見出し画像

#203 不動産業界の聖人君子

今日社内のミーティングで「業者のかぶせあい」について議論が繰り広げられました。

不動産業界において、ある会社が提示した額に少し上乗せをすることを【被せる】とか【叩き合い】なんて言ったりします。


現場でどんな話がされるのかというと、

「もうひとつの業者さんは2000万円だったんですね!それならうちは2100万円で買いますよ!これで契約しちゃいましょう!」といった感じです。


売主からすれば、100万円高く売れるならそっちを選ぶ人が大半じゃないでしょうか。

この「後だしジャンケン」には苦しめられている業者さんも多く、ここまで色んな説明をしてきて信頼関係を築いてきたのに、ぽっと出の業者に持っていかれた・・・、と。

不動産業界が義理と人情の世界ならばこんな話は出てきませんが、誰かが得をして誰かが損をするマネーゲームの世界なので、勝つか負けるかの勝負になります。


あ、損というのは、そのお客さんに費やした時間と考えてください。


何回も売主の家に足を運んで、販売活動もしていたのに、昨日電話をかけてきた業者にとられた、と聞いたら、費やした時間が無駄なものになってしまったと解釈できますよね。


ここまで聞いたらその業者さんがかわいそうと思う人も多いはず。


ですが、そのやられた業者さんも別のところでやっている可能性もあります。


結論、やられて嫌なことだけど自分もやる、というそういう世界です。


義務教育とか親のいいつけでは「人がやられて嫌なことはしてはだめです」と教えられ育ってきましたが、平気でやります。

だけどそれはやめさせた方がいい、なにか方法はないかと僕らのサービスにも意見をいただくことがあります。


いたちごっこであり、全員が「せーの!」でやめない限りは必ずどこかでこの話は起きています。

だって、目の前に700万円をゲットできるチャンスがあったらみすみす見逃さないですよね?

自分がやられたら嫌だけど、700万円ゲットできるならそんなこと気にしてられない、「もしもし?」とすぐに電話をしているはずです。


いやいや、そんなことしたら先に手をつけていた業者さんに悪いから・・・そんな聖人君子がいたら、きっとこの業界には残っていないと思います。



これをやめさせる何か方法があるのならば、業界はクリーンになり、大きく変えることができる、そんなミーティングをしていました。


高く売りたい売主と、横取りしたい業者と、義理で対応してほしい業者と、いろんな思いと感情が入り混じってますね。

ドラマ化したら面白そう。

いいなと思ったら応援しよう!