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トロフィー道#33 リアルな苦しみに耐えながらのトロコン!『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』

プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第33回は『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』です。
このゲームをプレイしているときに体調を崩しまして、それでも無理をしてトロコンまで漕ぎ着けたわけなんですが…検査してみたらコロナに感染していたというオチ。久々の高熱ということもあり疑ってすぐに病院へ行ったものの、検査で出なくて一旦は夏風邪との診断を受けました。ただ、あまりに高熱や喉の痛みが続くし時間が経たないと陽性反応が出ないとのことだったので再度受診した結果、無事に(?)陽性となりました。発熱から5日以上経過し熱が下がってきたくらいのころです。現在は2週間以上経ち、かなり体調が良くなって喉の違和感以外はなにもない感じです。今回は、そんなリアルデバフ状態で挑んだトロコンまでの感想をお伝えします。記事の性質上ネタバレを含みますので注意ください。


無双もできる和風タワーディフェンス!

『祇』は穢れに覆われてしまった山村が舞台。プレイヤーは畏哭(いこく)と呼ばれる異形と戦いながら巫女である世代(よしろ)を守りつつ、各地の穢れを払い鎮めていくというもの。公式ジャンルは「神楽戦略活劇」ということですが、簡単に言うとタワーディフェンス。正確には、タワーディフェンスで主人公だけ攻撃や移動など自由に動かせる感じで、主人公だけでいうとアクションですかね。タワーディフェンスだけだとガチガチの戦略系でちょっともっさりしているイメージを僕は持つんですが、本作は主人公がプレイヤーキャラの立ち位置で好き放題できるのでもっさり感が軽減されているほか、極端な話、他のユニットに頼らず自分だけで畏哭を全滅とかもできちゃいます。皆さんここまではしないまでも、このシステムのおかげでタワーディフェンスの難易度が下がってかなり遊びやすくなっていると思います。

ゲームは昼と夜の2パートで構成されていて、昼が準備・進行パート、夜がディフェンスパートとなっています。昼間には霊道を引いて巫女をゴールへと導いたり、ユニットである村人を助けて仲間を増やし職業を与えてバトルに備えることができます。世代がゴールに着くことがクリアとなるので、移動しつつ夜をしのいでまた移動してみたいな形でゲームが進んでいきます。慣れないうちは昼間にやることが多くて焦ってしまいますが、少しプレイすれば丁度いいくらいには感じられるようになりました。
夜はゲームのメインとなるディフェンスパート。畏哭とのバトルです。ユニットの配置だけでなく、同じステージであっても守る対象である世代の場所によって戦い方が変わってきますし(昼に移動するため)、主人公を世代の守り専門にするのか畏哭を早い段階で倒して到達させないようにするのかでも戦略が変わってきます。敵が出てくる場所もランダムなので、従来のタワーディフェンスとはまた違ったスピード感というか状況に応じた対応力みたいなのが求められる感じが新鮮で楽しかったです。覚えゲーという感じでもないので、きちんとゲームしている感があるのも良かったところですね。

気になったところといえば音声のバランスでしょうか。畏哭が世代に近づくとコントローラーのスピーカーから世代の声で「助けて…」などと知らせてくれるのですが、これがうるさい。というかデフォルトの音量がめちゃくちゃ高くてびっくりしました(笑)ゲーム内のボリュームをいじるもほぼ変わらず、コントローラーのスピーカーの音量を2割以下くらいにしてやっと気にならないくらいになりました。そんなこと?と思われるかもしれませんが、言及するくらいバランスが気になったのです。だからクソゲーなどと言うつもりはなく、僕はむしろ神ゲー寄りだと思っています。なのになんでそこだけと思ったのでわざわざ言うに至りました。これから遊ぶ人はいつものスピーカー音量でゲーム内のボリュームもいじらず、まずはびっくりしてみてください(笑)

