら、愛される人になりなさい。愛される人になりたいのなら、愛する人になりなさい。疲れても、塞いでも、ひとりになっても、いいから、ベクトルだけは命綱だけは手放さないでいなさい。
それを離してしまうともう、戻れなくなるからね。
今の君は辛いだろうが、私から見ると、それらの経験はとても温かくキラキラ輝いてかわいらしく映るものだよ。その葛藤も、自己嫌悪も、他者批判も、拒絶も、受容も、あなたの持ってる優しさもね。そんな君であったからこそ、私は、多くの人に愛されて、多くの人を愛することができた。そりゃ、君が望んだ未来ではないし、私はいまだにいつでも1人だが笑
だから、心から感謝を言うよ。生まれてきてくれてありがとう。頑張って生きてくれてありがとう。父さんと母さんを見送らせてくれてありがとう。
君ががんばってくれたおかげで、私は今心の底から幸せなんだ。
君の頑張りが今の僕の誇りになった。
君の葛藤が今の僕の力になった。
君の痛みが今の僕の優しさになった。
君はよくやっている。
自信を持って胸を張りなさい。
これは私にしかわからない、他者の誰にも理解されない、私と君だけが共有できる感覚なんだ。
だから、理解されずとも良い。人に伝える必要も、人と共有する必要もないんだ。
大丈夫だよ、大丈夫。
君は今もこれからもずっと、幸せであり続けるからね。