#12 オンライン内見の可能性
新型コロナウイルスの影響を受けた3月以降、仲介会社が軒並み苦戦をしているという風の噂を聞いたことがありました。
感染拡大防止のため、売主、買主が内見対応を控えるため、売買に繋がらないと。
不動産の売買のみならず、連日TVでも取り上げられていた飲食店の閑散やアパレル会社の倒産のニュースなど。どの業界でも苦戦を強いられてたことでしょう。
個人の生活ではSTAY HOME、在宅ワークが呼びかけられ、思うように外出できない日々が続いた時に流行したのが【オンライン〇〇】でした。
オンライン飲み会、オンライン会議。LINEやYoutube、meet等を介し世界どこでも画面越しに顔を合わせて話ができる時代となりました。
その影響もあり、ビデオ会議サービスを提供している「Zoom」は2020年2~4月期の売上高が前年同期比2.7倍の3億2816万ドル(約360億円)だったと報じられています。
この「オンライン〇〇」。まだまだ可能性は秘めていると思っており、不動産業界にもいつかくるだろうと考えているのが「オンライン内見」です。
先述の内見対応ができない件。もしオンライン内見がすでに普及していたら、コロナウイルスの影響はほとんど受けなかったであろう可能性もあります。
ですが、オンライン内見が実際の内見(現地に行く)を対等になれるか、と言われると、まだまだ難しいかもしれません。
Zoomを繋ぎ、売主が室内を歩き、部屋の紹介をしてくれたとして、買主にとってそれが決め手になるか、んー。
やはり現地を見て、自分の目で見て決定したいと考えてしまいます。
現地に行くことで感じることができる、「あー、なんかいいかも」という気持ち。この、あー、なんかいいかもが案外決め手になるのが不動産の購入。人それぞれですが、におい、音、光の入り方、部屋の温度、景色、街並み。これらをオンライン内見でも実現をすることができれば可能性は十分にあると思います。
近年では、【映画】が4DXというシアターを提供しています。これは前後左右や上下に動くシートや、水や風、香り、フラッシュ映画のシーンとリアルタイムに連動するものです。 映画を「観る」から「体感する」ことに変えた革新的な娯楽となりました。
内見は物件を見ることですが、4DXのように【体感する】、というところがヒントになりそうです。
においの可視化?音の可視化?五感を揺さぶるものが可視化され、それが共通言語になったら、とか。
もし不動産の営業担当から「内見を体感しましょう!」と言われたら、なんかちょっと気になりそうです。
判子レスの波に乗り、オンライン重説、オンライン契約も徐々に主流になってきている不動産業界。
プレイヤーたちがその波についてこれるかどうかも課題点。
【体感する】をキーワードに引き続き模索を続けて行きたいと思います。
高ければ高い壁の方がのぼった時気持ちいいもんな(Mr.Children/終わりなき旅)