トロフィー道#25 原点回帰のシリーズ最新作『アサシン クリード ミラージュ』
プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第25回は『アサシン クリード ミラージュ』です。調べてみるとシリーズ本編は12作、スピンオフを合わせると20作品以上の歴史あるゲーム。また、シリーズ累計売上が2億本を達成したとのことで、ファンの多さもうかがえます。
昨今のアサクリはトロフィー難度がかなり下がり誰でも楽しくトロコンできるようになってきました。特に引っかかるものはないと思いますが、勘違いしやすいものがあったり、工夫次第で序盤に取れるトロフィーがあったりするので解説しつつ本作の感想をお伝えしていきます。例によって多少のネタバレ(過去作の話多め)を含みますので、読み進める方は注意してください。
ただいま、バグダッド。
13作目でとうとう帰ってきました。バグダッドに。本作では9世紀のバグダッドを舞台に、アサシンである「バシム」の活躍を描きます。バシム…どこかで聞いた名だ…過去作との繋がりがありそうと思ったら、"あの"バシムでした!お前かぁぁぁぁぁあ!正体は『アサシン クリード ヴァルハラ』に登場した「バシム・イブン・イスハーク」でした。時系列的にはヴァルハラの前に当たるのが本作ミラージュ。アサシンマスターになり、なぜあのような状態になったのかがわかります。アサクリは様々な勢力や立場のキャラが主人公になるので、いわゆる正義の味方だけではないのが面白いところ。
それでは早速、今回の作品について見ていきましょう。
コンパクトながら初代を感じさせる作品
原点回帰を狙った作品ということで、初代『アサシン クリード』を彷彿させるようなステルスの楽しさが味わえる内容になっていました。最近のアサクリは、見つかっても敵陣に突っ込んで皆殺しにするゴリ押し戦法が楽すぎてステルスはおまけ程度になっていた印象があるので、ステルスの利点が多かったり潜入の選択肢が多かったりと"THE アサクリ"を楽しめるのは嬉しかったですね。今作でもゴリ押しできなくはないのですが、敵の強さだったり数だったりが調整されているせいかステルスの方が早いし楽でした。
ストーリーについても、一般人から修行してアサシンになるところから描かれていたり昔の作品を思わせる感じになっています。アサシンの指を落とす儀式はまさかのコマンド入力。たしかこれって儀式的な側面もあるけど、アサシンブレードを装備するために指が邪魔だから落とすとかだった気がします。2作目のあたりでエツィオ・アウディトーレとレオナルド・ダ・ヴィンチの会話で「今は昔みたいに指を落とさなくても使えるから安心しろ」みたいなやりとりがあったりして、だんだんとそういう文化は薄れていってるみたいです。
世界観も千夜一夜物語の「アリババと40人の盗賊」にちなんだストーリーがあり、僕のようにイスラムの世界や民話が好きな人はより楽しめるようになっています。このクエストを受けられるのはモルジアナという人物からなのも芸が細かい。
1つ残念だったのは現代編が無かったところ。デズモンド編が終わってからは現代編の割合がだんだん少なくなってきて、今ではほとんどありません。そもそも主人公もいなかったり、現代でアニムスに入って過去の記憶を見る設定もなあなあになっている気がするので、しっかりと方向性は決めてほしいですね。日本のアサシンも登場していたので、その視点での作品も期待しています。
ボリュームも初代くらいで、クリアするだけなら15〜20時間の小規模な内容になっています。進行不能バグなど深刻なものに遭遇することもなかったので、下手に大規模な内容にして薄い作りになるよりも今作のように小規模でもしっかり遊べるものにして良かったと思います。
トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント
トロフィーについてですが、時限や取り返しのつかないものはなく技術介入も少ないため、ストーリーをクリアできるスキルがあれば簡単にトロコンできます。これだけで終わるのもつまらないので、いくつかコツや分かりにくい条件のトロフィーを紹介します。
まずは戦闘状態を10分間生き延びる「生存本能」というトロフィー。敵を1人だけの状態にして、ひたすら短剣でパリィしていれば序盤でも簡単に取れます。この記事を書いている現在でも獲得率4.6%と低めなので取り上げてみました。
次は群衆に紛れた状態で衛兵を10人暗殺する「群衆の刃」と足場を20個破壊する「才能ある逃亡者」のトロフィー。〇〇を何回系のやつの中で割と面倒な2つです。上記画像の場所のあたりには足場と紛れられる商人がいるので、気づいたらやっておけば忘れた頃に達成できます。おすすめは、群衆に紛れて門を通り暗殺→追っ手を巻いたあと逆側から群衆に紛れ暗殺→足場を破壊で暗殺2、足場1稼げます。足場の復活タイミングは分かりませんが、ストーリーの合間に近くのビューポイントにワープしてから行けば大丈夫でした。連続でできるかは不明ですが、合間にやるくらいが作業感がでなくて良いと思います。
もう1つ、これは僕の勘違いなんですが、もしかしたら他にもそう思う人がいるかも知れないとおもったので共有します。全地域を探索し尽くす「探索者」というトロフィー。他のゲームの影響なのか、勝手に全地域を踏破する(霧なっている場所を無くし全てのロケーションを解放する)ことだと勘違いして、トロフィー取れないなーと数時間さまよい無駄な時間を過ごしてしまいました。正しい獲得条件は、各地域で装備箱や失われた書といった項目を全部埋めることです。幸い数が多くないのでコンプまで時間はかかりませんが、ストーリーに関係ないことをするのは作業感を感じてしまいます。わかっていれば初めのうちから集めていたので、これから挑むという方は早めに着手しておきましょう。
評価
トロコンにかかった時間は約30時間。先ほども言ったように、勘違いで数時間無駄にしているので実際には28時間くらいです。ゆっくり遊んでこの程度なので急げば25時間は切れると思います。原点回帰ということで世界観も含めて「これがアサクリだ!」という作品になっていて、今まで遊んでこなかったプレイヤーにも楽しんでもらえると思います。歴史ある作品ではありますが、ミラージュから遊んでも全く問題ありませんし、これだけ遊んでも楽面白いです。ソフトも安いしボリュームもちょうど良いし、アサクリをおすすめするのに相応しいタイトルだと思います。名前だけ聞いたことがあるけど未プレイで気になっている、という人には遊んでほしいです。
楽しみながらトロコンできる良作でもあるので、トロフィーハンターにもおすすめします。