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エッセイ | 私の髪の毛

今日は息子を夫に預けて美容院に行った。2ヶ月ぶりの美容院。

今、私の髪は肩を少し超えるくらいの長さだ。ミディアムにしては長いけれど、ロングとは言えないくらいかな。一般的にはそこまで長い部類には入らないと思うけれど、自分の記憶の中では最長クラスかもしれない。

最後にバッサリ切ったのは、息子が生後2ヶ月くらいの頃。授乳するときに邪魔だなと思い、ちょうど肩に付くくらいのミディアムからやや長めのショートにした。その時はドライヤーをかければ一瞬で乾くし、似合っていると言ってもらえることも多かったので、わりと気に入っていた。そのまま伸ばし続けてはや2年。

その間に娘が生まれて、私の生活は格段に忙しくなった。ドライヤーの時間が惜しいと思ったことも一度や二度ではない。一度ドライヤーをかけた時間を計ってみたら、5分弱だった。365日かけると30時間以上になる。1日以上かけている。結構な手間だけど切らないのは、今はこの伸びた髪の毛が、私の過ごしてきた日々の蓄積のように思えるからだ。

息子が生まれてからどんどん自分の時間を削り、それまでやっていた習い事や趣味もやめてしまい、私の中で蓄積していくようなものがなくなってしまった。毎日が充実していないわけではないけれど、ほとんど同じことの繰り返し。息子や娘はぐんぐん成長しているけれど、私が変化を感じることはほとんどない。

しかし髪の毛は伸びる。私が乗り越えてきた日々の分だけ伸びているのだ。頑張っても頑張らなくても、切らずにさえいれば伸びるのだけど、それでも目にみえない自分の毎日の蓄積のようで、気づいたときはすごく嬉しかった。今でも乾かす時や縛る時など、髪の毛に触れるたびに達成感のようなものを感じる。

まだ最終的にどこまで伸ばすのかは決めていない。もしかしたら来月くらいに気が変わって切ってしまっているかもしれない。でももし気が変わらなかったら、一度ヘアドネーションをしてみたい。調べると、どんな髪の毛でも大丈夫だが31センチ以上は必要なのだそう。来年か、再来年かな。今のところ美容師さんに褒めてもらえることもあるので、なるべく綺麗に伸ばしていけたら、と思っている。