最後に、狂気ともいえるこだわりを紹介させてください。画像はゲーム内に登場する世代が食べる御菓子。異常にリアルなのは一目でわかるとして、さらに360度色々な角度から見ることができます。この御菓子は収集要素くらいなもので本編とは関わりがないですし、食べると能力が〜ということもありません。ただの御菓子ですから。でも、カプコンがたまにやる、なんでここまで!?というこだわりが僕は大好きです。リアルにはリアルではあるのですが実写の元がある感じもしていて、気になったので調べてみたら、創業二百年を超える伝統を誇る京都の老舗京菓子司「鶴屋吉信」謹製の御菓子を3Dスキャンによって再現しているとのこと。「鶴屋吉信」さんの御菓子は公式サイトでオンラインショッピングが可能なほか、東京などにも店舗があるので気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか。僕はTGSのときに行ってみようかと考えています。


トロコンに向けて

トロフィーについてですが、時限はありませんが2周する必要があります。基本的にはどのトロフィーも2週目にまわせる感じですけど、1周目でできることは全部やっておいたほうがいいです。ステージごとに「ノーダメージでクリアする」みたいなミッションがあって、トロコンを目指すにはミッションの全達成は避けて通れないので、必ず同じステージを数回は遊ぶことになります。1周目である程度やっていれば2周目で新たに追加されるミッションを達成するだけで済むのでストレスが少ない気がします。2周目で全部やるとなるとかなりの量なので、面倒になってしまう人もいそう。それと1周目でやり込むもう1つの利点は、1周目で苦労した分、2周目のミッションが簡単に感じるようになること。初めのうちに何度も試行錯誤してボスの戦略や各ステージの立ち回りを確立させておけば、2周目の難易度はかなり下がります。必然とプレイ時間も多くなるので、僕は2周目に入る頃には操作もかなり上手くなっていました。まぁここはプレイヤー次第ですが、先に苦労しておくか後回しにするかという話ですね。

トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント

「常山の蛇勢」

苦労するところは皆同じで、2周目も含めて全てのステージのミッション(サブ目標)をクリアする「常山の蛇勢」というトロフィーでしょう。実際1番時間がかかります。簡単なミッションもありますが、たまにやっかいなのが出てきます。僕が苦戦したのは、主人公・世代がノーダメージでクリアするというものです。最初はそんなことできるのか…と絶望していましたが装備さえ整えていけば、そう何度もトライしなくてもクリアできます。主人公は技にあたる鍔(つば)を3つ、特殊効果を付与する魔像を5つ装備可能。これをミッションによって最適なものを選ぶことから始めます。ここからはノーダメに最適なおすすめ装備を紹介しますので参考にしてみてください。

鍔(ノーダメ用)

鍔は上記のセットでどちらのノーダメのミッションにも対応できます。大事なのは「勾陳」なのであとの2つは攻撃系であればなんでも大丈夫です。

「勾陳」は畏哭の進行や攻撃を防ぐ結界を設置する技で、結界は使用した場所に展開されます。敵の攻撃が激しくなってきたら主人公であればひとまずこの中に避難、世代を守る場合は世代のところまで行って発動すれば一定時間はしのげます。中からも攻撃できるうえに、畏哭が結界に触れるとダメージを与えられるので攻撃にも転じられます。でもどちらかといえば世代のノーダメージ用ですかね。主人公のノーダメが要求されるときの「勾陳」は最終手段くらいに思っておいてください。

魔像(ノーダメ用)

ノーダメ達成に向けての魔像で1番大事なのは、毎晩、主人公が最初に畏哭から受けたダメージを無効化する「形代仏」。これがあるのとないのとでは精神的な余裕も含めかなり違います。プレイに自身があっても必ず装備しましょう。
他に大事なのは祀り状態中、世代も無敵になる「無欠」という魔像。これもノーダメを達成するには必須。主人公は「手水舎」を使用すると毎晩1度だけ一定時間無敵になります。「無欠」はこの際に世代も無敵になるというものです。主人公・世代どちらのノーダメが要求された場合にも重宝するのはもちろん、ピンチを打開できるので無くてはならない装備だと思います。
次におすすめなのが、「盃兎」「三業」といった鍔の霊力回復についての魔像。鍔を装備して使える技は霊力が溜まらないと使えないうえに、1度使用すると次に溜まるまで時間がかかります。技をたくさん使えればノーダメ達成もしやすくなるので、これを少しでも早めるのが重要になります。2つ装備するのが理想ですが、どちらかなら切り替えていない鍔の霊力もゆっくり回復するようになる「三業」が僕は使いやすかったです。
それ以外については、僕は攻撃力を上げて畏哭を早めに処理できるようにしていました。攻撃は最大の防御ですから。

