#291 不動産業界のUIとUX
こんなに分かりやすくて脳内再生が余裕なものがあるなんて。
最高に面白いですよ、絶対見た方がいい!
前に触れたことのあるヒューストン空港の話も出てきていました。
「いいUIがいいUXを生むとは限らない」はまさしく不動産業界にもあります。
「不動産 売却」と検索をすれば「一括査定」とか「どの一括査定サイトがいいのか!」みたいな記事がたくさん出てきます。
たくさん出てくるのだから、「一括査定がいいのか」と刷り込まれるわけで、とりあえず一括査定に出してみるかという思考回路に落ち着きます。
「なるほど、6社から査定が出てくるのか」
と登録を押すと、1分後にはその6社から電話ラッシュです。
めっちゃかかってきます。
一般的に「不動産」という業界には悪いイメージがついているので、免疫がない人だとその時点でアレルギー的な反応を起こしてしまいます。
「なんでこんなに電話かかってくるの!?こわい!」みたいな。
UIとしては、6社を比較できるから一番高く売ってくれる不動産会社に出会える!というところに惹かれるわけです。
ですがUXでは、電話がかかってきすぎて嫌だ、6社と連絡を取らなければいけないのは面倒くさい、などなど。
不動産会社が査定をするのはボランティアではないので、訪問をして媒介契約を締結して、売り出しをして契約にもっていくために査定をするのです。
そして、一括査定サイトから受け取った情報には10,000円前後の課金が発生するのです。
なので、お金を払って得た情報は、是が非でも売主に会って媒介契約を勝ち取りに行きたいのが本音です。
つまり、高く売りたいし査定はしてほしいけど、電話営業が嫌だという売主の矛盾がここに生じるわけです。
つまり、6社に査定を依頼できるという「いいUI」が「いいUX」を生むとは限らない典型例だと考えています。
もっと深く言うと、そもそも選ばれた6社の中に一番高く売ってくれる会社がいるとも限りません。
6社から漏れている他の会社の方が高く売ってくれるかもしれないですからね。こればっかりはわかりません。
情報の非対称性が多い不動産業界ではまだまだツッコめるところがありそうです。