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#173 あんまり教えてくれない不動産買取で損をしない話2
不動産買取で損しないための話2弾目です。
・買取査定の後に仲介で市場に出した後に、再度買取を検討したら当初の買取金額が下がってしまった
「金額の折り合いがつけば買取での売却を検討しようと思い、買取額を複数社からいただきました。その結果、最高で3,000万円の買取額をいただくことができましたが、急いで売りたいわけではなく、もう少し高く売れるかもしれないと思ったため、仲介で3,980万円で市場に出すことにしました。
実際に販売活動をしてみたものの、中々買い手が現れない状況が3ヵ月続きました。さらに事情が変わり急遽売却をしなければいけなくなったため、買取をお願いしようと思い、3,000万円の買取額を提示した会社にお話しをしたところ、買取額は2,700万円になると言われてしまいました。
売却しなければいけない事情になってしまったため泣く泣く2,700万円で売却をしましたが、あの時3,000万円で買取をお願いすればよかったと後悔をしました。」
売却活動をしていく中で、事情が変わり急遽売却をしなければいけなくなってしまったということは少なくありません。
また、買取よりも仲介の方が高く売れるため、仲介でチャレンジをしてみたいという方も多いです。
しかし、一度物件を市場に出してしまうと、当初の買取金額では買ってもらえないリスクがあることを予めご承知ください。
一度市場に出してしまった物件の買取額がなぜ下がってしまうのか。
一言で述べると、その金額で売れないことが証明されてしまったからです。
まず、買取会社の事業として、物件を買取後、リフォーム等を行い、物件に付加価値を付けて再度販売を行います。
再度販売をする際にいくらで売りに出すかは、リフォームにいくらお金をかけるのか、周辺物件の売れ行き(競合調査)等を総合的に鑑みて決定をします。
今回の例のように3,980万円で売りに出したけど、「売れなかった」ということは、その値段が高すぎる、または近くに新築が建築されて比較検討の結果買い手がそちらに流れている等の外的要因が考えられます。
話を元に戻して、3,980万円で「売れなかった」ということは、買取会社が再販をする際に同じ値段で販売をしても売れない可能性があります。
元々は3,000万円で仕入れて3,980万円で販売をしようと考えていましたが、3,980万円で売れないということであれば、同じ金額で販売をしても売れ残ってしまう可能性がある。
そうすると、販売価格を下げなければいけないため、リフォーム費用や、その他の諸費用を計算すると、結局のところ、買取額(仕入れ)を下げないと、利益を確保することができなくなってしまうため、買取会社は買取額を下げざるを得ないことになります。
これが市場に出してしまったことにより買取額が下がってしまうという構図です。
また、別視点にも要因はあります。
通常、提示される買取額は「今この時点での金額」のため、提示を受けてからおおよそ1ヵ月が期限となります。
つまり、3ヵ月後も同じ状況で購入できる保証がないということです。
なぜなら、買取会社も会社のため、状況に左右されることがあります。
3ヵ月後に買取会社に再度相談をしても当初の金額で買えない理由として、例えば、
・他に購入したい物件が出てきたため、そちらの方に資金を回したいため
・在庫を抱えているため、仕入れを控えている
・3ヵ月前に比べて市況があまりよくないため、今は物件を買わない方がいいと判断した
等が挙げられます。
では、このようなことを回避するためにまずは何をするべきか。
まずは複数社から買取額の提示を受け、本当にその値段で満足できないということであれば仲介で売却活動することをおすすめします。
もちろん、住宅ローンの残債を買取額では抹消できないという場合は必然的に仲介で売却することになるでしょう。
ただし、今回の事例のように、仲介で売れないから再度買取を検討しようと考えた場合は、当初の金額では買取ってもらえない可能性が高いことを予めの心づもりとして持っておくことが大切です。