あると便利な職業

それでも不安という人は村人を「陰陽師」にしておきましょう。陰陽師は夜になると祈祷を開始し、ゲージが溜まると任意のタイミングで式神が召喚できます。式神を召喚すると出現している全ての畏哭を消滅させられます(ボス以外)。これもピンチの時の最終手段にはなってしまいますが、1度その場をリセットできるので便利です。僕は意外と使う場面がありました。
優先度としては、鍔→手水舎(無敵)→陰陽師という順番ですかね。式神を召喚するくらいには鍔の霊力も回復していると思うので時間稼ぎにもなります。これはトロコンしてから気づいたのですが、「陰陽師」が複数いる場合は祈祷時間が短縮されるみたいです。式神を戦略に入れる場合は「陰陽師」を2人以上にしたほうが良さそう。

魔像の仕様というかシステムの良くないところも言っておきましょう。まず、画像でも見てわかる通り視認性が良くない。鍔は鍔のデザインと共に一覧が表示されるのでまだ見やすかったのですが、魔像の場合は経本に書いてある凝った感じになっており見た目は良いのですが非常に分かりづらいです。左上の画像は特徴的なの以外は覚えにくいですし、魔像の名前も聞きなれない単語が多いのでいまいち入ってきません。結局、いちいち効果を読み探さないといけないのでそこだけがストレスでしたね。頻度が高い魔像はお気に入りに入れて「お気に入り検索」で探せるようにはなっているものの、お気に入りが増えるとその中で探す作業が出てきてしまうのでそこまで便利ではない印象です。魔像のセットを登録しておけるシステムがあれば解決するのですが、頻繁に変える魔像のセット登録をなぜ作らなかったのかは疑問です。モンハンの装備セット登録と同じ感じで欲しかった。

「終幕」

もう1つ、苦労するトロフィーは宗呪を祓う「終幕」というトロフィー。簡単に言ってしまえば、2周目に登場する裏ボスを撃破しなければいけないトロフィーです。これがね、結構強いんですよ。ただ、コテンパンにされるわけでもないので、すごくバランスがいいなって思ってしまいます。それでもイライラはしますが。こちらも、まずは装備のおすすめから紹介していきましょう。

鍔(対 宗呪用)

鍔に関しては、攻撃3つならなんでも良いです。僕は攻撃力が高めな「白虎」「大陰」と霊力が溜まりやすく何度も発動しやすい「朱雀」してみました。使う順番としては「朱雀」を最初に撃っておいて、霊力をためつつ他の2つを撃つ感じです。3つ目を使うタイミングは「朱雀」が溜まりそうくらいが望ましいです。

魔像(対 宗呪用)

魔像については、ノーダメのところで紹介した「盃兎」「三業」「無欠」を入れました。「盃兎」はなくても良いです。あとは攻撃力が大きく上昇する「如来」と溜め系の攻撃のため時間が短くなる「呪犬」。溜め攻撃を当てる方が体力やスタンゲージを多く削れるので「呪犬」があると手数も増え結果的に与えるダメージがアップします。攻撃力上昇の魔像は重複しても効果を発揮するので「盃兎」のかわりに攻撃力上昇の魔像を装備するのもありです。また、敵の攻撃力がありえないくらい高いので、回避できない人はダメージ軽減系の魔像を装備することでバトルが安定します。

村人問題

他のボスと同様、宗呪戦にも仲間を連れていけるのですが、主人公でも苦戦するほどの強敵に仲間が敵うわけもなく。つかせる職業によっては一瞬で溶けていきます。囮くらいにはなってほしいですし、なんなら戦力にもなってほしい!という人向けにおすすめの職業…というか強引とも言える戦略を紹介します。

メインとなる職業は「角力」。正直、もう全員この職業でも大丈夫です。MMOでいうところのタンクキャラなので、敵を引きつけてくれますし体力も多いのでそう簡単にはやられません。短時間でも足止めしてくれるのは助かります。

