好きを言語化する技術
今年1冊目に読んだ本が、三浦しをんさんの「好きになってしまいました。」というエッセイだったのですが、三浦しをんさんの日常、はたまた?!非日常が、思わずクスッと笑ってしまう内容で書かれていました。
この本との出会い
三浦しをんさんといえば、「舟を編む」が2012年の本屋大賞に選ばれた際に、読書家だった祖母に勧められて読んだことがあります。
それ以来、しをんさんの本は読んだことがなかったのですが、今回、表紙のかわいさに目を惹かれ、思わず手に取りました。
三浦しをんさんの日常に訪れる奮闘や旅行記が、様々な妄想を繰り広げられながらも愛が溢れる内容で書かれていて、読んでいてとても心地よかったです。
2025年の1冊目がこの本で良かったなぁとまだまだ余韻に浸るほど好きな本になったので、特にお気に入りの文をこちらでいくつかご紹介させて頂きます。
・香りのうつくしさ
「もうひとつ思ったのが、香りに対する形容に「うつくしい」をあまり使わないのは、何故なんだろうということだ。視覚的なことのみならず、心根などに対しても「うつくしい」と言うのに、不思議だ。心根は言動に表れるが、香りはどこまで行っても目には見えないから、「うつくしい」とは形容しないのだろうか。」
これは、言われてみればたしかにと思った。
"うつくしい香り"とは聞かない。仮に"うつくしい香り"があったしかにとして、どんな香りなんだろう。バラのような気品のある香りのことを言うのかな。それとも、もっとこう神秘的な香りとか?!🤔
とはいえ、人やモノ、景色に対してうつくしいと感じる時、所作だったり、いでたちなど、視覚的な情報で判断している気がするから、やはり目で見たものに対してしか、「うつくしい」という言葉は使わない気がする。
↑と思っていたのですが、1つ思いつきました!
「音色」です!!うつくしい音色は言いますよね!しをんさんに伝えたい!!
・あなたと旅するならば
「旅を終えていつも思うのは、「やっぱりだれかと出会いたいから旅に出るんだな」ということだ。
きれいな景色も、荘厳な寺院ももちろん素晴らしい。
でもそれだけでは、私はここまで感動はしないだろうし、旅の記憶も鮮明に定着はしなかっただろうなと思う。
一緒に景色や寺院を見たひと、親切にしてくれたひと。
出会ったひとたちのことをすごく好きになったから、その旅が印象深いものになった。
そしてまた、旅に出たいと思えるのだ。」
私も旅行が好きですが、旅に出る理由としては、いろんな場所を訪れて、その土地土地の人と交流したいから。
たまたま入ったお店で話したお店の人、観光した場所で出会った人達との会話。
そういう旅先での経験が積み重なって、旅の思い出ってできていくし、また旅に出たいと思えるような気がします。
「袖振り合うも多生の縁」という言葉もあるように、これからも旅先での一期一会の出会いを大切にしていきたいなと改めて思いました。
・希望の塔-なぜ、ひとは積ん読するのか?
「しかしまあ、積み上がる本とは希望なのだとも言える。「明日も生きて、これらの本のなかから1冊読みたいな」とか「知らなかったことをまだまだ知りたいな」とか、自分自身や未来への希望の象徴なのだ。」
私の本棚にもあります、積ん読本。
早く読まなきゃな〜って積ん読本を見る度に思うのですが、本屋さんに行ったり、SNSをしていると気になる本がどんどん出てくるのでいた仕方ない。
積ん読本はますます積み上がるばかりです。
しかし、積ん読本があるということは、明日を生きるための活力になること、まだまだ知らない自分に出会えること。積ん読本は、"希望"であり、"自分自身や未来への象徴"。素敵だなぁ。
我が家の積ん読本も、なんだか光り輝いて見えてきました📚✨️
さぁ、明日も読書に勤しも〜っと。
・即身仏をめぐる旅
「時代もちがうから、いま即身成仏する覚悟は必要ないと思うが、たしかに即身仏の姿は、信仰心や「ひとのために尽くす」とはなんなのか、修行していない私にも静かに訴えかけてくる。」
人の役に立つ仕事がしたいと思い、看護師になって、でもなりたい自分にはなれていないことに悩み、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」って、某ア○パンマンのマーチのようなことをずっと考えていた時期がありました。
結局未だ答えは出ずにいるのですが、私も、我が身を捧げて、ひとのために尽くす、ひとの幸せを願う即身仏のお姿を拝見したら、答えが出るのだろうか。
いつか、山形県に即身仏をめぐる旅に出かけてみたいです。
おわりに
中学生ぶりに三浦しをんさんの本を読んだのですが、ページをめくるたびに、想像力が豊かだなぁと驚きを隠せないほど、日々訪れる日常に対して、様々な妄想が繰り広げられており、また、そのどれもが愛に溢れていて、楽しそうでした🤣
今年は書くことに注力したいと考えていて、その為にも好きだと思ったものやいいなと感じたものには、なぜ好きだと思ったのか、どこがいいと感じたのかを、自分の言葉で言語化するように意識していきたいと思っています。
しをんさんほどの想像力は発揮できないかもしれないけど、私も好きなものに対して、自信を持って好きなポイントを話せる人間でいたい。それが日々の幸せに繋がる気がするから。
表紙の帯に書かれていた、「「キュン」のある毎日は、おおむね幸せです。」って言葉。
私も日常に潜む「キュン」を上手に見つけて、大事にしていきたいです。