老い


この間久しぶりに福島の祖母宅に行った。
なんでも祖父の33回忌をやるからだという。

コロナで大分行けてなかったので僕は父と日帰りで福島に行った。

父の長兄夫婦は亡くなっているのでその子供たちが3人来た。
いとこの兄ちゃん姉ちゃんたちだ。

小学生の頃は毎年夏休みになると2週間くらい福島には泊まりに行っていたので、祖父母宅の少し上に登った所にあった伯父宅にはホントに世話になった。

そこのいとこの兄ちゃん姉ちゃんらにもホントに良く面倒見てもらったので、ホームシックに掛かることもなかったし、毎年夏休みになると早く福島連れていってくれと親にせがんでいたくらいだった。

その日の法事には他、存命の父の兄弟が来た。

なにしろ祖母が101歳なので💧、父の兄弟、つまり祖母の実子では既に2名鬼籍入りとなっているのだ。

そんな感じの少人数で33回忌をやった。

美容室を営んでいる東京に住むおば(75)も来ていたし、祖母宅の隣の村に住む叔父(69)夫婦も来ていた。

僕は何かの話の流れで、別々ではあったが、二人に「仕事まだやめないの?」と聞いたが、

二人共に「辞めたら生活出来ねえ、年金なんか雀の涙だし」というお決まりの返事が返ってきた。

別に生活は出来るはずだし、当然蓄えもあるだろうし、ホントに無理なら何かの援助もあることぐらいは知っているだろうが、まあ、元気だから働いているというのが一番の理由だろう。

僕の父(72)もそうだと思う。

僕の父やおじおばを、作家と同列に語るのもなんだが(笑)

作家に取って絶筆ほど無念なものは無いと言う。

漫画家もしかりだろう。

近年では、ドカベンを終わらせた水島先生は絶筆にならなかったし、こち亀の秋本先生も長い連載に終止符を打ったことは記憶に新しい。

手塚先生は残念な事に3作絶筆となっている。

作品を作ってる最中に命を落とすという無念さは、作家以外にも当然あるだろう。

とはいえ、美容師の伯母がお客さんのパーマのロット巻いてる最中に倒れたら?

今でも現場仕事をしている大工の叔父が作業中に屋根から転落したら?

タクシードライバーをしている僕の父がお客さんを乗せて走ってる最中に意識を失い事故ったら?

死んだ後のことなんか知るか!と言われそうだが、死んだ後のことも考えて生きることも大事だと思うのだ。

仕事をすることも幸せなことかもしれないけど、引き際も大事だろう。

僕は定年になったら仕事なんかしたくないと思っているし、70歳くらいまで元気で運転出来たのなら即時免許も返納しようと思っている。

ちなみに父には75で返納しろよ!と言っているがどうなることやら。

人間誰でも老いはやってくるが、今日寝て翌朝老人になるわけじゃないから、なかなか始末に終えないのだ。

しかしだからこそ、老いるということを想定しながら生きなければならないはずだ。


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