
〜トボケ合い〜64年前の日記
昭和32年 12月6日 木曜日 晴れ
学校の帰り道です。
空はもう少しで晴れ間がなくなりそうです。
たばこ屋のかどの所へ来ると学生服をきたお兄ちゃんと会いました。
* コツコツといい足音をたてて歩いています。
お兄ちゃんもぼくのことを知ったらしく、二人ともわざとなにもいわず、
二メートルくらいはなれて歩きました。
ぼくは初めて「おいしんぼう」と呼びかけました。
しかしお兄ちゃんはななめ下を見ながら、歩いています。
少しニヤリとわらいました。
歩いている人がこっちを見ているのもわすれ、二人で歩いています。
* コツコツといい音を・・:小学生の頃、革靴の”この靴音”に憧れた。これこそ「大人の音」だと思った。中学生になると友達が”革の鞄”に教科書を入れて通学する姿を羨ましく感じた。「大人のかばん」だと思った。
大人の世界に憧れる時期が始まっていたのだろう。
* おいしんぼう:これはどういう意味なんだろう?食事処の店の名前とかアニメの題名などで薄い記憶があるが時代が違う・・・”食いしん坊 ”と言っているのか。
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