2人くらい入れておくと便利なのが「修験者」。この職業は敵を拘束し動きを止めてくれるほか、防御力を下げてくれます。ボスなどの強敵に対してはほとんど効果はありませんが、「角力」の集団と合わされば使えないこともない感じです。繰り返しになりますが宗呪戦では仲間には期待できないので、あくまでも気休めくらいに思っておいてくださいね。

個人的に大変だったミッションと集中力の話

僕はノーダメージよりも蓮華沼ステージでの「宗(主人公)が不浄溜まりのダメージを受けない」というミッションが1番苦労しました。プレイしていた時は具合が悪かったり深夜だったりで集中力が切れていたこともあり、なぜかあと一歩のところで沼にポチャンとしてしまうんです。近づかないようにしていても敵の攻撃で吹っ飛ばされたり、挙げ句の果てには村人の復興作業の完成のエフェクトで不浄たまりへ。限界だったので一旦寝て起きたらやろうという判断をしてその日は終わりました。
次の日、起きて早々にPS5の電源を入れプレイ開始。すると1発でクリアという、ゲームあるあるのど真ん中のやつを体現しました。集中力って大事。皆さんも、何回もやってできないと思ったら一旦やめましょう!だらだらやるよりも寝るとか休憩して切り替えた後に遊んだ方が効率が良いです。
ミッションクリアのアドバイスをもう1つするなら「欲張らないこと」。これにつきます。1度に全てのミッションをクリアしたい気持ちはわかりますが、二兎追うもの〜という諺にもあるとおり、欲張ると結局どれも達成でいないなんてことになりかねません。僕はそうでした。なので、2回ないし3回くらいで達成するとか、優先順位をつけてこれだけは必ず達成すると目標を立てて挑むことが大切です。とにかく、集中力が切れた時の蓮華沼だけ注意しましょう(笑)

評価

プラチナ取得時間 40〜60時間
難易度 ★★
トロコン難易度 ★★★
ゲーム評価 ★★★★
オススメ度 ★★★★

トロコンまでにかかった時間は約45時間。ゆっくり遊んだ+前述した蓮華沼でかなり足止めされたので、プレイスキルにある程度自身がある人は40時間くらいあればトロコンできるはずです。ゆっくり慎重にプレイしたとしても60時間くらいあればトロコンにたどり着けると思います。
世代が一撃でやられてしまうようになる魔像などもあり、縛りプレイでやり込むことが可能ですし、フォトモードも用意されているので面白い写真やかっこいい写真を撮る楽しみもありトロコンしたあとでも遊べると思います。これで5000円以下というのが素晴らしい。ボリューム的なことを考慮してなのかもしれませんが、もう少し高くても僕は買いましたし満足できると思いました。未プレイの人に勧めやすいというのも評価が高いポイントですね。ゲーム自体の難易度は低く遊びやすいですが、トロコンを目指すとなると多少プレイヤーのスキルが問われるのでトロコン難易度は星3つとしました。









ネタバレ感想を少しだけ

世代の元気な姿が見れてよかった。

まずは、ハッピーエンドだったことに安心しました。「世代」というくらいなので全てを背負ってしまうのかと思いきや、2周目で宗呪を倒したことで未来が変わるというのも2周する意味があったのでモチベーションにもなりましたね。個人的な考察というか願望みたいな感想になってしまいますが、「大神」と関連がある世界だったら良いなと思いました。発売日からコラボしているくらいですし。単に世界観が似ているからということも考えられますけど、人間界の危機に神が「宗」を遣わせたのだとしたら面白いなとも考えたり。僕は「大神」世代ということもあり、コラボや本作の世界観について大満足でした。「穢れ」は完全に消えることはないと思っているので、次回作にも期待したいです。当初は『祇(くにつがみ)』は買う予定ではなかったので、あやうく素晴らしい作品をスルーしてしまうところでした。新規IPにはなかなか手を出さなくなってきたのですが、これを機に少しでも気になったら積極的に遊んでいこうと思いましたし、そう思える作品でした。


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