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【自宅トレーニング】ホームジムを作るなら、まずは床から。

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしてます。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

さて、昨今の感染症の拡大もあり、
定期的なトレーニングをしている人では、
”自宅でトレーニング”という選択は
まだ続くのかなと思っています。

そこで今日は、
結構”ガチ”なホームジムを考えている人に向けて、
・機材の重量の目安
・床の積載荷重
・床面の保護
・騒音/振動対策

についてお話をしていきます。

ジムトレーニングと遜色のない機材を揃えたいなら。

ウェイトトレーニング代表格:ビッグ3。
・スクワット
・ベンチプレス
・デッドリフト
この辺の
”高重量種目も自宅でやりたい!”
となると、それなりの機材が必要です。
ざっくりですが、
以下のものは必要になってきます。

・ラック

それこそ、値段はピンキリ。
数万円〜数十万円くらい差が出てきます。
単純に、価格差は、
”ラックの強度=耐荷重量大きさ”
と考えてください。
スペースと使用重量で決めます。
場合によってはハーフラックでもいいかもです。

パワーラックの重量が100kgくらい。
ハーフラックの重量でも50kgくらいはあります。

・ベンチ台

ベンチプレスやインクライプレスのために、
アジャスタブルベンチが必要です。

数万円〜数十万円です。
これも価格差は、
”安定感=強度”の違いです。
高重量のベンチプレスを行うなら、
ガタつくベンチ台はいやですよね。。。
いいやつだと、これだけも50kg近くあります。

・オリンピックシャフト

50φのオリピックリフトの方がいいです。
これも耐荷重量の関係です。
28φの細いバーもありますが、
高重量を扱うとなると、
やはり不安があります。。。。
重量はもちろん20kgです。

スペースの関係でショートタイプの選択もありえます。
この場合、重さはメーカーにもよりますが15kgとかです。

・プレート各種

これは、どのくらいの使用重量かにもよります。
高重量に挑戦する人達ですから、
総重量が150〜200kgでしょうか
。。。
プレートも値段、高いんですよね。。。
トータルで十万円〜って感じでしょうか。

機材の総重量で300kg近くはいくと思います。
普通の住宅で耐えれる重さなんでしょうか?

建築基準法に見る積載荷重

住宅を建てる上で、もちろん法令基準があります。
一般住宅の床設計用の積載荷重の最小値は、
「1平方メートルあたり1800N」
となっています。
N(ニュートン)は力の単位です。
重さ×加速度で求められます。

地球上に常に重力がかかるので、
下向きに重力加速度:g=9.81m/s2です。
なのでざっくりですか、
「1平方メートルあたり180kg」
までは平気
ということになります。

そう考えると、
「総重量:約300kgのトレーニング機材+自分の体重」
とはいえ、
全てが、
「1平方メートルの中に納まっているわけではない」
ので、まず、”床が抜ける”ようなことはないといえます。

でも、使用重量だけを見るのはちょっと危険。

しかし、ここで”反力”を考えます。
ニュートンの運動法則の3番目です。

”物体Aから物体Bに力を加えると、物体Bから物体Aに、同じ作用線上で、大きさが等しく、向きが反対の力が働く。”

仮に、体重70kgの人が
100kgのバーベルを担いで
スクワットをします。

スタートからダウンフェイズ、
ボトムポジションで切り返して、
アップフェイズ、そしてエンドポジション。
この動作中、床にかかっている力は一定でしょうか?

答えは、Noです。
アップフェイズは、170kgを超える重さが床にかかります。
それと同じだけの力=重さを床は押し返してくる。
だから、スクワットが上がっていくわけです。

単純な床の積載荷重の最小値だけを見るのはちょっと危ない。
やはりプロ(建築士さんや大工さん)に
きちんと計算してもらい、
床の補強は必要なのかなと思います。

床面の保護/騒音/振動の対策

床の強度問題をクリアしたら、
次に気をつけるのは床面の保護と
周りへの気づかい
です。

どんなに気をつけてプレートを置いても、
やはり床に傷がついてしまうかもしれない。
そなりの重量ですから、音が出たり
振動が起こったりします。

自宅でトレーニングを継続するためにも、
周囲に迷惑をかけるのはNG
ですよね。
この辺は、ちょっと気をつけなくてはいけません。
以前にも、こういう記事を書いているので、
ぜひ読んでみてください。

基本、床面の保護や騒音・振動対策として、
1、一番下にジョイントマットを敷いて騒音と衝撃を吸収
2、その上にコンパネ(板材)を置いて、荷重を分散
3、一番上にラバーマットを敷いて床面の保護と足元にグリップを確保

が基本です。
ここまでしておけば、大体O .K.

本当に高重量のデッドリフトを行う場合は、
ダンベルミットを準備しておくと”尚良し”です。

まとめ

ホームジム。欲しいですよね。
でも、まずは床面の確認は必須です。
結構、
”普通の家でも、床は大丈夫だよ”
といったようなネット記事を見ます。
でも、”反力”までを考慮している人は少ない
です。

床が抜けたら、賃貸はもちろんですが、持ち家でも最悪ですから。。。。
建築のプロに相談するのが確実です。

本当は、海外のようにガレージジムの方が
望ましいと思ってます。
室温とか、ほこりとか、別の問題は出ますが、
絶対に安全度が高いので。
日本の実情にはあってませんが、
郊外や地方の方で持ち家の方なら、
スペースがある人も多いのでは?

いずれにしても、安全面と周囲への影響を考えて、
自分にあった
”最高のプライベートジム=ホームジム”
を作っていきましょう。

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