「日本の論点2024-2025」を読んで② ソロ活市場について

以下の記事の続きです。

「ソロ社会」」「ソロ活市場」について

ひとり様が今後も増え続けた場合、日本はやがて家族が〝消滅〟した「ソロ社会」になる。生活様式の変化とともに、求められる製品やサービスが現在とはまるで違うものになるだろう。従来のマーケティングが通用しない市場が拡大していくはずだ。

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.85). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

これまで、集団で行動する人が多かったかもしれないが、行動様式が変わってくるのかもしれない。
1人で行動するというときに、以下の本を読んだのを思い出しました。

「どうして、いろんな人から定期的にメールが来ないと恥ずかしいんだろう?」「どうして携帯電話が一週間、鳴らなかったらおかしいんだろう?」「どうして親友がいないといけないんだろう?」  この疑問にたどりつけば、あなたは、一番大切な問いにやがてたどりつくでしょう。  一番大切な疑問、それは、「自分は何がしたいんだろう?」ということです。

鴻上尚史. 孤独と不安のレッスン (だいわ文庫) (pp.13-14). 大和書房. Kindle 版.

1人になると「自分は何がしたいのか?」という切実な疑問に突き当たります。集団でワイワイとやっている時は考えませんが、そこから離れると疑問が湧いてきます。日本で育ってくると、他人と同じ場所と時間を共有することを、その場の「空気」からなんとなく強制されて過ごす人が多かったでしょう。それがソロ活では、集団では自分で行動を決めることになります。自分で考えて行動を主体的に選んでいると、徐々に自分が何を楽しいと思うのかのフィルターが磨かれていきます。そのフィルターを持って、企業から提供されるサービスを見ていきます。これからは「みんな使っているから」という企業戦略は取りづらくなってくるのかもしれません。

じつは、人間が成熟しているかどうかは、『他者』とどれぐらいつきあえるかだと僕は思っています。  やっかいな存在=『他者』とどうつきあえるかが、その人が成熟しているかどうかのバロメーターだと僕は思っているのです。

鴻上尚史. 孤独と不安のレッスン (だいわ文庫) (p.108). 大和書房. Kindle 版.

一方で、ひとりで行動して好きなことを突き詰めていくと、ネットワークができてきます。そこで「他者」と出会います。音楽のバンドなどが例としてあるでしょう。好きなことを一緒にやるには、人間関係を持つ他者として他人と付き合う必要があります。
企業視点では、「ファンマーケティング」などと呼んで、コミュニティを作ることはありますが、本質的には何かに熱中している人が、つながる場を設けるということでしょう。その時に、コミュニケーションが発生し、他者として付き合いがどれだけ深くもてるのかがポイントかと思います。
Web3、DAOといった流れでコミュニティが最近できていますが、各個人が持つ趣向をうまく重ね合わせられるから、パワーがあるのだと思います。

ソロ活社会の裏表に、コミュニティ運営の話がありそうで、非常に面白いなと思いました。

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